「勝敗を分けた18番パー5の明暗」上田は最終ホール2打差から一転、プレーオフで敗れる
2017年4月16日(日)午後7:15
「ゴルフは最後まで何が起こるかわからない・・・」そんな言葉をよく聞くことがあるが、国内女子ツアー「KKT杯バンテリンレディスオープン」最終日は劇的な幕切れとなった。
予選2日間で首位をキープしていた上田桃子は通算5アンダー、同じ最終組で2位の西山ゆかりに2打差をつけて最終18番ホール(パー5)を迎えた。
3日間のホールアベレージが4.7839(-0.2161)で難易度は18位とバーディ必至のパー5。
先に西山がレイアップすると、残り約180ヤードから上田もレイアップを選択。予選では2日連続でバーディを奪っていた上田だったが、距離の長い下りのバーディパットをショート。対する西山はバーディパットを決め、この時点で上田のリードは1打に。決めれば優勝のパーパットだったが約1mを決めきれずボギー。勝負の行方はプレーオフへ。
18番ホールで行われたプレーオフ。ティーショットを先に打った上田のボールはフェアウェイ左サイドへ。西山のティーショットもほぼ同じ左サイドのわずかに上田の先へ。
勝負の第2打、54ホール目の最終18番ホールとは異なる打順。先に打つ上田は2オン狙いを選択。迷いなく振り切ったショットは一度池を越えたが、無念にもグリーン手前の池へとこぼれ落ちた。
上田が池に入れるのを見た西山は、レイアップを選択し確実に3打目でパーオンするも、下りの難しいスライスラインとなったバーディパットは入らず。
優勝への望みをつなぐ上田のパーパットはカップをかすめ、パーセーブならずボギー。西山がパーパットを決めて勝負あり。
ホールアウト後には涙を必死にこらえながらインタビューに応じる上田の姿があった。
「この大会で頑張りたいと思って、準備はできていた。悔しい気持ちはたくさんあるけど、この1年間を振り返ったら、熊本の人たちの方が辛かったと思う。そんな熊本の方々から『頑張れ』って声援をもらえたことはプロゴルファーとして幸せでした。悔しい気持ちは必ずエネルギーになると思うので、前を向いて頑張りたい」
優勝は叶わなかったが、この3日間『優勝』することだけを目指して戦った上田のプレーとその気持ちは地元熊本のギャラリーへ勇気と感動を与えたであろう。そして、今日の悔しさをバネに上田が優勝という形で熊本へ笑顔を届ける日がきっと来るはず。
【最終日成績】
優勝 西山ゆかり(-4)
2位 上田桃子(-4)
3位 成田美寿々(-3)
3位 申ジエ(-3)
5位 岩橋里衣(-2)
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