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中嶋常幸が語るトミーズバンカーの秘話「あそこで4回も打ったんだから怖いものはない」

2015年8月2日（日）午前10:09

世界最古のメジャートーナメント「全英オープン」。

第144回を迎える今年はゴルフの聖地セントアンドリュースのオールドコースで開催されます。

セントアンドリュースといえば、ホテル超えのティーショットも有名ですが、やっぱり“トミーズバンカー"というゴルファーの方も多いのではないでしょうか。

【セントアンドリュース名物17番トミーズバンカー（写真提供：Getty Images）】

1978年にセントアンドリュースで開催された全英オープンの大会3日目。17番ホールまでトップタイで来ていた中嶋常幸プロはガードバンカーに入れ、そこから脱出に4打を要することに・・・その結果パー4の17番で9打叩き、優勝争いから脱落。以後、そのバンカーは中嶋プロの海外での登録名から名前をとり、"トミーズバンカー"と呼ばれるようになりました。

5月に放送された「杉ちゃんが行く！」に出演した際に"トミーズバンカー"について中嶋プロに当時の心境をお聞きしました。

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「馬鹿野郎！！何やってんだ！！」っていう自分への怒り

「セントアンドリュースと言えば・・・」と切り出した杉ちゃんに対して、「何？バンカーだろ。」と即答の中嶋プロは「1978年の全英オープンの後に、一瞬、デビッド・デュバルに抜かれそうになって、俺の名前が消えちゃうよって思ったけど残って良かった（笑）」とジョークを。

【2000年大会トミーズバンカーの罠にはまるデビッド・デュバル（写真提供：Getty Images）】

※2000年大会で、デビッド・デュバルは最終日に17番の"トミーズバンカー"につかまり、8打を叩いてしまい万事休す。同じ最終組のタイガー・ウッズが全英オープンで初優勝を飾ることに。

優勝争いの位置にいながら、バンカーで4回も打った心境はどんなものだったのでしょうか？

「60度の今のクラブなら出たかな。あの当時持っていたのは56度で、それをいくら開いても無理だった。ちょっとアップヒルになっていればボールが上がるんだろうけど、イギリスのバンカーは斜面が90度になってるから斜面に近いと本当に上がらない。しかも壁に当たって戻った時に深く埋まれば諦めて後ろに出したんだろうけど、すーっ斜面をつたって戻って来て、ちょっとづつ前進するもんだから、“何で出ないんだ！"って思ってトライしてしまった。」

【1978年大会の中嶋常幸プロ 17番ホール（写真提供：Getty Images）】

「その時は自分の心の中で“馬鹿野郎ー！！何やってんだ！！"っていう怒りがこみ上げてきて、そのまま放心状態だった。ホールアウト後は練習する気にもならないし、そのままホテルまで帰って、思いっきりベッドを蹴飛ばしたよ。」と当日の心境を語って頂きました。

それでもあの時のバンカーが中嶋プロを大きく成長させたようです。

「バンカーの中で何回も打ったら日本に帰ってバカにされたり、ネガティブに言われることもあるかもしれないけど、そんな時は俺はイギリスで練習して来たんだって思えば良いと、知人の方から言われた言葉は今でも心に残っている。日本に帰ってきてバンカーで失敗した時にイギリスのことを思い出してやっぱり俺はバンカーが苦手なんだ・・・って思うのか、あそこで4回も打ったんだから怖いものはない！って思うのか・・・。」

最後に中嶋プロは「失敗したことに対して自分の中でどう捉えるか、どう切り返すか。つまり、物事を悲観的なことにするのか、発展的なことにするかは、その本人の気持ち次第。」とゴルフ、そして人生にも通じる教訓を教えて頂きました。

今年のセントアンドリュースではどんなドラマが待ち受けているのでしょうか！？

ゴルフネットワークでは全ラウンド長時間生中継でお送りします。大会初日は7/16（木）夕方5時から11時間生中継！ぜひお楽しみに。