国内男子

男子ツアーのグローバル化

2016年6月3日（金）午後4:58

　オリンピックイヤーの2016年。人気低迷が叫ばれる男子ツアーだが、今年は昨年より1試合増の26試合が開催される予定だ。その内、2試合はアジアンツアーとの共同主管競技として、「ＳＭＢＣシンガポールオープン」と「レオパレス21ミャンマーオープン」が新たに加わった。女子ツアーと比べて試合数が問題視されるが、近年の男子ツアーは海外ツアーとのジョイントを積極的に行っている。

　「ＳＭＢＣシンガポールオープン」では世界ランキング1位のジョーダン・スピースが出場し話題を集めた。アジア開催のトーナメントは雷雲によるサスペンデッドが多いが、今大会も連日の悪天候による競技順延で大会は5日目に持ち越された。

アジアのファンを魅了したJ.スピース（cGetty Images）

　優勝争いをしていたスピースは最終18番ホールで2メートルのバーディパットを残して、5日目を迎えたが、ネガティブなコメントを出すことはなかった。最終日当日も早朝からコース入りし、何度も何度もバーディパットのラインを確認し、見事にバーディパットを沈めて大会を終えた。惜しくも首位に1打及ばず単独2位となったが、大いにファンを沸かせ、世界No.1として堂々たるプレーだった。

　日本勢では小林伸太郎がトップと3打差の4位タイで最上位となった。昨季賞金ランキング63位で初のシード権を獲得した小林は今大会で約540万円の賞金を獲得し、2016シーズンに弾みをつけた。

日本人最高4位タイの小林伸太郎（cGetty Images）

　2戦目の「レオパレス21ミャンマーオープン」では昨季賞金ランキング64位でシード復帰を果たした矢野東が奮闘。初日から優勝争いに加わり、3日目にはアルバトロスを達成する快挙。最終日も68とスコアを伸ばし、首位と2打差の2位タイで大会を終えた。

ミャンマーで生涯初のアルバトロスを達成した矢野東（写真提供：JGTO）

　今年から選手会長としてツアーを牽引する宮里優作はアジアシリーズ2試合を戦い終えて、アジア進出の重要性を口にした。

新選手会長として臨む2016シーズン（写真提供：JGTO）

　「国内で試合数を増やすのはもちろん、海外とのタイアップは選手のレベルアップにも繋がるのであと2、3試合は増えても良いと思う。慣れ親しんだ国内コースではなく、初めてプレーする海外のコースで自分の課題を見つけることができた選手もいた。今回は2試合共に日本の企業がスポンサーとして応援してくれて、本当に良いきっかけを作ってくれた。」

　宮里が話すように日本を離れ、慣れない海外で戦うことは技術・メンタル面の向上にもつながる。また、国内開幕戦前の1月?3月に温暖な地でプレーできることも選手にとってはメリットがある。

　JGTOはアジアンツアー以外にも、PGAツアーオブオーストラレイジアとパートナーシップ契約を結び、3月10日より開催する「BMW ISPSハンダニュージーランドオープン」にはJGTOツアーメンバーが20名出場する予定だ。

雄大なニュージーランドの大地に広がるコース（cGetty Images）

　1920年に第1回大会が開催された歴史と伝統のある大会でもあり、1972年にはあのジャンボ尾崎が優勝を飾っている。開催コースはニュージーランドNo.1リゾートとも呼び声の高いミルブルックリゾートと、ニュージーランド随一のコース戦略性を誇り、コース内に彫刻が点在することでも有名なるザ・ヒルズゴルフクラブの2コースを使用して行われるプロアマ戦だ。

　獲得賞金はジャパンゴルフツアーの賞金ランキングには加算されないものの、優勝者には2016年度の日本ゴルフツアー選手権およびそのほか２試合の出場権が与えられる。昨年は岩田寛の12位が最高位だったが、今年は日本勢の優勝争いに期待したい。

　選手会長の宮里優作も昨年に続き出場を表明。前回は予選落ちを喫したが、今年は選手会長としての意地もあるだけにリベンジに燃える。このほか昨シーズン賞金ランキング上位の藤本佳則、谷原秀人、片岡大育らも参戦。

　通常とは異なるプロアマ形式で争われる今大会、豪州勢を相手にJGTOツアーメンバーがどのようなプレーを見せるか注目だ。