欧州男子

小松直行の週刊オフチューブ

2014年12月10日（水）午後5:33

LIVE FROMのMCや欧州ツアー中継の実況を担当している小松直行アナウンサーが、ゴルフ最新ニュースをピックアップ。小松さんならではの視点からゴルフ界の最新動向をお届けします！

目次：
1? BMWインターナショナルオープン
2? 2009年大会
3? 小耳

BMWインターナショナルオープン

マーティン・カイマーが母国ドイツでBMWインターナショナルオープンに出場です。先々週、全米オープン114回の歴史で初めて大陸欧州出身チャンピオンとなったカイマーが、今季唯一のドイツでの試合に出場するとあっては、ブラジルに行っているジャーマン・サッカーファンの目も戻ることでしょう。

カイマーは2008年のこの試合（ミュンヘン開催）で、ベルンハルト・ランガーもなし得なかった大会史上初のドイツ人チャンピオンとなっています。いったんクリックすると連勝する履歴ありのカイマー。2009年は7月のフランス、スコットランドで2週連続優勝。2010年は全米プロ優勝の後、3週休んで出てきたオランダでKLMオープンに勝ち、1週休んでライダーカップで2.5ポイント稼いで欧勝利に貢献した直後のダンヒルリンクスで勝ってみせ、栄光のライダーカップ込みで出場4試合連続優勝。

デュッセルドルフの東郊外メットマンで生まれ育ったカイマーにとって、今週はそのホームタウンから30Kmのところにあるゴルフクラブ・グート・ラーヘンホフで、メジャー２勝目からの凱旋です。

1日目：2014年06月26日（木）午後10：30?深夜0：30
2日目：2014年06月27日（金）午後10：30?深夜0：30
3日目：2014年06月28日（土）午後10：30?深夜0：30
最終日：2014年06月29日（日）深夜0：30?2：30

＊フィールドは猛者ばかり。ヘンリク・ステンソン（ＷＲ2位、今大会2006年勝者）、ダニー・ウィレット（2012年このコースで優勝、先週3位タイ）、ミコ・イロネン（先週のアイリッシュオープン優勝）、セルヒオ・ガルシア、ミゲル・アンヘンル・ヒメネス、バーント・ビースバーガー、フランチェスコ・モリナーリ、ビクター・デュビソンをはじめ、欧州精鋭がそろっています。

＊＊地元ドイツ勢では先週二人目の子どもが生まれてハッピーなマルセル・ジーム、チェコ生まれドイツ育ちのアレックス・チェイカ、そろそろ来そうなマックス・キーファー、アマチュアのドミニク・フォースにも注目です。
＊＊＊＊大会11回目出場のジョン・デイリーもいます。過去のチャンピオンにはパブロ・ララサバル（2011）、デビッド・ホーシー（2010）、ニック・ドハティー（2009）、ニクラス・ファスト（2007）、デビド・ハウエル（2005）、ＭＡ・ヒメネス（2004）、トーマス・ビヨーン（2000）、Ｒ・カールソン（1997）。

やってくれたな、上等だぜ！歴代勝者の肖像：ニック・ドハティー(2009年） 2009年6月28日：BMW国際オープン、ミュンヘン・アイヘンリードGC BMW International Open　28 Jun, 2009, Golfclub Munchen Eichenried, Munich, Germany 「これで勝ったなと思ったら、ラファ（エチェニケ）がやってくれたんで、まだ終わってないという事態になりました。でも、トップ・プレイヤーたちが来ていれば起こりうることだし、それこそ、私の望むところです」
（クソッ、なんてことしてくれるんだ！） ??これはあくまでも私の推測によるドハティーの台詞で、もっと普段着の言葉が飛び出していたのだろうが、優勝後の記者会見で問われたときには、「あのときは、『よくやったな』と言ったんだ」などと笑って、お茶を濁していた。アルゼンチンのラファエル・エチェニケが10ホールで10アンダーという爆発的チャージを見せたのである。9番のパー5は易しいバーディーだが、11番パー5をイーグルにしたあと、バーディーを4つ決めて最終18番のパー5に来て、2打目の243ヤードを3鉄でホールアウトしてしまった。そのアルバトロスが決まったとき、16番のフェアウエイにいたドハティーは、あまりの歓声に驚いたというが、その時はまだ自分の勝ちゲームだと確信していた。 ??この最終日を首位のグーセンから3打差で迎えた27歳のニック・ドハティーは、2打差で初の地元優勝を目指す英雄、51歳305日のベルンハルト・ランガーとともに、全米オープン2勝の40歳、レティーフ・グーセンを追い落とすべく、3人一緒の最終組にいた。ドハティーは好スタート。出だしから3連続バーディーにして早くも追いつき、5番でもとって、いったんはリードする。グーセンも9番をイーグルにして、ドハティーと並ぶ18アンダーで並んで折り返すが、そこからは失速気味。ランガーも思うように伸ばせなかった。ドハティーは、10番からの6ホールで4つのバーディを決め、16番に来た時は22アンダーの単独トップ、4打差リードとなっていた。「16番で、2打めをグリーンに乗せたとき、決まったな、もう誰も追いつけないぞと思った。それでグリーンにあがっていって、リーダーズ・ボードを見て、えっ？って感じでした。まだ終わってないじゃないかってね」		??このときツアー8年目で、すでに2勝しているドハティーが、4打差リードでのこり2ホールとなれば、優勝を確信するのは自然だ。しかし、余裕で勝てると思った3分後に1打差になってしまっていたら、かなり動揺してもおかしくはない。しかも、17番はこの日、平均スコアがパーを超えていて、た易くはなかったし、なんといっても18番は、ドハティーが連日ティーショットに苦しんできたホールで、前の日にはボギーにしている。だからこそ4打差が安心感を生んでいたのに、いきなり1打差に縮んでは突き落とされたように感じたかもしれない。しかし、ここからがドハティーの力量だった。そして、記者会見の冒頭で本人が「気構えは世界一流だった（My attitude was world-class.）」と自己評価した通り、落ち着いたプレイが際立った。この週に新調したパターは冴えていた。16番は惜しくもバーディーを逃し、17番パー3も難なくパー。18番パー5ではティーショットを3番ウッドで慎重にフェアウエイに運び、そこからアイアンでフェアウェイ中央にレイアップして3打でグリーンへ乗せ、2回のパットで決めた。 ??優勝は2007年10月のダンヒル・リンクス選手権以来、1年8か月ぶり。エチェニケの62も圧巻だったが、ドハティーの64は見事だし、とくにあがり3ホールの3つのパーは立派だった。 2008年4月に母イニスさんを亡くしてから13か月を経て、ツアー3勝目をものにしたドハティーは、ウィニング・パットを沈めた瞬間、空を見上げ、くちびるに当てた指をミュンヘンの青空に掲げた。（小松直行）資料：BMW国際オープン記者会見スクリプト、2009年6月28日

小松の小耳

カイマーの“ひまわり"キャディーバッグ：先の全米オープンで勝ったカイマーのキャディーバッグには白無地にただカイマーの名前とひまわりの刺繍があるだけだった。ひまわりは、カイマーの亡くなった母の好きだった花で、カイマーはそのバッグで戦って勝ったわけだが、世界レベルのプロにとしてはきわめて異例だ。マーケティング専門家の試算では、全米オープン最終日だけの露出で、カイマーのバッグにスポンサーのロゴを入れるとしたら60万ドルから100万ドルだろうとのこと。今週、変わっているのかどうか現時点（6/25）では不明。いずれスポンサーはつくだろうと見られているが、いかに。

レフティーのオバマ大統領、ミケルソンにバンカー脱出法教授を感謝：火曜日、オバマ米大統領は2013年プレジデンツカップの米国代表、世界選抜両チームをホワイトハウスに招いて、ジョン・ベイナー下院議長（共和党）、ジョー・バイデン副大統領とともにねぎらった。世界選抜の丸山茂樹副キャプテンの姿もあった。大統領は「きょうこの場には私の大好きなゴルフ友だちも来てもらったんですよ、ふたりとも私にハンデをくれるのでね」と紹介。ミケルソンにはバンカーショットのコツを教わったことに感謝して、「いまいましい砂場から抜け出せるようになれば、少なくとも、２打、３打はスコアを減らせるに違いないと思う」と上機嫌だった。オバマ大統領は、一度だけベイナー下院議長と一緒にゴルフをしたが、共和党多数の下院で数々の法案成立を阻止されてきている。

ローリー・マキロイ：5月にテニスのスター選手、キャロライン・ウォズニアッキとの婚約を突如解消してから、マキロイはしばらく携帯電話をもたなかった。先週木曜日からまた手にしているが、まだ使っていないらしい。前のガールフレンドと別れてすぐにウォズニアッキとつきあい始めたこともあって、恋愛関係のないのは「この９年間で初めて」で、一人の自由時間が増えて、考えることも多くなったと言い、「自分を再発見しているところ」と言った。