失意の結果も見えた明るい兆し 勝負の1年へ ?有村智恵?
2016年1月4日(月)午前10:26
昨季、有村智恵の米女子ツアーの賞金ランキングは132位。主戦場としているシメトラツアー(米下部ツアー)では賞金ランキング10位に届かなかったため、今季の米国女子ツアー(レギュラーツアー)の出場権を喪失。藁をもつかむ思いで挑戦したファイナルQTは43位タイで終わり、限られた試合のみ出場できるものの、今季の主戦場もシメトラツアーとなった。
また国内ツアーにおいても、2012年に日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯を制し、3年シードを保持していたが、それも昨季いっぱいで切れるため、今季のシード権を喪失。国内13勝を誇り頂点を味わった有村にとっては“どん底"な1年である。昨季は米レギュラーツアー、シメトラツアー、国内女子ツアーの3つのフィールドで戦ってきた。しかし、そのどっちつかずの状態が、順位にも反映され、シード落ちという結果になってしまったのだ。まさに“二兎を追う者は一兎をも得ず"とはこのことだろう。
「有村智恵は一体どうしたのだろうか」。そんな声も聞こえてくるなかで、明るい兆しも見えてきている。昨年の6月からネットで探したという、元世界ランク1位のルーク・ドナルド(英)が師事するパット・ゴス氏に指導を受けることになった。有村はもともと日本ではショットメーカーとして鳴らしたが、米ツアーで自信を失い、不振に陥った。そこで世界一のショットメーカーと呼ばれるドナルドと同じスイングタイプということもありパット氏にお願いしたというわけだ。「やることが見えてきたから、精神的に落ち着いてプレーできる」と徐々に自信を取り戻してきている。
「かなり変わりました」とシーズン中に思い切ってスイング改造に取り組んだが、成果が現れるのには多少なりとも時間がかかる。新コーチを迎え、ピンチともいえるこの状況を抜け出すことはできるのだろうか。「世界で勝つ」と誓って日本を飛び出した有村。今シーズンは勝負の年と位置づけ、まずは大舞台の奪取を狙う。
写真提供:Getty Images