注目選手振り返りと展望 ?小田孔明?
2015年1月9日(金)午後3:40
涙の初賞金王への道のりは、想像よりもずっと険しいものだったのかもしれない。
シーズンの序盤は、この上なく順調だった。自身の開幕戦となった東建ホームメイトカップでは単独3位、5月の関西オープンゴルフ選手権競技では、最終ホールにイーグルを奪い、4試合目で早くも今季初勝利を挙げた。?全英への道?ミズノオープンは予選落ちとなったが、続く公式戦の日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯、長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメントで2位(タイ)に入り、出場8試合で6度のトップ10入りを成し遂げ、早々に賞金ランキングでもトップに立った。
しかし8月に入って足踏み状態が続くと、1か月で2勝を挙げた藤田寛之に猛追を受け、一時は陥落。それでも、自身の名前の由来にもなった諸葛“孔明”のように、じっくりと勝負の時を見定めていた。10月のブリヂストンオープンゴルフトーナメントで、2日目に6アンダー66を叩きだしてトップに立つと、追い上げてきたライバルの藤田を抑えて優勝。ツアー通算8勝中7勝を挙げている、得意な逃げ切りの形で再び王座をつかみ取った。
最終的に、近藤共弘、岩田寛を加えた4人の争いは最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップまで続いたが、他の選手が逆転するのに絶対条件だった優勝することができず、王冠は小田のもとへ。最終ホールでは「うるっと来た」と、まさに悲願の初戴冠だった。
来季の目標を聞かれると「日本の賞金王として(海外の)メジャー大会に出ることがあれば、それに恥じないプレーをしたい」と話しながらも「まずは日本オープン。マスターズよりかは、優勝の現実味があるでしょう?」と笑い飛ばした。孔明の次なる策はいかに。