家族全員で勝ち取ったトロフィ V.テイラー、人生を変える11年ぶりの優勝
2016年2月22日(月)午後2:20
PGAツアーのAT&Tぺブルビーチ・プロアマは、ボーン・テイラーの逆転優勝で幕を閉じた。トップから6打差で最終ラウンドを迎えたものの、終盤にバーディーを連取。「65」のラウンドだった。
テイラーが最後にPGAツアーで勝ったのは、2005年のバラクーダ・チャンピオンシップで、なんと10年5か月24日ぶりのトロフィ。現在世界No.1のョーダン・スピースがまだ12歳の頃だった。
ボーン・テイラー 「トップ10に入れば、来週の試合に出られると考えていた。優勝なんて、これぽっちも頭になかった。今日は夢のようなラウンドだった。波に乗っているのは分かっていたが、あまり感情的にならないように気をつけていた。ただ、落ち着いてプレーすることを心がけていたんだ。今は信じられないよ」
「(リーダーボードの順位は)どこかで知った。確か14番だったと思う。あまりしっかり見ようとはしなかった。フィル(・ミケルソン)が後ろにつけていることはわかっていたが、順位を気にすることはなかった。自分のプレーに集中し、目の前のショットのことしか考えていなかった」
優勝決定後のインタビューでも本人が一番驚いているようだったが、2006年のライダーカップにも出場経験のあるテイラーは、18番の2打目で木の後ろからの低いドローという難しいショットを強いられた。もし、彼が18番ホールについたとき、2打のリードがあると知っていたら、このホールは違う攻め方をしていたのだろうか?
トリップ・アイゼンハワー 「本人も話していたように、落ち着いたプレーは変わらなかったと思います。これは何回でも見直す価値があるくらい、難しいショットでした。木の下をくぐらせるため、低く打ち出せるようにしっかりと振り抜いていました。今日のピンポジションから見て、最も理想的な場所に運ぶことができました。最後のパットは、少し躊躇してしまったように見えましたが、それは優勝よりも上位フィニッシュだけを考えていたからかもしれません。テイラーは今週、下から5番目の出場枠で出ています。来週の出場権しか頭になかったとのことですが、今回優勝したことにより、来週だけでなくこれから2年間の参戦が許されました。これはPGAツアーならではのストーリーです。自分でチャンスを作り、ものにする。今日のテイラーは、特に終盤での落ち着きぶりが素晴らしかったです。それが勝因だったのでしょう」
ジム・ギャラガー 「この優勝は非常に大きいですよね。もしあの後プレーオフに敗れて2位で終わったとしたら、今後出場できる試合数は限られていました。テイラーの人生を大きく変えた1勝になったことは間違いないでしょう。また、大きな自信もついたと思います。世界ランクで最高37位まで上がった選手ですが、それ以降目覚しい活躍はありませんでした。今回、再び優勝することができて、本当に良かったですね。また、テイラーは人としても素晴らしい方です」
182試合ぶりにトロフィを手にすることになったテイラーは、優勝記者会見で「スランプの間、何があなたを支えたのか?」という問いに対して、このように答えた。
ボーン・テイラー 「美しい妻が支えてくれた。ここまでこれたのは彼女と子供がいてくれたおかげで、これは家族全員でつかみとった優勝だ。妻とは出会ったときから支えあってきたし、良いときも悪いときも常に前向きでいてくれた。私が落ち込んだときも、いつも背中を押してくれたおかげでずっと頑張ってこられた」
1打差を追いかけるミケルソンが最終18番でバーディチャンスを迎えたとき、テイラーは子供を抱いて運命の瞬間を待っていた。まさに彼が話す通り、家族全員で勝ち取ったトロフィとなった。
ゴルフセントラル 2月15日号より
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写真提供:Getty Images