外国勢との差を痛感した一年 無勝利に終わった悔しさを来年にぶつけられるか ?上田桃子?
2015年11月8日(日)午後6:32
開幕前に“年間10勝"という高い目標を掲げながら、未勝利で終えた上田桃子は悔しいシーズンだったに違いない。
開幕からの数試合は苦手なコースという上田だが、大きなモチベーション、目標と共にスタートした開幕戦のダイキンオーキッドレディスではベスト10フィニッシュと好調な滑り出しをみせた。過去の成績からもシーズン序盤は予選落ちが多く、徐々に実力を発揮するタイプだが、その後も3試合連続トップ10フィニッシュするなどスロースターターの上田にとっては手応えを感じたスタートとなっただろう。
しかし、4月に行われたフジサンケイレディスクラシックで4年ぶりの出場ということもあり意欲を示していたが、右足指の負傷で欠場する事態となる。翌週に行われたサイバーエージェント レディスでも欠場。自身のブログで「フジサンケイでの怪我から本当に厳しい戦いになりました。そこからは自分のペースで行くのも大変でしたし、とにかく、心と体のバランスを保つのが本当に難しかったです」と右足指の負傷がプレーだけでなく、心身ともに影響していたようだ。
それでもケガから復帰直後のメジャー大会、ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップでは、テーピングを巻いて出場しながらも単独2位で終えている。その後も好調を維持し、2位が2回、ベスト10入りが16回と優勝こそないものの、安定した成績を残した。だが、今季年間10勝を目標に掲げていただけに、上田にとっては満足のいく結果ではなかっただろう。未勝利に終わった原因は自身でもよく口にしている“外国人選手と日本人の実力の差"である。
LPGA公式競技37試合のうち、外国勢が22勝に対し、日本勢は15勝。賞金ランキングトップ10には5人が外国勢で占めている。上田が優勝を逃した試合もほとんどが外国人選手の圧勝で終わっている。そんな中、雪辱を果たす絶好の機会となったのが、ツアー外競技である「THE QUEENS presented by KOWA」だ。日本、韓国、欧州、オーストラリアの4ツアー対抗戦で上田は主将に選ばれ、「眠れなかった」というほど重圧なプレッシャーのなか、チームを率いて、見事に初代チャンピオンの座に輝いた。
21歳で史上最年少賞金女王に輝き、鳴り物入りで米ツアーに挑戦するも6年間勝てずに帰国した上田桃子。それでも持ち前の負けん気の強さで建て直し、今では若手を引っ張る中堅プロだ。来シーズン、20代最後を締めくくる上田はどんなプレーをみせてくれるのだろうか。
写真提供:Getty Images