スロープレー問題に「喝」! ルール・オフィシャルは悪質な選手を名指しせよ
2015年12月16日(水)午後8:25
ゴルフ界で大きな問題とされている“スロープレー"。
現在、ゴルフの聖地「セント・アンドリュース」のオールドコースホテルでは、この長年の懸案をテーマとしたサミットが開催中。R&A、USGA、欧州ツアー、欧州女子ツアー、そして日本、オーストラリアからの関係者が一堂に会し、課題解決に向けた話し合いが行われている。
事態の深刻さは、会合に出席したR&Aのチーフ・エグゼクティブ、マーティン・スランバー氏の「スロープレーは悪化する一方。今こそ抜本的な対策を考えなければ」という言葉からもうかがえる。現状、これまで講じられた対策は大きな成果につながっておらず、状況は悪くなる一方のようだ。また、ゴルフ解説者のデニカ・ピュー氏からは「テキパキしたプレーがゴルフ上達につながる」という意見もあり、プレーの向上にも影響が及ぶ根深い問題とも言えるだろう。
Golf Channel解説陣の見解も含めて共通するのは、スロープレー問題がプロだけでなくアマチュアのゴルファーにとっても無視できない問題であること。解説のジョン・フェインスタインとトリップ・アイゼンハワーは、アマチュアも含めたスロープレーに苦言を呈しつつ、まずはプロへの取り締まりを厳しくすべきと話す。
ジョン・フェインスタイン
「プロ、アマを問わず、どんなレベルでもプレーのペースは遅くなる一方です。アマチュアがプロを真似ようとすることも一因でしょう。ハンデ20のゴルファーが、ボールの後ろに立って深呼吸し、目を閉じてショットをイメージするのはどうかと思います。ジェイソン・デイならともかく、100近くで回るゴルファーは、さっさとラウンドを済ませて、19番ホールで酒を楽しめばいいんです。まずはツアープロのスロープレー、特にグリーン周りでのプレーの取り締まりを厳しくしてから、私のように下手なアマチュアはどうすべきかを考えて欲しいですね」
トリップ・アイゼンハワー
「私も、まずプロのスロープレーを厳しく罰するべきと思います。スロープレーは永遠の課題とも言え、これまで様々な解決策が講じられましたが、どれも成果を上げていません。何か画期的な対策が必要です。ジョンが言ったように、プロのスロープレーがアマチュアに影響を及ぼしていると思います。アマチュアは普通3時間でラウンドできるでしょう。パブリック・コースでもプライベート・コースでも、4時間半から5時間のラウンドは長すぎます」
トリップ・アイゼンハワー
「(ではプレーのペースを上げるにはどうすれば?)PGAツアーのルール・オフィシャルは、スロープレーの常習者に厳しい態度を取るべきです。例えば、ある3人のグループが遅ければ、その3人の中でペースが遅い選手だけに「時間を計る」と警告すべきです。ルール・オフィシャルは特定の選手を名指しするのを恐れて連帯責任にしようとしますが、スロープレーヤーをはっきり特定し、スピードアップを促すべきです」
ジョン・フェインスタイン
「トリップに同意せざるを得ません。ルール・オフィシャル全員による会合を開いて、PGAツアーでスロープレーの常習犯トップ20を挙げさせたら、20人のうち19人は同じ名前になるでしょうね。トリップはもちろん、私でさえ誰がスロープレーヤーかはわかっています。1度目の違反で1打罰にすればいいんです。違反が10回に達したら罰金を払うといった生ぬるい罰則は効果がありません。罰金を払うだけで済むと思う選手は、毎年違反を繰り返すからです。しかし、ストロークのペナルティは獲得賞金を左右しますし、選手は恥ずかしい目に遭ったと反省するはずですから、効き目はあると思います」
ゴルフセントラル 11月25日号より
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写真提供:Getty Images