名門リビエラ・カントリークラブ プレイバック「2001年大会 6人のプレーオフにあの日本人選手が」
2015年2月19日(木)午前7:30
先週末はAT&Tペブルビーチ・ナショナル・プロアマを制したブラント・スネデカーとACEグループ・クラシックで勝ったリー・ジャンセン、二人の涙がチャンピオンズツアーを含めたPGAツアーでの優勝がいかに難しいか、そして選手にとって大きな大きな意味を持つ特別なものであることを現していました。
特にジャンセンは1998年の全米オープン以来、413試合ぶりの勝利。PGAツアーの大会に出られない時は下部のウェブ・ドットコム・ツアーにも参戦していましたから、言葉に詰まった彼のインタビューにもらい泣きした人も多かったことでしょう。ジャンセンのツィッターアカウントには所属ツアーを問わず沢山のプロ達からのお祝いメッセージが届けられ、親友のロッコ・ミディエイトと笑顔のツーショットの写真…なんだかじーんときました。
ジャンセンがPGAツアーで最後に優勝した1998年、まだ18歳だったスネデカーは、トッププロには珍しくほとんどクラブを変えないのだとか。ゴルフチャンネル・ドットコムのライアン・ラバナーによると、パターは9年、ドライバーは5年、アイアンセットは4年使っているのだそうです。スネデカーは“自分はパワーでコースをねじ伏せられるタイプではないから、今使っているものよりまっすぐに飛ぶドライバーを見つけるまで変えるつもりはない"と言っています。
PGAツアーの登竜門 ニクラウス、タイガーのデビュー戦
そんなスネデカーが2週連続優勝を狙うのが、西海岸シリーズの最終戦となる第89回ノーザントラスト オープン。
舞台となるロサンゼルス郊外にある名門リビエラ・カントリークラブは、1947年、1948年と連覇のベン・ホーガン(1942年に別のコースで大会初優勝)が得意としたコースの一つで“ホーガンの小道"と言われています。また、先々週この世を去った世界ゴルフ殿堂のメンバー二人、ビリー・キャスパー氏は1968年に、チャーリー・シフォード氏は翌1969年に、それぞれ異なるコースで大会を制しました。
ジャック・二クラスのプロとしてのPGAツアー初戦もこの大会で、1962年に50位タイにつけて$33.33を獲得。
またタイガー・ウッズが初めて出場したPGAツアーの大会でもあります。1992年、16歳の高校生だったタイガーはスポンサー推薦で出場、72?75でツアーデビュー戦は予選落ちに終わっています。タイガーが出場したPGAツアーの大会で優勝していないのはごくわずかですが、この大会はその一つ。2度の2位が最高位で1998年は、ビリー・メイフェアとのプレーオフで敗れて涙を呑みました。
そして、日本の石川遼にとっても2009年に17歳でPGAツアー初出場を果たした思い出の地でもあります。結果は73?71でタイガーと同じく予選落ちに。その後も5年連続で出場していますが、2010年の32位タイが最高位で予選落ちは2回とリビエラに苦戦しています。
大会前のインタビューでは「良いプレーが出来ていないコースだけど、初めてラウンドするコースのように今年は新鮮な気持ちで臨みたい。」と意気込みを語っていました。
【動画】開幕直前 現地撮れたてインタビュー石川遼「先入観を持たずに、新鮮な気持ちでやれれば」
名門リビエラ・カントリークラブで日本勢がブレイク?
リビエラといえば2001年大会を思い出す方も多いかと思います。大混戦の優勝争いは、この年のツアーでは最多となる6人によるプレーオフでの決着となりました。その中に伊澤利光とゴルフチャンネルのアナリスト、ブランデル・シャンブリーもいました。23位タイからスタートした伊澤は最終日に猛チャージを見せ、5つスコアを伸ばし通算8アンダーでプレーオフへ。
結局、雨の最終日、ロバート・アレンビー(当時29歳)がプレーオフ1ホール目に、自ら絶賛した “生涯最高の3番ウッドによるショット"でピン手前にピタリとつけてバーディ。5人を一度に退けて勝利を手にしました。
さらに2004年には丸山茂樹がマイク・ウイアーとの優勝争いでわずか一打届かず2位となった大会でもあります。日本勢にとって相性の良い大会で今年、松山英樹、石川遼が日本勢の最高位を塗り替える=優勝を成し遂げることができるか!?注目です。
タイガーとミケルソン不在でも豪華メンバーのPGAツアー
ディフェンディングチャンピオンはババ・ワトソン。2012年のマスターズ以来となる優勝でした。
ワトソンはホーガンの小道と相性抜群なわけではありません。優勝の前の7回で3回予選落ち、棄権が1回。しかし予選を突破した年は悪くても17位タイ。 去年は36ホールを終えた時点でトップと8打差でしたが、週末大会新記録となる64?64、しかもノーボギーという見事な36ホールのプレーでダスティン・ジョンソンに2打差でPGAツアー通算5勝目をマークしました。
また今年はフレッド・カプルスが1990年に優勝してから25周年。カプルスにとってオーガスタ・ナショナルと並ぶほど大好きなコース。1982年にリビエラカントリークラブで初めてプレーして以来、腰痛で欠場した2007年を除き毎年出場しています。
ほかにセルヒオ・ガルシアやシャール・シュワーツェル、アーニー・エルス、先週またしても優勝を逃したジム・フューリック、ジョーダン・スピース、ジミー・ウォーカー、デービス・ラブらビッグネームが勢ぞろい。
また地元出身、スポンサー推薦で出場の24歳のマックス・ホーマも注目に値します。長男ケイレブ君につづき、女の子ダコタちゃんを養子にもらったババ・ワトソンの男泣きが見られるのか、それとも・・・。
なお今大会終了後、世界ランクで50位までの選手が来週から始まるフロリダシリーズの2戦目、WGCキャデラック・チャンピオンシップの出場権を手にします。
タイガーの休養宣言がヘッドラインを飾った先週でしたが、タイガーとフィル・ミケルソンがいなくてもPGAツアーには感動を与えてくれる選手が沢山いてよかったと、しみじみ思う今日この頃です。
石川遼・松山英樹参戦!「ノーザントラストオープン」
【放送日時】『全ラウンド生中継』
1日目:2月20日(金)午前7:00?10:00(LIVE)
2日目:2月21日(土)午前7:00?10:00(LIVE)
3日目:2月22日(日)午後11:00?深夜0:00(ダイジェスト)
最終日:2月23日(月)午後11:00?深夜0:00(ダイジェスト)
筆者:Makiko Minoya
1995年 州立セントラルフロリダ大学 ジャーナリズム科卒業
1996年 ゴルフチャンネル入社(米フロリダ州オーランド)
好きなゴルファー:タケ小山プロ
(写真提供:Getty Images)
【関連コラム】B.スネデカー2季ぶりの復活優勝の陰に“新コーチ"の存在??四日間でボギーはわずか1つ?
【関連コラム】復活Vを狙うB.スネデカー 言葉尻に見えた良い意味での“怒り"
待望のPC版新登場!パソコン、スマホで。使いやすい!見やすい!わかりやすい!
60万人が愛用するゴルフスコア管理アプリがバージョンアップ!既存のアプリ利用者の方は同じアカウントでログインすると、スマホだけではなく、タブレットやPCでも自身のスタッツを閲覧できるようになります。また、PC版ではマイスコアブック(ラウンドメモ機能)やコース別分析、目標設定など新機能もご利用頂けます。もちろん、スマホを持っていない方でも今回のPC版で会員登録して頂くとスコア管理ができるようになります。
「GOLF NETWORK PLUS」があればゴルフがもっと楽しく、上手くなる!
ぜひ一度お試し下さい。
※一部有料サービスがございます