LIVE FROMのMCや欧州ツアー中継の実況を担当している小松直行アナウンサーが、欧州ツアーの最新動向や見どころ等を、小松アナならではの視点でお届けします！

目次：
■2015年シーズンが南アフリカで開幕！
■カイマーが美女とデート？！、アンパンマン婚約・・・こまつの小耳
■プレイヤーのコメントと小耳で振り返る2014年

ネッドバンク ゴルフチャレンジ

今週から始まる新シーズン。アフリカで開幕です。“ミリオンダラー・チャレンジ”という名称で1981年に世界のゴルフ界をあっと言わせた試合。
当初は招待された12名のフィールドで賞金総額100万ドル、勝者が50万ドル獲得。初代優勝者はジョニー・ミラーでした。
1987年からは100万ドルを勝者総取り。翌年から下位にも賞金がでるようになり、2000年から３年間は優勝200万ドルということで世界最高額の試合として名を馳せました。
以降は減額されていますが、2006年からワールドランキングポイントも与えられるようになり、2013年から欧ツアーの公式戦となっています。

今年も賞金：650万ドル、優勝125万ドル、最下位30位でも10万ドル。出場資格は次のように定められています。

a）前年度勝者（Ｔビヨーン）
b）南アツアー2013年度賞金王（Ｄバンダーウォルト）
c）亜ツアー2013年度賞金王（Ｋアピバーンラット）
d）日本JGTO2013年度賞金王（棄権；松山英樹）
e）豪ツアー2013年度賞金王（棄権；Ａスコット）
f）全米プロ終了時点ワールドランキング順で10名
g）、欧ツアー2014年度Ｒ２Ｄ30位までの上位10人
h）aからgまでで南ア国籍のプレイヤーが5人に満たない場合、11／24時点でのＷＲ上位の南アプレイヤーを入れて5人になるようにする
※補充-1：先行南ア試合勝者、　補充-2：11/24時点での南アＯＭ上位者、　補充-3：欧Ｒ２Ｄ上位者

年末のビッグなボーナスイベントですが、欧ツアーにとっては新シーズン緒戦。去年、トーマス・ビヨーンが勝って12年ぶりのライダーカップ出場まで勝ち得たように、大きな目標へ向かうには最高のイベントです。

【ネッドバンクゴルフチャレンジ 放送日時】
全ラウンド衛星生中継！
１日目：12月4日(木)午後7:00?深夜0:00
２日目：12月5日(金)午後8:00?深夜0:00
３日目：12月6日(土)午後8:00?深夜0:00
最終日：12月7日(日)午後8:00?深夜0:00 （※最大延長 深夜2：00まで）

＊フィールドは30名。ディフェンディング・チャンピオンＴビヨーンをはじめ、今年のライダーカップメンバーがそろいます。Ｓギャラカー、Ｍカイマー、Ｌウエストウッド、Ｊドナルドソン（去年2位）、そして副キャプテンだったＭＡヒメネス。マスターズウィナーのＣシュワーツェル、Ｌドナルド、Ｔジャイディー、好調のＳロウリー、新人賞をとったＢケプカも出場します。
　

2015年度欧ツアースケジュール

現時点で11ヶ月間47試合。新規5試合、プラス復活1試合。新たな開催地は7箇所です。
年明けに中東からマレーシアオープンへ行った翌週に「ザ・タイランドクラシック（2月、ホアヒン）」が入り、その足でインドへ行って「ヒーロー・インディアンオープン」です。4月のチャイナオープンの前週には「シンセン・インターナショナル」という試合が加わります。5月第一週にはインド洋に浮かぶモーリシャスで「アフレイジアバンク・モーリシャスオープン」。7月末にはスコットランド、アバディーンで地元の英雄の名を冠した「ソルタイヤエナジー・ポールローリー・マッチプレイ」、64人から王者を決めます。
9月末には「ヨーロピアンオープン」がドイツで復活。かつてアイルランド、Ｋクラブで開催されていたビッグイベントです。ライダーカップが開催されたコースでの試合が消えてしまうのは残念ですが、ウエールズのケルティックマナー、スコットランドのグレンイーグルスがいまのところ日程にありません。復活を期待しましょう。

なお、今季のＲ２Ｄは、この緒戦から獲得賞金額をポイントに置き換えることになりました。1ユーロが1ポイントです。
ファイナルシリーズの4試合は変わりません。ファイナルシリーズでは賞金額にかかわらず1試合で1000万ポイントを取り合うことになります。優勝は166万6600ポイントということになります。
　

ＴＰＣソーグラスはさらに長く！？ ：　5番、7番、14番、18番の距離を伸ばそうと、設計者ピート・ダイ（８９歳）がＰＧＡツアーのＴフィンチェム・コミッショナーに働きかけているという話。

Ｍ・カイマーが2度デートしたという相手は？ ：　ＴＶタレントのカースティー・ギャラカーさん（３８歳）。今年8月に離婚したラグビー選手のポール・サンプソンとの間に２子がいるカースティーさんの父は、スコットランドのバーナード・ギャラカー（欧ツアー11勝、ライダーカップ8回出場でキャプテンも3度務め、1995年に欧サイドを勝利に導いた）。

Ｓ・ロウリー、ドバイのビーチでプロポーズ ：　躍進の一年を過ごしてきたアイルランドの“あんぱんマン”ことシェーン・ロウリー（２７歳）は、休暇中にウエンディー・アイリス・ホナーさんに求婚して幸せいっぱいの様子。ウエッジには“WENDY”の刻印を入れて、今週はネッドバンク・ゴルフチャレンジに臨む。２年前にＧマックがプロポーズしたときは地上210ｍのブルジアル・ホテルの屋上だったが、ロウリーはアトランティスホテルのビーチで。

Ｔ・ウッズ、インドのヒーローモーターズと４年契約 ：　アンバサダーとしての契約は年間８００万ドルとのうわさ。今年の戦線離脱の間に、アマチュア時代をふくめ、１９９６年のデビュー当時からいままでの自分のスウィングのビデオを見たというウッズ。新たなコーチのクリス・コモとのチームでどんな変化を遂げるのか。まだこれからの話なので火曜日の記者会見では多くを語らなかったが、自分で保存してある過去のビデオを見るためにＶＨＳの再生機を探すのに苦労したとの事。お母様のクルチダさんが依然として使っているものを借り受けた模様。

プレイヤーのコメントで振り返る2014年シーズン

ローリー・マキロイ
?2度目のＲ２Ｄ賞金王を決めて?
「この３年で２度も、シーズンを通して誰よりもいいゴルフをすることができたというのは素晴らしい。本当に最高の気分です」
＊かつて7年連続賞金王となったコリン・モンゴメリーは欧ツアーに専念して偉業を達成したが、いまやスーパースターがグローバルでいないわけには行かない時代になっています。現在の最高殊勲は米欧両極制覇でしょうが、メディアの中のゴルフはすぐに目新しさを失ってしまいます。米フェデックスカップの超高額ボーナスもすでに驚くほどのことでもないような気がしてきました。「仕組み」を競い合ってもいずれ陳腐化するのだったら、ファンとしては、ある週の試合をエンジョイする、ということに満足を見出すべきでしょうか。
 

ブルックス・ケプカ
?欧ツアー新人賞 2014 Sir Henry Cotton Rookie of the Yearに決まって?
「（プロ転向して欧州へ来た）つい２年前を振り返れば、とてつもないことです。トルコで勝って、新人賞ももらえて自分でも驚いています」
＊２０１３年に下部ツアーで年間３勝して昇格したとき、ケプカが「お楽しみはこれからです」と言っていたのが思い出される。
 

ヘンリク・ステンソン
?最終戦で勝敗を決めるパットを前にして緊張したか、という質問に?
「ノー。僕はアイスマンなんだぜ、忘れたの？」
＊かつて、不本意なプレイに“キレ”ていたステンソンをおぼえている欧ツアーファンの方は、一人のプレイヤーが以下に変化する（成長する？）かということを見る思いでしょう？
 

ジェイミー・ドナルドソン
?ライダーカップで欧サイドの勝利を決めるポイントを獲得して?
「言葉にして説明できると思えないくらい素晴らしいです。ゴルフをやってて、これ以上のことってないでしょう。とんでもないことです。自分がここに参加できたっていうことがすごいことです」
＊グレンイーグルスの１５番ホール、あの１４６ヤード、９鉄のウィニングショットは圧巻でした。
 

オリバー・ウィルソン
?Ａ・ダンヒルリンクスチャンピオンシップでようやく初優勝を遂げ、どうお祝いするかと問われて?
「しばらく酔っ払ったままになってもいいですよね。勝ったら飲もうと思っていたやつが、もう何年分もあるんです」

【小耳】 プロ転向から１２年目につかんだ初優勝は、突然で、劇的でした。舞台はセントアンドルーズ・オールドコース。ライダーカップに出場するほどの実績ではあっても、優勝経験のないまま９度も２位に甘んじてきた彼が、下部のチャレンジツアーでも結果を出せないままだったのに、仲のいいロバート・ロックにスウィングを見てもらってアドバイスを受けてクリックしたという話。以前、ロックがパッティングで悩んでいたときに、パットのいいウィルソンがアドバイスをしたこともあったそうで、同じ世代のイングランド勢がお互いを高めあっているんですね。
 

ニコラス・コールサーツ
?ウエールズオープンで欧ツアー記録となる447ヤードのティーショットを放ったことについて訊かれて?
「あのホールは追い風だったし、うまく跳ねてくれただけ」
＊飛ばし屋は寡黙なほうがいいと私は思うのです。クールなコールサーツの２０１５年に期待。
 

アレクサンデル・レビ
?悪天候で36ホール競技となったポルトガルマスターズで年間2勝目をものにしたとき?
「２勝できるだろうって、今年の初めに誰かに言われてたら、“無理無理！”って答えてたと思います。今週は週末に４回ストロークしただけでトーナメントに勝っちゃいましたが、優勝トロフィーは僕のもの。それが一番重要なのです」
＊フランス国籍ながら、１９９０年、カリフォルニア生まれで、あだ名が“エル・トロ（雄牛）”。
 

ジャスティン・ローズ
?ロイヤルアバディーンでのスコティッシュオープンに優勝して?
「たいしたトーナメントだと思うんです。ここでゴルフをするということには絶対、何か特別なものがある。観に来ている人たちがゴルフを知っているし、私はこのコースに惚れましたよ」
＊２０１５年の欧ツアーはスコットランドで最低４試合。楽しみですね。
 

ローリー・マキロイ
?欧ツアーの旗艦イベントである5月のBMW PGAチャンピオンシップに初めて勝って?
「欧ツアーでは１８ヶ月ぶりの優勝になるんです。それがこんなビッグイベントで、これ以上、望むべくもありません」

【小耳】 その週明けに一方的に婚約を解消して、記者会見でも思いつめたように硬い表情だったマキロイがあんなふうに勝ったとき、生中継していた私は「この優勝の意味がどういうものであるのか、今の私にはわかりません」と言ってしまったのを思い出します。
 

トーマス・ビヨーン
?11年ぶりに母国デンマークで実現した欧ツアー公式戦“メードインデンマーク”に出場して?
「今週の会場の雰囲気を言い表すことはできないね。世界中を旅して回っていて、生まれた国に戻ってきてみんなの前でプレイするっていうことが、どんなに素晴らしいことか」
＊この大会名は、久々に拍手したくなるような良いネーミングですね。長く続いて欲しい試合の一つです。
 

グラム・マクドウェル
?7月のオープン・ド・フランスで8打差逆転の連覇を達成して?
「いや、びっくりしてますよ。きのうの夜、二杯目のワイングラスに取り掛かってるときには思いもしなかったのに、今、優勝トロフィーをもってこうして立ってるんですからね」

【小耳】 ８月に生まれたヴァリー（Vale）ちゃんの名前は珍しいですね。「谷間」という意味の地理用語でもあるらしいですが、全米でも５人といない名前らしいです。興味深いのは、Ｇマックの娘さんが生まれたほぼ同時期に全米ネットワ?クＴＶのＮＢＣの『トゥデー・ショー』の司会者のひとりにも娘が生まれて、同じ名をつけた、ということ。
 

アンディー・サリバン
?オランダでのＫＬＭオープン最終日にホールインワンを決めて商品の宇宙旅行を獲得して?
「やったあ、宇宙旅行だ、ってキャディーが叫んだんです。行くなら意を決して勇気を奮い起こさなきゃならないですね。でも、行きたいと思っているんです」

【小耳】 サリバンはケネマーＣＣの１５番ホールを３日間バーディーにして、最終日にホールインワンを決めました。よっぽど相性のいいホールなんですね。ちなみに、私が今まで見聞きした興味深いホールインワンプライズは、オーストラリアでの試合での“葬儀費用一切”（!!）。
 

ローリー・マキロイ
?全英オープンでＪニクラス、Ｔウッズと同様、25歳になる前に3つの異なるメジャーに優勝するという快挙を成し遂げて?
「全英オープンは僕たちみんな勝ちたくて、そのために努力してるっていう試合。こうしてクラレットジャグをつかめたというのは、信じられないくらいの気持ちです。２５歳で生涯グランドスラムまであとひとつとなったのは、かなりのことだと思っていますが、しばらくは実感がわかないでしょうね」

もひとつ、ローリー・マキロイ
?２０１５年シーズンに入る自分の状態を訊かれて?
「今年は強くなったし、賢くもなった。ずいぶんとましな状態で新しい年を迎えられるな、と感じています」

「好成績を残せたことはうれしいですし、今年、学んだことはずいぶん多いなと感じています。今後に向けて、それは素晴らしいことですよね」
＊ローリー、裁判所は君の舞台ではないよね。

(小松直行)