フェアウェイとラフのコントラストに注目!チャンスホールに潜む「穂」の罠とは?
2015年5月15日(金)午後7:00
埼玉県にある太平洋クラブ江南コースで開催される今季の国内メジャー初戦「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯」。1926年に創設された、日本のプロゴルフトーナメントで最も古い歴史を持つ大会であり、「プロゴルファー日本一」の称号をかけた戦いです。
初日はスコアの伸ばし合いとなった今大会。二日目にゴルフネットワークでゲスト解説を務めた倉本昌弘会長は「二日間終わってトップは12アンダーくらいを想定している。スコアが伸びているように思うかもしれないけど、マスターズと同じくらい。三日目はピンポジションを難しくなるので楽しみにしていて下さい。」とコメント。会長の狙い通り、予選ラウンドを終えて通算10アンダーで単独首位に立ったのはオーストラリアのA.ブランド。日本勢では宮里聖志、藤本佳則、川村昌弘、野仲茂、河井博大、冨山聡らが3打差の3位タイ、宮里優作が4打差の11タイで追う展開に。
【関連リンク】2015年日本プロ日清カップ開催コース発表「優勝スコアが10?15アンダーになるアグレッシブな大会に」
バーディ合戦の上位争いに乗り遅れないためにも重要となってくるのがスタートホールの1番Par5。太平洋クラブ江南コースの1番ホールは、543yの広々としたパー5。気持ちよくドライバーを振り抜きたいスタートホールです。
ホールアベレージは初日4.479、二日目4.535といずれもアンダーパーで、18ホール中、最も簡単なホールとなっています。
明日の決勝ラウンドからゴルフネットワークの「とことん1番ホール生中継」で解説を務める佐藤信人プロは「1番ホールはバーディを取りたいサービスホール。それだけにパーだとボギーを叩いたくらいガッカリするイメージ。」と解説。
「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯」大会3日目は5/16(土)8時30分?12時30分まで生中継!
バーディーを取りたいパー5
【大会初日イーグルを奪った宮里聖志(写真提供:JGTO)】
1番ホールは、比較的真っ直ぐでフェアウェイも広いパー5。
543yという距離は、現在の男子プロにとってはむしろ短いと言えます。仮にドライバーで290y飛ばせば、残りは253yと、プロならスプーン(3W)かクリーク(5W)あたりで2オンが狙えます。しかも、セカンド地点からは打ち下ろしになっているので、風によっては、セカンドショットでアイアンを使ってグリーンを狙う選手も少なくないはずです。
平均以上の飛距離を持つ選手であれば、みな2オンを狙ってくるでしょう。
大会初日には宮里聖志ら5人が、二日目には谷口徹ら5名がイーグルを獲得しています。
飛ばない選手であれば、グリーンまで残り40-65yのエリアが広くなっているので、2打目でこのエリアに運んでからウェッジを使って、バーディーチャンスにつけたいところ。佐藤プロが言うように、出来ればイーグル、最低でもバーディー発進で気分よくその日をスタートさせたいホールと言えます。
2オンを狙うか、3打目勝負か?ラフの“穂"に要注意
【写真:1番ホールのフェアウェイとラフ】
チャンスホールと言えど、そこはメジャー大会。
油断をするとパー以上になる罠がいくつもしかけられています。
広いフェアウェイですが、午前スタートで朝イチのティーショット。もし曲げてしまうとメジャー大会らしい深いラフが待ち構えています。「フェアウェイからはピンを狙えるが、少しでもラフに入ると途端に難しくなる。」と佐藤プロが言うように、太平洋クラブ江南コースのラフは、ところどころ穂をつけた長いラフがあります。この穂がくせもので、フライヤー(バックスピンが想定ほどかからず、飛びすぎてしまうミス)になりやすく、セカンドショットのコントロールを難しくします。
倉本会長は「TVを見ていてもよくわかると思いますが、今大会はファウェイとラフのコントラストがはっきりしています。5月開催ということもありラフには“穂"があります。“穂"を切るとラフが伸びないのでそのままにしている。“穂"に入ると非常にスピンコントロールが難しいので、フェアウェイとラフとでは難しさが大きく変わります。」と良いショットを打てばご褒美がもらえるフェアなコースセッティングのポイントを挙げていました。
【選手を苦しめる芝の穂】
そのため、ティーショットは、左狙いの選手が多いです。右サイドが広く感じられますが、フェアウェイが左から右に傾斜していて、落とし所によっては右のラフまでこぼれてしまう可能性もあります。
ティーショットがもし曲がったら、無理せず3打目勝負に切り替える選手は多いでしょう。その際は右よりも左サイドのラフからのほうが、安全な3打目エリアに運びやすくなります。グリーンまで残り40-65yの広いエリアにボールを運ぶことが出来れば、仮にティーショットをミスしたとしても、バーディーの可能性は高くなるでしょう。
プロは、常にピンから逆算して戦略を立てています。2打目、3打目でどんなショットを選択するかで、そのプロのプレーの意図が見えてくるはずです。
入れるならグリーン左サイドのバンカーへ
【グリーン左のバンカー】
グリーンは、右奥から左に向かってかなり速く、もしグリーンの右サイドにはずしてしまうと、寄せるのが難しい下りのアプローチを残してしまいます。2オン狙いのショットが右に外れ、その難易度の高いアプローチが寄らずにパーになってしまうと、プロでもガッカリするはずです。2打でグリーンの脇までいっていて、もうピンが目の前というところから3打かかってしまっているからです。
グリーンを狙うなら、広い花道から狙いたいところ。しかし、花道はやや右サイド寄りにあるので、花道方向を狙うと、長いクラブでのショットは右に外れやすくなるといえます。結果的に難しいところに行きやすくなるのです。
【二日目に6バーディを奪い上位浮上した宮里優作(写真提供:JGTO)】
二日目に66をマークし、上位へ浮上した宮里優作プロのキャディーを務める杉澤伸章さんによれば、「2オン狙いのショットは外すなら左。左のバンカーなら上りのバンカーショットでバーディーチャンスにつけることも可能です」と、一見難しそうにも見えるアゴの高い左のバンカーの方が右からのアプローチよりも有利だといいます。プロにとっては、左上がりでグリーンが受けている左のバンカーのほうが、グリーンで止めるショットが打てるためです。練習日にもグリーン左手前のバンカーからの練習を行っている出場選手の姿が見られました。
2オン狙いのショットが成功するのか?
外れるなら、右に外れるのか、左に外れるのか?
「とことん1番ホール生中継」では、そのあたりに注目してみると、さらに楽しめると思います。
解説の佐藤信人プロも2000年に大会制覇を成し遂げた歴代優勝者の一人。ツアー3勝目となる優勝でしたが、大会終了後には祝花や電報がそれまでに優勝した時の倍くらい届いたようで、「町を歩いていても気付かれ始めたのが日本プロを勝ってからでした。そのときメジャーで勝ったことを改めて実感しました。」とメジャー優勝する意味の大きさを語っていました。
今年の「プロゴルファー日本一」の称号を手に入れるのは果たして!?
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決勝ラウンドはとことん1番ホール生中継!
ゴルフネットワークでは、注目の国内メジャー初戦を「とことん1番ホール生中継」でお届けします。武蔵野の自然に広がる同コースのスタートホールは、真っ直ぐなパー5。気持ちよくドライバーを振り抜き、好発進したいホールだ。
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