日刊スポーツで毎週火曜日に好評連載中の「成田美寿々のAAAスタイル by 井上透コーチ」。超攻撃的ゴルフでトッププロへと成長した成田美寿々（２３＝オンワードホールディングス）。本格的なレッスンの前に、高校時代から指導する井上透コーチ（４３＝写真）が、成田のスイングを徹底分析します。今回はドライバー解説編?で、アドレスからテークバック。基本に忠実な成田の動きは、８０台を狙うアマチュアにも参考になる点が満載です。

成田の魅力「豪快かつ正確なドライバー」は「構え」から

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成田の大きな魅力は、豪快かつ正確なドライバーだ。昨年のイーグル数は７個でツアー２位。ワールドレディースサロンパス杯で計測した平均飛距離は２５６・３ヤードで７位だった。豪快でコントロールされた球を打てる源は、どこにあるのか。井上コーチが、まず指摘したのは、教科書のような基本に忠実な「構え」だった。

　井上　ターゲットに対して、つま先、膝、腰、肘、肩と、すべてスクエアに構えている。つまり、飛球線のラインと、体のラインがすべて平行。これは、目標へ正確に飛ばす大前提になります。手の位置は、左太もものやや内側。アマチュアは、手の位置が太ももの外側だったり、内側に入り過ぎたりするので、美寿々の手の位置を頭にたたきこんで下さい。そして、ドライバーはアッパーブローに打っていく必要があるので、球の位置は左かかと線上です。

　──スイング始動部分のテークバックで良いところはどこでしょうか

　井上　これも基本的なことですが、クラブヘッドが構えた位置から飛球線後方へ真っすぐ上がってます。この部分は、体と腕が一体化したスイングをするためにも非常に重要なポイントです。アマチュアの方も、飛球線後方へ「３０センチ真っすぐ上げる」意識を持ってください。

　──ヘッドを３０センチ真っすぐ上げるために、心掛けることはありますか

　井上　アドレスの時に、手の位置と両肩でできた三角形を崩さずに、テークバックすることですね。手首の操作もしないでください。美寿々の良さは、足の固定感が強くて、手と肩でできた三角形もキープできること。このテークバックができれば、スイング中の胸からグリップエンドまでの距離が安定して、正確なインパクトへと結びつくのです。足の固定感とは、右膝を構えた地点から動かさない意識を持つことで生まれています。逆に足が動き過ぎると、スイングの土台が崩れてしまうので、ミート率は下がってしまいます。

　──なるほど

　井上　次に重要なポイントは、手が腰の位置に来た時のヘッドの位置です。ヘッド１個分ほど、手より高く上がっているのが正解です。美寿々も調子が悪くなると、スイング軌道がインサイドになりすぎて、手の位置よりヘッドが高くならない時があるので、僕も注意しています。

　──成田プロが、実際に気をつけていることは

　成田　まず、毎回ボールを同じ位置で構えられるように、両足をそろえてからスタンスを取るようにしています。１つのルーティンですね。体重配分は右足に５５％、左足に４５％で、やや右足体重です。他の人よりも右に乗せやすいので、乗せすぎないようにしています。スイングの始動では、体が静止しないように、地面に数回触れるように「トントン」とヘッドを上下させてから、上げています。

【取材・構成＝木村有三、撮影・上田博志、協力＝宮崎・フェニックス・シーガイア・リゾート】

日刊スポーツ誌面で毎週火曜日連載中『成田美寿々のAAAスタイル』

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