ゴルフビジネスの成功者D.トランプ氏が米大統領になったら、ゴルフ界にどう影響する?
2016年3月3日(木)午前11:17
現在アメリカ合衆国の大統領候補指名レ?スでトップを走る共和党のドナルド・トランプ氏。世界的に有名な高級物件の売買を繰り返しながら、40億ドル(約4,516億円)を超える資産を持つ“不動産王"と呼ばれている。その手腕をゴルフビジネスでも発揮。トランプ氏はゴルフ業界が経済的危機に陥った時、複数の廃れたコースに何億円もつぎ込んで蘇らせた。今週から行われるWGC-キャデラックチャンピオンシップの開催コース、「トランプナショナルドラール」もそのうちの一つだ。
同コースは一時期の輝きを失っていたが、トランプ氏の巨額の投資でコースの大改造が行われ、今では予約が取れないほど大繁盛している。経営戦略の基本は、「ゴルフ場を安く買う」「投資を惜しまない」「成長を見守る」という至ってシンプルなもの。一方で、トランプ氏のゴルフビジネスは、富裕層向けを売り文句としていて、彼の所有するコースやリゾートは最高級で、独占することを好む人達をターゲットにしている。
ゴルフ界にとって救世主ともいえるトランプ氏が大統領になったら業界に好影響をもたらしそうな気もするが、トランプ氏のある発言がゴルフの統括団体に物議を醸した。
「メキシコは善良な市民をアメリカに送りこんでいません。たくさんの問題を抱える人達が、その問題をわが国に持ち込んでいます。麻薬や、犯罪などです」
アメリカ合衆国の大統領候補のこの不適切な発言はすぐに大きな反響を呼び、ゴルフ界への悪影響も心配された。スポーツの世界では人種差別が存在すると見られることを一番嫌うことからゴルフの統括団体はすぐさま反論。「我々の見解を反映するものではないことを明らかにせざるを得ないと感じた」と共同声明を発表。しかし、ビジネスのプロとしての繋がりが断たれることはなく、結果的なダメージとしては去年の「PGAグランドスラムオブゴルフ」の大会を中止しただけ。問題発言はさほど影響しておらず、ビジネスでは縁が切れないと言ったところだろう。共和党候補として予想外の躍進を続けるトランプ氏だが、一体ゴルフ界にとって好ましい存在なのだろうか。
米Golf Channelラジオ番組担当のマット・アダムスはこう分析している。
マット・アダムス
「トランプ氏はゴルフを広めることに関して、責任を課せられる立場にないと思っています。彼はビジネスオーナーであり、ゴルフ施設を所有する人間であって、対象とする顧客は富裕層です。もちろん、ゴルフが全ての人達の間で広まるに越したことはありませんが、彼は巨額の資金を費やし成功しています。それぞれのランクのコースオーナーが彼のように成功すれば、ゴルフ界は発展します」
「もしトランプ氏が選挙で勝ったらアメリカで初めてゴルフと言うスポーツに労力をつぎ込む大統領となります。これまでゴルフ界の沢山の人が8兆円の経済効果や200万人以上の雇用確保など、社会的なプラスを訴えてきましたが、なかなか政治家に理解されませんでした。でも、もしトランプ氏が大統領になったら、そういった部分が大々的に取り上げられ、大統領がゴルフを楽しんでも批判されなくなるでしょう」
ゴルフセントラル 3月1日号より
ニュース番組「ゴルフセントラル」毎日放送!
ゴルフ界の出来事をどこよりも早くそして詳しく伝える唯一の日刊ゴルフニュース番組「ゴルフセントラル」。主要ゴルフ試合のリーダーボードやハイライトだけでなく、解説者のコメントも交えゴルフをあらゆる角度から分析。また、人気選手の素顔にも迫る特集なども放送。
【放送予定】ゴルフセントラル 【オススメ】GOLF NETWORK PLUS TVならスマホ・PCで「ゴルフセントラル」がいつでも見れる
写真提供:Getty Images