注目選手振り返りと展望 ?岩田寛? Part1
2015年1月2日(金)午後1:01
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2014年、悲願達成とともに世界で戦う手ごたえをつかんだ男がいる。それは岩田寛だ。
2006年に初めて国内男子ツアーのシード権を獲得した岩田は、何度も優勝のチャンスを手にしながら、目の前で逃してきた。2008年のつるやオープンでは単独首位で迎えた最終日、終盤で連続ダブルボギーを叩きタイトルならず。同年のフジサンケイクラシックではこれを決めれば優勝という1メートルのバーディパットを外し、プレーオフの末に敗れた。その後も度々優勝争いを演じながらも、その二文字には届かなかった。
ところが、2013年には岩田にとって刺激となる出来事が起こる。シーズン最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップで、東北福祉大学で同期だった宮里優作がツアー初優勝を達成したのだ。次は俺の番だと思ったに違いない。そして、今季に入るとシーズン序盤から好調が続いた。3月に行われた全英オープンアジア予選では単独トップで大舞台への切符をゲット。すると、優作が2勝目を挙げた4月の東建ホームメイトカップでは単独2位、8月のダンロップ・スリクソン福島オープンで2位タイに入るなど、夏場までに7度トップ10入りを果たした。
そして、ついにその時が来た。3位タイで迎えたフジサンケイクラシックの最終日、前半3バーディを奪って単独トップに浮上すると、最終18番でバーディを奪い後続を振り切って念願のタイトルを手にした。グリーン周りでは尊敬してやまない師匠・谷口徹をはじめ、優作、キャディらが涙を流すなど皆に祝福されたプロ11年目の初Vだった。