2012年の国内男子ツアー賞金王に輝いた藤田寛之。ゴルフの世界で普通なら下り坂の43歳がなぜ今ブレイクしているのだろうか？

「メンタル？　いえ、僕はメンタルとかポジティブとかそういうのは嫌いです」と藤田。プレッシャーがかかる場面で力を発揮するのは「何より技術の積み重ね」と言ってはばからない。

「ミスしそうだな」「不安だな」と思うのは藤田に言わせると「必ず原因があります。原因が何かを突き止め、それに見合ったテクニックを使うだけ。技術なくしてメンタルなど語れません」

　つまり藤田は技術の引き出しの多さと、それを状況に合わせ瞬時に選択する力が人より長けているのだということだ。

　さらに「技術を活かす体を作るため」シーズン中でもトレーニングは欠かさない。中嶋常幸や谷口徹ら実力者たちがこぞって「ゴルフに対する真摯でストイックな取り組みには頭が下がる」と賞賛を惜しまない。

　そんな藤田の目標はなんといっても「海外メジャーで結果を出すこと」。幸い2012年シーズン終了時点で世界ランクトップ50以内を確保し、2013年は2度目のマスターズ（現地時間4月11?14日／ジョージア州、オーガスタナショナルGC）挑戦が許された。日本を代表するアラフォーの星がメジャーで優勝争いを演じる姿が是非見たてみたい。