海外男子

ライダーカップ激闘の歴史（2008年?2014年）

2016年9月8日（木）午後4:02

国の名誉とプライドをかけた戦い、マッチプレーが筋書きの無いドラマを生むのがライダーカップ。その激闘の歴史を2回にわたり振り返る。後半は2008年大会から2014年大会までをお送りする。

2008年タイガー不在のアメリカチームの意地、米国選抜が9年ぶりのカップ奪還

3年連続で欧州選抜に負けている米国選抜。この年の全米オープンで激闘を制したタイガー・ウッズは怪我で欠場。欧州有利の前評判で迎えた初日、前回大会で4敗1分けとライダーカップではなかなか勝つことのできないフィル・ミケルソンが意地を見せる。初めてペアを組んだ若手のアンソニー・キムとのコンビが功を奏して午前・午後共に2連勝し、米国が3ポイントリードで初日を終える。2日目も一進一退の攻防が続き、米国選抜が2ポイントリードで迎えた最終日。今大会好調のキムが第1マッチでセルヒオ・ガルシアを5&4で圧勝。その後も順調に米国が勝利を重ね、第8マッチのジム・フューリックvsアンヘル・ヒメネス戦で決着。1999年以来、4大会ぶりにカップを奪還した。

2010年ハンター・メイハンの涙・・・最終日、最終マッチの劇的な幕切れ

悪天候による順延で4日間競技となった2010年大会は最終日の最終マッチまで縺れる接戦となった。欧州が3ポイントをリードして迎えた最終日。第1戦でストリッカーがウエストウッドを破り反撃の狼煙をあげる。その後もタイガー、ミケルソンらが揃って勝ち星を上げ、両チームが13.5ポイントで並び勝負の行方は最終マッチのマクドウェルとメイハンに委ねられた。マクドウェルが2アップのドーミーで迎えた17番パー3。メイハンが放ったティーショットはショートしてグリーン手前に。そして、第2打のアプローチは観る者全てが目を疑うようなまさかのミスショットに・・・。

【無料動画】ライダーカップ名勝負10選　第7位・勝負は最終日最終マッチG.マクドウェルvsH.メイハンに委ねられる（2010年）

2012年ライダーカップ史上に残る奇跡の大逆転劇

米国が4ポイントリードで迎えた最終日シングルス戦。誰がこんな結末を予想しただろうか？絶体絶命の欧州は先陣を切ったルーク・ドナルドの勝利を皮切りに5試合連続で勝利。2マッチを残して13点で両チームが並ぶ白熱の展開に。チームの命運をかけた第11マッチは17番でカイマーが1アップリードし、最終18番でも執念でパーパットを沈めて見事に勝利。14ポイントを獲得、この時点で欧州のカップ保持が確定。（※引き分けの場合は前回優勝チームがカップを持ち帰る）その瞬間、歓喜の雄叫びを上げるカイマーに、欧州の選手たちが抱きついてグリーンサイドは大混乱。セカンド地点で待つタイガーとモリナリの最終組はしばらくグリーンを狙えない状況に。タイガーが1アップのまま終われば14ポイントで引き分けとなるところだったが、18番でタイガーが短いパーパットを外したことで欧州が米国に1ポイント差をつけて大逆転勝利を収めた。

【無料動画】ライダーカップ名勝負10選　第2位・ライダーカップ史上に残る奇跡の大逆転劇（2012年）

2014年欧州がホームで圧勝し三連覇、マギンリーとワトソンの両主将の采配に明暗

三連覇を目指す欧州はホームのスコットランドで米国を圧倒。欧州が4ポイントリードで迎えた最終日、マッチプレー巧者のマクドウェルが大会初出場のスピースを撃破して勢いをつけると、第3マッチではマキロイがファウラーに完勝し、エース対決を制した。続く第4マッチではローズがメイハンと引き分け、大会負けなしの活躍を見せた。見事な采配で三連覇を達成したマギンリー主将には賛辞が贈られたが、大敗を喫した米国の主将ワトソンには非難が集中した。

【無料動画】ライダーカップ名勝負10選
 【関連】2016ライダーカップ特設サイト
 【関連】ライダーカップ激闘の歴史（1999年?2006年）
【LIVE&見逃し配信】ライダーカップ★冒頭1時間は無料配信

> ゴルフネットワークマガジン一覧

ライダーカップ放送予定

開会式　9月30日（金）　午前6：00?7：00
1日目　9月30日（金）　午後9：30?翌午前8：00
2日目　10月01日（土）　午後9：30?翌午前8：00
最終日　10月02日（日）　深夜1：00?翌午前7：30　※最大延長午前10：00まで

【放送予定】2016ライダーカップ
 【LIVE&見逃し配信】ライダーカップ★冒頭1時間は無料配信

写真提供:Getty Images

「何よりもライダーカップ」の米国チーム

米国チームのキャプテン、デービス・ラブが合計4名を指名するのは、もう少し先になるのだが、ポイントランキングで決まる8名の枠を巡って激しい競り合いになったのはプレーオフ第1戦のバークレイズだった。

いや、厳密に言うと、そのときすでにダスティン・ジョンソン、ジョーダン・スピース、フィル・ミケルソン、ジミ?・ウォ?カ?、ブルックス・ケプカの5名はチーム入りが確定しており、競り合っていたのは残る3名の枠を狙っていたブラント・スネデカー、ザック・ジョンソン、パトリック・リード、リッキー・ファウラーといった面々だった。

中でもファウラーは「ライダーカップ出場は僕の今年の最大の目標」というフレーズをことあるごとに口にし、リオ五輪から飛んで帰って翌週のウインダム選手権に出場。ぎりぎりまでポイントを稼いでランクインを目指す姿勢と忠誠心をアピールしていた。

そして翌週。プレーオフ第1戦のバークレイズでファウラーは最終日を首位で迎えた。この大会で単独3位以上ならポイントランキング8位以内となり、ライダーカップ自力出場が確定できた。しかし、そのプレッシャーは多大だったようで、最終日のファウラーはみるみる崩れ、7位へ後退して終わった。

推薦の残り4枠に望みをつなぐリッキー・ファウラー。

そんなファウラーと入れ替わって上昇したリードが大会優勝とライダーカップの米国チーム入りを果たし、ファウラーはこれから決まるキャプテン推薦の4枠に望みをつないでいる。だが、ラブのラブコールを待っているのはファウラーだけではない。マット・クーチャーやババ・ワトソンらも自分が選ばれることを祈るように待っている。

プレーオフ第2戦のドイツ銀行選手権3日目。松山英樹と同組で回ったジェイミー・ラブマークの婚約者とライダーカップの話をした。ラブマークはライダーカップポイントのランキングでは34位で自力出場はほど遠かった。言うまでもなく、キャプテン推薦がもらえる可能性も決して高くはない。だが、それでもやっぱり「ライダーカップに備えて私たちの結婚式をライダーカップ翌週に設定してあるのよ」と婚約者は真顔で話してくれた。