アジアがトロフィ奪還、プレーオフ制し奇跡の逆転/ロイヤルT
2012年12月16日(日)午後8:02
初日の劣勢を2日目に跳ね返したアジアが最終日も底力を発揮。史上まれに見る接戦を引き分けに持ち込み、プレーオフの末、勝利をもぎ取った。
アジアとヨーロッパの強豪が名誉をかけてチーム戦で競うザ・ロイヤルトロフィ。現地時間16日、ブルネイ・ダルサラームのエンパイアホテル&CCを舞台に行われた最終日のシングルマッチは接戦につぐ接戦の好勝負が繰り広げられた。
ヨーロッパの1ポイントリード(4.5ポイント対3.5ポイント)で迎えた最終日。アクシデントが伝えられたのはスタート前のこと。ヨーロッパチームのプレーイングキャプテンを務めるホセ・マリア・オラサバル(スペイン)が痛めていた首の状態を悪化させ棄権を表明したのだ。それに伴い、事前にキャプテン同士の協定により欠場者が出た場合にシングルスに出場しないことになっていたキラデク・アフィバーンラト(タイ)がリストから除外され、第1マッチは両チームに引き分けの0.5ポイントずつが加算された。
勝てば1ポイント、負ければ0ポイント、引き分けで0.5ポイントの勝負は残り7マッチ。当初オラサバルと対戦予定だったベ・サンムン(韓)が2組目に登場しニコラス・コルサーツ(ベルギー)と対決。ベ・サンムンは前半リードを奪いながら、15番パー5で欧州ツアーNo.1の飛距離を活かしたコルサーツがイーグル奪取に成功し1アップの僅差で負けを喫した。
続く金庚泰(韓)はゴンサロ・フェルナンデス-カスタノ(スペイン)と引き分けたが、今大会初出場の藤本佳則がマルセル・シエム(独)を上がり3ホールで逆転し1アップの勝利でチームに貢献。呉阿順(中)がエドアルド・モリナリ(伊)と引き分けたあと、前日41歳の誕生日を迎えたジーブ・ミルカ・シン(インド)がミゲール・A・ヒメネス(スペイン)を1アップで一蹴。その直後Y・E・ヤン(韓)がフランセスコ・モリナリ(伊)を2アンド1で下し、遂にアジアが8対7でヨーロッパをリードした。
最後に残されたのは石川遼 vs. ヘンリック・ステンソン(スウェーデン)の対決。石川が勝てばアジアが第6回大会にして3年ぶり2度目のトロフィを持ち帰ることになる。両チームが固唾をのんで見守った石川とステンソンの戦いはステンソンの1アップで最終ホールまでもつれ込む。チームの勝敗の鍵を握るとあって責任重大だった石川。しかし最後は両者パーに終わりステンソンがそのまま1アップで勝利し、両チームのポイントは8対8で大会史上初のドロー(引き分け)となった。
その結果、決着はプレーオフにもつれ込む。尾崎直道キャプテンが送り込んだのは今大会絶好調のヤンと金の韓国ペア。対するヨーロッパはコルサーツとフランセスコ・モリナリのコンビが登場。最後は金が値千金のバーディを決めアジアが奇跡の勝利をものにした。
初日アジアが0.5ポイントに終わったときにはこの結末を誰が予想しただろうか? これぞ筋書きのないドラマ。アジアチームを讃える歓声はいつまでもコースにこだましていた。
ザ・ロイヤルトロフィ放送予定
http://www.golfnetwork.co.jp/cp/royaltrophy2012s/