「ここに来たのはスポンサーのため…」 B.ワトソン、正直な性格が災いする
2016年1月29日(金)午前10:46
今週アリゾナで開催中の米男子ツアー、ウェイストマネジメント フェニックスオープン。過去2年連続で2位タイに入るなど同大会と相性が良いババ・ワトソンは、初日から連日の「69」で暫定13位タイの好位置につけた。
しかし、この2日間でワトソンにギャラリーの後押しはなく、火曜日には名物の16番ホールでバーディを獲ったにも関わらずブーイングを受けたという。そしてこの日の競技後、ワトソンが口にしたのはファンや関係者への謝罪の言葉だった。
「誤った言葉を使ってしまったことをお詫びします。トーナメントとファンの皆様を怒らせるつもりはなく、ここのギャラリーは素晴らしいです。私が好きではないと言ったのは、コースのことで、それは過去10年近く言い続けています。ですがこのトーナメントは別で、これだけ多くの人が集まり、世界一盛り上がる大会に参加しないわけにはいきません」
(写真提供:Getty Images)
事の発端は今週初め、開催地のTPCスコッツデールは自分好みではないとしたワトソンの発言だ。
ババ・ワトソン
「ここにはスポンサーのために来ています。天気もいいですし、かつては家もありました。出場出来て嬉しいです」
……過去全てのラウンドでアンダーパーですね。
「ずっと続いてほしいですね」
……なぜここが好きなんですか?
「別に好きではないです。はっきり言うと全然好きではありません。ここに来た理由はすでに述べたとおりで、私のスポンサー3社のため。それだけです」
あまりにも正直すぎる発言だが、火曜日のブーイングなどはこれに反感を覚えた一部のファンによるものだったというわけ。コミュニケーションが下手なのは「妻にも指摘される」欠点としたワトソンは、この日になってようやく「思ったことがうまく伝えられなかった」と反省を口にしたのだ。
不注意な発言で物議をかもしてしまったワトソン。米国Golf Channel解説のブランデル・シャンブリーはジャック・ニクラウスやバイロン・ネルソンといったレジェンドを引き合いに出しながら、ワトソンをたしなめるように今回の騒動についてコメントしている。
「ワトソンは偉大なゴルファーですが、ゴルフの親善大使とは言い難いです。二クラウスだって嫌いなコースはあったでしょうが、それを公の場で発言したことはありません。ゴルフの歴史を紐解けば教訓が沢山残っています。バイロン・ネルソンがプロアマ戦に出場したときのこと。彼はコース記録だけでなく、その保持者の名前まで聞いたそうです。記録保持者がヘッドプロであれば、彼はそれよりも少し悪いスコアを狙いました。それはなぜか?ヘッドプロの評判を守るためだったといいます」
「そういう精神はゴルフコースにも当てはまります。コースにも多くがつぎ込まれており、設計にも多大な時間を要したでしょうし、コンディションも多くの努力によって保たれています。私も年に一度はここでプレーしますが、現在の状態は完璧と言えます。ワトソンが本音だからといって、好きではないと言い放つのは身勝手過ぎます。ほめたくなければ何も言わないことです。16番ホールで彼のコメントが忘れ去られるには時間がかかるでしょう。素晴らしい選手ですが、言葉は選ばなければいけません」
ゴルフセントラル 2月6日号より
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