ワンウェイスタイルのセントアンドリュース、OUTとINの差は約3打も!?
2015年9月5日(土)午後6:22
ゴルフの聖地セントアンドリュースで開催されている今年の全英オープン。大会初日をデータで振り返ってみましょう。
初日単独トップに立ったのは6月の全米オープンでメジャー制覇まであと一歩のところだったダスティン・ジョンソン。持ち前の飛距離を武器にセントアンドリュースを攻略。1イーグル、5バーディ、ノーボギーの65と完璧なゴルフを見せました。
【D.ジョンソン 大会初日ホールバイホール】
2009年の初出場以来、7年連続で全英出場となるジョンソン。初出場のターンベリーでは予選落ちを喫しましたが、2010年のセントアンドリュースで14位タイ。2011年のロイヤルセントジョージズGCで2位、翌2012年のロイヤルリザム・アンド・セントアンズでは9位タイに入るなど安定した成績を残しています。
また、前回のセントアンドリュースでは69、72、69、74のラウンドだったので、今大会初日に記録した65はセントアンドリュースでの自己ベストを大きく更新したことになります。
【D.ジョンソン過去の全英オープン成績】
2014年:12位T(Royal Liverpool)
2013年:32位T(Muirfield)
2012年:9位T(Royal Lytham & St Annes)
2011年:2位T(Royal St George’s)
2010年:14位T(St Andrews)
2009年:CUT(Turnberry)
一日で四季があると言われる全英オープン。天候の変化と共に風も変わりやすく、昨日は午後から気温も下がり強風に見舞われるコンディションとなり、ジョンソンら午前組が有利かと思われましたが、午前スタート組の平均スコアが71.724に対して、午後は71.667とほぼ変わらず。全英オープンは一日が長く、1WAYスタートでトップと最終組では約10時間の差がありますが、初日の結果だけ見るとスコアの差は出ませんでした。
フロント9より難しいバック9、平均スコアの差は3打
【初日難易度1位となった17番パー3(Getty Images)】
スタート時間以上に差が出たのはフロント9とバック9でした。
OUTコース(フロント9)の平均が34.493と約2アンダー弱に対して、INコース(バック9)は37.744とオーバーパーとその差は約3打にも。
大会初日のインタビューでは各選手がバック9の難しさを口にしていました。
松山英樹「始めは調子が良かったが、途中から自信を無くしてしまった。バック9はピンポジションも厳しいと感じた。」
池田勇太「前半は良かったが、後半は風が強くなって難しかった。ドライバーで打っても240ヤードくらいしか飛ばない時もあった。」
実際に難易度が高い上位3ホールは全てバック9でした。
【難易度ランクTOP3】
1位 17番(Par4)4.833
2位 13番(Par4)4.333
3位 16番(Par4)4.276
メジャー連勝を狙うジョーダン・スピースでさえ前半好調だったにも関わらず、13番、17番ではポッドバンカーに入れてボギーを叩きスコアを落としました。
前半と後半でここまで差が出た要因にはセントアンドリュースのコースレイアウトも影響しているようです。
「松山選手が2013年に6位となったミュアフィールドと今回のセントアンドリュースは全く違うコース。」と話すのはゴルフネットワークで解説を務めるタケ小山プロ。
「ミュアフィールドは日本でも一般的なループスタイルのコースで、アウトの1番からスタートして9番ホール終了後にクラブハウスに戻り、インの10番からスタートして18番ホール終了後にまたクラブハウスに戻ってくるように設計されていて、湾の中にある2ループコースということもあって風が読みやすかったでしょう。」
【セントアンドリュースのコースレイアウト】
「一方、セントアンドリュースは日本では珍しいワンウェイ方式のコースで1番ホールからスタートして18番でクラブハウスに戻ってくるという設計で、海に面していることもあり風が回るので難しくなります。」とコースレイアウトの違いを解説。
実際に大会初日もちょうどコースの折り返し地点にある11番パー3は強いフォローになり各選手はグリーンオーバーするなど苦戦。続く12番ホールからはアゲインストとなって各選手を苦しめることになりました。
【ワンウェイスタイルのセントアンドリュース、12番からは逆向きに】
また、風以外にもワンウェイスタイルのセントアンドリュースの特徴として、1番と18番、2番と17番、3番と16番、4番と15番、5番と14番などOUTとINが隣り合わせのホールが多く、フェアウェイやグリーンを共有しているのもポイントです。
中継を見ていてもどこに打っていくのかわからないくらい、フェアウェイの境目やグリーンがわかりづらいと思った方も多かったのではないでしょうか。5番と13番の共用グリーンの総距離はなんと101ヤードもあります。ちなみに、赤いフラッグはOUTコースで白いフラッグがINコースとなっています。
【2ホールで1つのグリーンを共有】
フェアウェイが共有されているということで、選手によっては隣のホールへ打っていくケースもあります。2ホール分のフェアウェイキープは通常のコースよりも広く感じるのかもしれません。大会初日のファウェイキープ率を見てもほとんどの選手が高い数値を記録しています。単独トップに立ったジョンソンは4ホール外して75%でも54位。初日4オーバーで139位スタートとなったタイガー・ウッズでさえも85.5%で13位タイに。
過去に二度セントアンドリュースを制しているタイガー・ウッズも「風向きが5度変わるだけで全く別のコースになる」と話していました。
二日目の天候の変化によっては初日とは異なるコンディションになる可能性もあります。
風の強さ、気温など天候の変化やOUTとINの風向きの違いやティーショットの落とし場所に注目して中継を見るのも面白いかもしれません。
ゴルフネットワークでは大会二日目を7/17(金)午後5時から11時間生中継でお送りします。ぜひお楽しみに。
【関連リンク】タケ小山の全英OPパワーランキング!「ポッドバンカーに要注意、距離の短いセントアンドリュースは飛ばない選手が有利?」
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