海外女子

メジャー初Vに賞金女王、POY…　最年少記録を次々と更新　?リディア・コ?

2016年5月30日（月）午後7:46

　米女子ツアーで“天才少女"と騒がれた選手は数多くいるが、リディア・コ（ニュージーランド）ほどの実績を残した選手はいない。ルーキーイヤーの2014年に年間女王に輝いた同選手は2015年、さらなる偉業を重ねて記録ラッシュの一年を送った。

　まず手にしたのはロレックスランキング（女子世界ランキング）No.1の座。開幕戦のコーツゴルフチャンピオンシップ presented by R+Lキャリアーズでは惜しくも1打差2位タイに終わったが、13位タイだったインビー・パーク（韓）をかわして自身初の世界女王に輝いた。これは男女通じての史上最年少記録（17歳9か月）で、タイガー・ウッズ（米）の21歳5か月を大きく更新する快挙となった。

　2月にはシーズン第3戦のISPSハンダオーストラリアン女子オープンでこの年最初のトロフィを獲得。開幕から6戦続けて1桁フィニッシュを続け、迎えた4月のANAインスピレーションでは大記録を達成する。結果は51位タイだったが、同大会第1ラウンドで「29」ラウンド連続アンダーパーを記録。2004年のアニカ・ソレンスタム（スウェーデン）に並ぶ偉業を17歳の若さで成し遂げてみせた。

　それでもやはりメジャーVを挙げられなかった悔しさは大きかっただろう。次戦でシーズン2勝目を手にしたコだが、以降もKPMG女子PGA選手権でプロ初の予選落ちを経験するなどメジャー大会で苦戦。翌月の全米女子オープンでも12位タイと思うような結果は残せず、全英リコー女子オープン（3位タイ）ではパークにシーズン2つ目のメジャーVを許した。不調とは言わないまでも8月半ばまで嫌な流れが続いたことは確かだ。

　そんな中で再びリズムを取り戻すきっかけとなったのは8月のカナディアンパシフィック女子オープン。ツアー史上最年少V（15歳4か月）を挙げた縁深い大会でプレーオフの末にトロフィを奪い返し、勢いそのままに翌月のメジャー第4戦、エビアン選手権で悲願のメジャータイトルを手中に収めた。

　18歳4か月でのメジャーVは、モーガン・プレッセル（米／18歳10か月）を約半年上回っての史上最年少記録。内容も後続に6打差をつけての圧勝で、最終ラウンド「63」もメジャー制覇では史上最少とまさに圧巻の内容だった。その後も好調を維持したコは、10月にはフボンLPGA台湾チャンピオンシップでシーズン5勝目。男女通じて最速で通算10勝に到達し、5月に失った世界女王の座に返り咲いた。

　賞レースではシーズン最終戦まで続いたパークとの接戦を制し、2年連続の年間王者、そしてこれまた史上最年少でのプレーヤー・オブ・ザ・イヤー（POY）、賞金女王と主要タイトルをほぼ手中に。POYの受賞はパークとわずか2ポイント差で決まったが、そのパークはベア・トロフィ（最少平均ストローク）の獲得にとどまっている。

　念願のメジャー制覇を果たしてさらなる自信を手にしたコ。29ラウンド連続アンダーパー記録に象徴されるような年齢離れした安定感が持ち味の18歳だが、精神的にも強くなって迎える2016年シーズン、今度はどんな記録を打ち立ててくれるか楽しみだ。