国内女子

木戸愛インタビュー「2勝目は遠くなったり近くなったり・・今年は必ず勝ちたい」

2015年11月17日（火）午後7:06

　毎月プロ同士が9ホールのマッチプレーで対決する「ゴルフ真剣勝負 the MATCH」。3月は“国内女子ツアー開幕SP"と題して、ツアー開幕を前に笠りつ子と木戸愛の対戦が実現。舞台は米LPGAツアーも開催するなどトーナメントコースとしても有名なサイアムカントリークラブ。互いに譲らない熾烈なマッチプレー、ガチンコ勝負を制するのは果たしてどちらか注目だ。

　昨季は自身最高となる賞金ランキング19位で終えた木戸愛。プロ10年目を迎える今年、木戸にとって勝負の1年となる。今オフに取り組んでいることや2017シーズンにかける想いを聞いた。

2勝目のジンクス

　10歳からゴルフを始め、高校は地元神奈川県を離れてゴルフ強豪校の東北高校へと進学。ゴルフ漬けの毎日で技術を磨いた。

　2008年のプロテストに合格すると、翌09年のステップアップツアーでプロ初優勝。そして、プロ5年目の2012年「サマンサタバサガールズコレクションレディーストーナメント」でツアー初優勝を飾る。172cmの高身長から繰り出されるショットを武器に将来を嘱望された。

　毎年シード権は確保しながらも、ツアー初優勝から4年、優勝から遠ざかっている。昨年の「サマンサタバサガールズコレクションレディーストーナメント」で一時は首位に立つも、最終日にスコアを落として1打差で優勝を逃した。

　「1勝・・・トーナメントで勝つことはほんとに大変なことです」

　スポーツの世界では“2勝目のジンクス"と言われることがあるが、木戸が発した一言からも優勝することの厳しさが伝わってきた。「今年は必ず1勝する！」という並々ならぬ想い胸にシーズンに臨む木戸。今回の笠りつ子とのタイ合宿を志願したのもその気持ちの表れだった。

志願のタイ合宿へ、笠から学ぶこと

　タイ合宿ではラウンドは行わず、朝9時から夕方6時まで徹底的な打ち込み。

　「これを毎年やっているりつ子さんがすごいと思いました。だからこそ今のりつ子さんがある。もっと自分に厳しくしないといけないと、合宿初日に思いました」

　昨季賞金ランキング3位となった笠から学ぶことは多いという。

　「必ずりつ子さんの後ろで練習をするようにしています。りつ子さんの背中を見て、技術もそうですが、ゴルフに取り組む姿勢を学びたくて。練習の量や質、オンとオフのメリハリとかいろんなことを勉強させてもらっています」

　練習中にはショットについてのアドバイスも。

　「私はボールが少し高いんですが、『もっと低くて強い球をイメージして練習した方が良いよ』ってアドバイスしてくれたり、私が質問したら真剣に答えて下さるのでとても感謝しています」

優勝への課題はショートゲーム

　昨季は優勝こそならかったが、持ち前のショット力でトップ10入りは6回、パーオン率はツアー13位（69.2872）の成績を残した。

　「元々はショットメーカーだと思っているんですが、ここ数年ずっとショットが良くなくて・・・。それでも、昨シーズンあたりからショットの状態が少しづつ良くなってきたので、今年はもっと精度を上げていきたいと思います」とショットへの手応えを感じながら、優勝するための課題はずばり“ショートゲーム"と答える。

　「昨シーズンを振り返っても、優勝するためにはやっぱりパターを含めた100Y以内のショートゲームが鍵になると思います。予選で調子を上げられない時でも100Y以内が良ければ優勝争いに絡むことが出来たので、合宿でもアプローチの基礎練習を中心にやっています。10Y、20Y、30Yまでを繰り返し練習します」

　プロになって10年、今まで1番オフに練習したという木戸。1勝にかける熱い気持ちを持って新シーズンへ挑む。

　「これまでも優勝は遠くなったり近くなったりっていう繰り返しです。でも今年は必ず優勝したいです。今回のタイ合宿を力に、そして自信にして、先ずは1勝を目指して頑張ります」

　昨季もシーズン中に落ち込んだ時には笠へ相談したり、激励のメールをもらって背中を押してもらったという。ゴルフの技術だけではなく、メンタル面でも笠の後押しを受けて悲願のツアー2勝目を目指す2017年。

　最後に、優勝したら時のことをイメージしてもらうと、「優勝したら涙も鼻水もヨダレもぜんぶ出ちゃいそうですよ」と笑って答えてくれた木戸。これまでの苦労や辛かったことを全て吹き飛ばすくらいの嬉しさが“1勝"にはある。