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俳優・渡辺謙が松山の練習に密着　復調へのエールも

2016年7月16日（土）午前5:03

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松山英樹

全米プロゴルフ選手権の会場、バルタスロールGCに日曜に現地入りし、黙々と練習ラウンドを重ねる松山英樹。今季最後のメジャーに着々と準備を進める日本のエースに、意外な人物が熱視線を送っていた。世界的俳優の渡辺謙さんだ。

テレビ番組の取材のため、月曜から松山の練習ラウンドにつきっきりだったという渡辺さん。舞台は違えど自身と同じく異国の地で世界に挑戦する松山の姿を、メジャー最終戦という本番を前にどのような準備をしているかという視点で興味深く見つめていた。そんな渡辺さんに現地レポートのレックス倉本がインタビュー。練習を見ての感想や松山へのアドバイスを聞いた。

??渡辺さんはどうしてこちらにいらっしゃたんでしょうか？

「今年松山君と、世界をフィールドにして戦っている男たちというインタビューをしたいなということになりまして、ただ会ってインタビューをしても語れることは少ないので、彼が主戦場にしている場所はどんなものか、その最たるメジャーはどういうものなのか、彼がそこに対してどういうプレパレーション（準備）をしていくのかという、裏側の気持ちとして、プレーヤーの気持ちとして取材をしたくて、今回は練習ラウンドからずっと見させていただいてます」

??渡辺さんにとってはある意味で役作りのような感じでしょうか？

「そうですね。映画でいうとクランクイン、舞台でいうと初日に向けてどういう準備をしていくかというのは、ある意味で本番の舞台よりも大事なプロセスというのがあるんですよ。ルーティンも含めて。それを彼がどういう心持ちでどういう顔色でそこに立ち向かっているのか、プロセスを踏んでいるのかというのは非常に興味のあるところだったんですね」

??実際見られて彼の準備段階はどうですか？

「僕なんかは技術論は全然分からないんですが、全米や全英オープンなんかと比べると、ショット的にはものすごく良くなってると思います。ただ周りの方々の話を聞くと、その時も決して調子は悪くなかったんだけど、それが結果に出てこない、そこでメンタルとフィジカルが折り合いがつかなくなって崩れていったという風にうかがいました。今は自信を一生懸命取り戻そうとしている、でもそれで良いショットは出ているけど所詮は練習ラウンドなので、それが本戦に入って良い結果として、アッと思ったパターがポンと入ってくれたり、ンッと思ったショットがピンに寄っていったりということがあると彼の背中を、自分の自信が押していってくれるんじゃないかと思います」

??渡辺さんも俳優として色んな試行錯誤があって、自分のイメージと実際の演技がなかなか噛み合わない時期もあったと思うんですが、おそらく今松山選手はそういう時期にあると思います。渡辺さんのご経験から松山選手に何か一言アドバイスをいただけますか？

「自分が『これはどうだ』と思ったものが、客観的に良いかはなかなか判別がつかないんですよ。それはある種何かに委ねるというか、そういうところも必要なのかという気がするんですね。スポーツですから結果が出てしまうんですけど、でもたまたま自分がふけたなというショットでも風が押し戻してくれたり、そういうことってただラッキーというのではなくて、こういうことでも許容範囲なんだと。もちろん皆100点を求めていると思うんですが、許していくというか委ねていくというか、そういうことも4日間のうちの何分何秒かは必要なのかなという気がします」

ＬＩＶＥＦＲＯＭバルタスロールＧＣ 7月28日号より

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