石川遼独占インタビュー「遼と組んで勝つしかないと言われて、決意しました」
2016年10月5日(水)午前11:57
- この記事のキーワード
11月24日よりオーストラリア・メルボルンで開催されるゴルフ国別対抗戦「ISPSハンダ ゴルフ ワールドカップ」。日本のエース松山英樹が石川遼をパートナーに指名し、夢のタッグが実現することで話題となっている。松山英樹にパートナーとして指名された石川遼は、故障に苦しんだシーズンの中、どのような想いで出場を決めたのか、話を聞いた。
「遼が決断するならパートナーに指名したい」松山の熱い想い
怪我をする前から今年ゴルフW杯が開催されることは頭にありました。日本の2番手になって、日本代表のメンバーに入って、英樹とW杯に出場したいと。でも、怪我をしてしまって、出場は厳しいなと思っていました。
しばらく経って、英樹から「腰の調子はどう?W杯はどんな感じ?」と聞かれて、「英樹がW杯出場を考えているんだ」って思って他人事のような感じでびっくりしました。ただ、その時はまだ腰の痛みもあって、景気の良い言葉は言えなかったんですが、KBCオーガスタの1ヶ月前くらいに体の調子も良くなって、「いけるかも!」って思って。
英樹は海外ツアーに参戦していて、メジャーとか大きな試合も続いていたし、自分は日本でトレーニングしていたので、電話でのやり取りが多かったですが、8月に1週間くらい英樹がオフで日本に戻った時に直接会って「遼がW杯に出ることを決断するなら、パートナーに指名したい」って言われて。
英樹は日本のゴルフ界のために、二人で出場したいっていう想いがあって、世界の上位で戦っているプレーヤーが日本のことを考えてくれているなんて凄いことだし、感動しました。
英樹は「遼と組んで勝つしかない!」って言ってくれたんですが、復帰する前だったので正直 「俺じゃなくてもいいんじゃない?」って思ったりもしました。でも、英樹から「W杯まであと3ヶ月で仕上げて欲しい!」と言われて、半年間ツアーから離れている不安もあったし迷いましたが、そこまで言われたらやるしかない!と思って決意しました。
「遼はもっとやれるだろ!」と英樹が思っている気がして
これまで英樹とは、PGAツアーのサバイバルな中で一緒に戦っていたのに、自分の不調や怪我で離脱してしまい、英樹に寂しい思いさせてしまっているのかなっていうのも少し感じました。英樹がアメリカに来た時は、世界ランキングも同じくらいだったのに、そこから英樹は世界のトップランカーへ登りつめて、自分はなかなか上にいけず、英樹は優勝争いしてるのに、自分はシード権争いをやってる状況で、同じ舞台で戦っているとは言えないと思った。その時は同じアメリカにいながらも悔しい気持ちもありました。
英樹との差は大きく開いたけど、今回W杯のパートナーに指名してもらって、口にはしないけど「なんで遼は上にあがって来ないんだよ、もっとやれるだろ」って英樹が思っている気がして。ちょうどKBCオーガスタの週にW杯出場が発表されて、これで自分が日本ツアーでぜんぜんダメだったら、W杯大丈夫なのか?ってなるし、死に物狂いでやるしかないと思いました。結果、KBCオーガスタで優勝することができて、今までの自分は本当に甘かったなと感じました。パートナーに指名してくれた英樹には感謝の気持ちしかありません。
日本代表としてプレーすること
W杯は日本を代表するので、「RYO ISHIKAWA」としての成績ではなく「Team Japan」の成績になるので、いつもとはぜんぜん違う、国を代表して戦うので責任感は非常に強くなります。前回大会(谷原秀人と出場)は異なる競技形式でしたが、団体で3位に入れました。あの時も2人のうち、どちらかが一日でも悪かったら3位はなかったと思うし、相当なプレッシャーがあったんじゃないかなと思います。
今回はパートナーがいて、2人で交互にボールを打っていく日もあるし、前回以上にチーム力や戦術も大事なので、前回とは違ったプレッシャーがあるかなと思います。今、ゴルフネットワークで放送している過去のW杯とかを観ていても、ダブルスの戦いは難しいなって思います。それでも、1人じゃできないことが 2人ならできることもあると思いました。いち視聴者としても、あの舞台に立てるんだって思うと今から楽しみです。
パートナー・松山英樹について
最初の頃は鈍感とか思われてたみたいですけど、実は非常に繊細な性格だと思う。英樹自身が自分の変化にとても敏感で、ゴルフのことやスイングにしても周りから見たらぜんぜん気づかない細かいことでも英樹は気にしているし、フィーリングが少しでも違うと良くないって思ってしまうんだと思います。他の選手だとわからないフィーリングの違いを英樹はわかるんだと思います。
プライベートは凄く合理的だと思う。一緒にいて気持ちが良いです。尊敬するくらい、ゴルフのためにやらないといけないことを一番に考えるし、全てに気を遣っています。でも、食事とかはそんなに気にするタイプじゃないと思います(笑)
ON/OFFの切り替えっていう意味では、英樹はONのスイッチがかなり強い。ほかにも、上手いポイントを挙げたらきりがないです。全てが自分より優れている。その上で、英樹は何かをやらないといけない場面で思っていることをやってのけるのが凄い。
今年の2月にフェニックスオープンで優勝した時も、終盤の17番(短いPar4)でリッキーがティーショットを池に入れて、その状況で英樹はここしかないって思っているグリーン手前に打ってきた。普通なら左を意識して、相手が池に入れているし右に逃げることも考えるだろうけど、リッキーは池に入れてもパーを取ると思って、英樹はバーディを取るための選択をして、それを実行できる強さがあった。そういう強さはジュニアの頃から変わってないと思う。
「優勝」と「3位」は違う
W杯はダブルスだからといって何かを変えることなく自分のゴルフに徹するのと、今続けていることをプレーで出して行きたいです。その為にも自分のゴルフの精度を高めて、W杯にピークを持っていかないといけない。自分も英樹もベストを尽くす。それが結果につながると思う。
前回大会で3位に入った時は、やりつくした感がありました。でも、終わってみれば「3位」っていうことがどこまで話題になったのか・・・。やはり優勝と3位は違う。前回よりも強いメンバーが揃っているけど、4日間ベストを尽くして「優勝」を目指して頑張ります。
(※「杉ちゃんが行く!ゴルフワールドカップ開幕直前SP」より)
【関連】松山・石川出場「ゴルフワールドカップ」関連番組を一挙放送!番組見逃し配信を無料開放 【関連】松山英樹独占インタビュー「W杯に出るなら遼と出たい」
松山英樹・石川遼 日本代表を応援しよう!ISPS HANDA ゴルフワールドカップ全ラウンド独占生中継!
11/24(木)?27(日) 連日午前10時?午後3時生中継!