【特集】PGAツアー79勝、タイガー伝説は1996年にはじまった
2015年10月31日(土)午後1:00
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「これ以上優勝できるとすれば、それはおまけのようなもの。」
2015年12月、自身がホストを務めるヒーローワールドチャレンジの公式記者会見で語ったタイガー・ウッズの言葉は衝撃的だった。
ジョーダン・スピース、ローリー・マキロイ、ジェイソン・デイ、松山英樹、いま世界のゴルフシーンを牽引するプレーヤーの多くがタイガーに憧れ、世界のトップを夢見てゴルフに打ち込んだ。“幼い頃、TVの前でタイガーのプレーに目が釘付けになったのを今でも覚えている・・・" そんなプロゴルファーも多いだろう。
記録以上に記憶に残るタイガー伝説
1996年に史上初の全米アマチュア選手権3連覇を果たしたタイガーは同年8月にプロ転向し、わずか5試合目となる2ヶ月後のラスベガスインビテーショナルで早くもPGAツアー初優勝を果たす。デービス・ラブ3世とのプレーオフを制して掴んだ初勝利は、ゴルフファンに衝撃を与え、ここからタイガー伝説がはじまる。
翌年、プロとして初めて出場したマスターズでは21歳最年少、18アンダーの最小スコアと記録づくめの優勝を飾る。この年は年間8勝を挙げ、賞金王に輝くなど圧倒的な強さを見せ、タイガー時代の到来を印象づけた。
ジャック・ニクラウスがホストを務めるザ・メモリアルトーナメントで初優勝した1999年に2度目の賞金王に輝くと、2002年までに賞金王4連覇を果たすなど圧倒的な強さを誇った。2000年のNECインビテーショナルでは、真っ暗闇の中行われた最終ホールで見せた“闇を切り裂くスーパーショット"はゴルフファンの中でも語り草となっている。
同年のAT&Tぺブルビーチナショナルプロアマでは、最終日のトップと4打差で迎えた15番ホールでチップインイーグルを奪うと、16番以降もスコアを伸ばし見事な逆転勝利を飾った。サンデーバックナイン、残り4ホールからの巻き返しは、これぞ “タイガーチャージ"といえる大逆転劇だった。
2007年より始まったFedExCupプレーオフシリーズ。第3戦のBMWチャンピオンシップで優勝すると、最終戦ツアーチャンピオンシップでも連勝し、見事初代年間王者に輝いた。
40歳を迎えたタイガーが探す新たな道
そんないくつもの偉業を成し遂げてきたタイガーだが、2013年のブリヂストンインビテーショナル以来、優勝から遠ざかっている。
昨年は11試合に出場し、6試合で予選落ち。プレーオフシリーズをかけて挑んだシーズン最終戦ウィンダムチャンピオンシップの10位が最高位となった。2月のウェイストマネジメントフェニックスオープンで予選落ち、翌週のファーマーズインシュランスで初日に途中棄権した際にはアプローチイップスかと揶揄され、引退説も囁かれた。
近年、マキロイやスピースの活躍を受け、「新時代の到来」という言葉が躍るが、マキロイは自身のSNSで「ゴルフはタイガーなしでは考えられない。」と復帰を熱望すると、松山英樹も「タイガーやフィルはいるだけで存在感がある。世代交代は感じない。」と語る。
世界中のゴルフファン、そして同じフィールドで戦うプロゴルファーがタイガーの復帰を待ち望んでいる。昨年12月の記者会見ではこのようにも語っていた。
「先が見えないことが何より辛い。何に期待して、何を目標にするのか・・・。これまでの20年間で素晴らしいキャリアを積むことができたけど、これで終わりにしたくはない。でも、強い選手を相手に再び優勝争いをすることが出来ないのであれば別の道を探したい。」
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1996年、彗星のごとく現れたタイガー・ウッズ。それまでのゴルフの概念をくつがえすスーパープレーの数々は多くのゴルフファンを魅了した。PGAツアー79勝、メジャー14勝。昨年12月30日に40歳を迎えたタイガー。
あれから20年、新たな伝説の1ページに何が刻まれるのだろうか。
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写真提供:Getty Images