タイガーの壁は高すぎる? J.スピース「同じような成績は残せないだろう」
2015年12月10日(木)午後7:21
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スポーツ界は常に新しいスターを必要としていて、それはゴルフの世界でも例外ではない。“帝王"ジャック・ニクラウスが最後のメジャー優勝を果たす前から、メディアやファンは「第2のニクラウス」を話題にし、ジョニー・ミラー、トム・ワトソン、ベン・クレンショーといった選手たちが次なるニクラウスという期待を背負って戦ってきた。
(写真提供:Getty Images)
タイガー・ウッズがすっかり大人しくなったここ数年もそうで、やはり誰が「第2のタイガー」かという議論が盛んになっている。25歳でメジャー4勝を数えるローリー・マキロイもその候補だが、浮き沈みの激しい点でどちらかというとフィル・ミケルソンに似ているかもしれない。とすれば、次なるタイガーの急先鋒はジョーダン・スピースと言っていいだろう。
22歳5か月と14日の段階で2人のデータを比較すると、ともに世界ランクは1位で、PGAツアーでは7勝。スピースのメジャー2勝に対して、タイガーは同1勝だ。「タイガーとの比較はまだ早すぎる」というスピースだが、このデータだけなら遜色ないどころかタイガーを上回る。しかし、前週大会でツアー7勝目を手にしたスピースはタイガーとの比較について次のように語っている。
「タイガーに匹敵するキャリアを築くのは難しいと思う。今の年齢では彼を凌ぐ勢いかも知れないが、長いキャリアを通じて同じような成績を残せるとは思わない。達成はしたいが、タイガーのゴルフ界への貢献はあまりにも大きく、特別なもので、そんな選手と比較されるような立場にはまだないというのが率直な気持ちだ」
米国Golf Channel解説のトリップ・アイゼンハワーも、ゴルフに限ればタイガーに匹敵する才能を秘めると評価するが、影響力という点でタイガーほどのレベルにないという意見だ。ゴルフ界を超えた影響力を持たなければ第2のタイガーと言えないとすれば、前週大会の視聴率が良かったとはいえ、スピースもまだまだその域には達していない。
かつてニクラウスを抑えて25歳で全米プロを制したハル・サットンは「おめでとう。君はメジャーで優勝を重ねていくと思うよ」とニクラウスからお墨付きをもらったにも関わらず、結局メジャーでの白星は同大会のみで第2のニクラウスにはなれなかった。スピースもすでに2勝を挙げているとはいえ、2年続けてメジャーで勝つことの難しさは歴史を見れば明らか。それでも、この勢いのままコース上で結果を残し続ければ自ずと影響力を持つ存在になるだろう。
「タイガーを越えるのはタイガーだけ」というジンクスも消え去ったであろう今、新たな時代を築きかけている世界王者から目が離せそうにない。
ゴルフセントラル 1月12日号より
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写真提供:Getty Images