国内男子

男子ツアーの船出、新選手会長宮里優作が語るツアー改革とは

2016年5月17日（火）午後1:11

人気低迷が叫ばれる男子ツアー復活へ、この男が立ち上がった。

今年、プロデビュー14年目を迎える宮里優作。昨季、ダンロップフェニックスでツアー通算3勝目を挙げ、賞金ランキングは自身最高の2位、年間獲得賞金は初の1億円を突破した。

数多くのアマチュアタイトルを手にし、プロデビュー後は期待されながらもツアー初優勝はプロデビュー11年目の2013年と、その道のりは長かった。あのツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の涙の優勝はゴルフファンにとっても記憶に残る試合の一つだろう。

あれから2年、35歳となった宮里はツアーの顔として男子ツアー改革への決意を固めた。

アジア進出の重要性

今年はアジアンツアーとの共同主管競技として「SMBCシンガポールオープン」と「レオパレス21ミャンマーオープン」が新たに加わり、昨年より1試合増の26試合が開催される。

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アジアシリーズ2試合を戦い終えた宮里は「国内で試合数を増やすのはもちろん、海外とのタイアップは選手のレベルアップにも繋がるのであと2、3試合は増えても良いと思う。慣れ親しんだ国内コースではなく、初めてプレーする海外のコースで自分の課題を見つけることができた選手もいた。今回は2試合共に日本の企業がスポンサーとして応援してくれて、本当に良いきっかけを作ってくれた。日本ツアーは韓国の選手が多いので、今後は韓国人選手が頑張っている姿をもっと韓国にも伝えていく必要があるし、そこで日本ツアーの露出が増えれば韓国企業にもスポンサードしてもらえる可能性もある。」とアジア進出の重要性を口にした。

宮里優作のリーダーシップ

4月にはいよいよ国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」を迎え、選手会長としての働きが本格化する。

人気低迷脱却へ宮里が掲げたキーワードは“現場"と“意識改革"。ゴルファーよりもむしろ経営者の顔にも見えた宮里の言葉からはリーダーとしての信念を感じた。

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「人気回復にはとにかくファンサービス。そのためには現場が重要。ギャラリーが『来て良かったな』と思ってくれるようなトーナメントにしないといけない。毎年ツアーメンバーは変わるし、選手一人一人の意識改革が必要になってくる。選手一丸となってツアーを盛り上げていく。その旗振り役が選手会長としての自分の役割。」

ファンサービスについては「通常のサイン会だけではなく、例えばチケットの番号に特典が付いていてグッズが当たり、それを選手から手渡しできるようなファンにとってメリットのある企画が必要。」と話す。

そこで課題となるのがトーナメント毎の調整だ。「トーナメントによってやり方は変わると思うが、これまでのように主催者だけが考えるのではなく、選手から主催者に提案していくような流れを作っていきたい。選手会長として主催者と話す機会を多く持つようにしている。」とファン、選手会、主催者が一体となったトーナメントの活性化を目指す。

1月にソニーオープンへ出場した際には「PGAツアーはしっかりと地元のお祭りになっていて、イベントとして成立している。ギャラリーの受け入れ体制も充実していて、ゴルフを見る人も見ない人も両方楽しめるような準備が出来ている。」と米ツアーからもヒントを得る。

ゴルフファン拡大に向けては「今年は年間を通して男子プロの露出を増やしていきたいので、ゴルフネットワークの新番組『the MATCH』にも積極的に協力していきたい。額賀辰徳や稲森佑貴とか個性ある選手はたくさんいるので、ぜひいろんな選手を取り上げて欲しいし、男子プロの意外な一面が見られると思う。」とメディア露出の重要性も挙げる。