「17番浮島グリーンの罠」タイガーvsガルシア一騎打ちの結末は2度の池ポチャ
2017年5月3日(水)午後7:32
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第5のメジャーと呼ばれる「ザ・プレーヤーズチャンピオンシップ」だがPGAツアーのフラグシップトーナメント、つまりは最も権威のある大会である。開催コースはPGAツアーの総本山があるフロリダ州の「TPCソーグラス」。賞金総額は1,050万ドル、優勝賞金189万ドルとメジャーを上回るPGAツアー最高額。さらに優勝者にはメジャーと同じ600ポイントのフェデックスカップポイント付与される。メジャーと異なりアマチュアの出場枠がないため、144名のフィールドは非常に厚い。
昨年は松山英樹が首位のジェイソン・デイと4打差の2位で最終日最終組でプレーしたが、惜しくも優勝ならず。当時世界ランキング1位のデイが初日からトップの座を明け渡すことなく完全優勝を成し遂げた。
過去10年を振り返ってもタイガー・ウッズ、フィル・ミケルソン、セルヒオ・ガルシア、ヘンリク・ステンソンらメジャーチャンピンオンやビッグネームが歴代優勝者に名を連ねる。
【過去10年の優勝者】
2016年 ジェイソン・デイ(?15)
2015年 リッキー・ファウラー(?12)
2014年 マルティン・カイマー(?13)
2013年 タイガー・ウッズ (?13)
2012年 マット・クーチャー (?13)
2011年 崔京周(?13)
2010年 ティム・クラーク(?16)
2009年 ヘンリク・ステンソン(?12)
2008年 セルヒオ・ガルシア(?5)
2007年 フィル・ミケルソン(-11)
「ザ・プレーヤーズチャンピオンシップ」と言えば17番パー3の浮島グリーンを思い出す人も多いだろう。グリーン一面を池が取り囲むパー3でTPCソーグラスのシグネチャーホールとなっている。距離は決して長くはないが毎年ドラマが起きているが、2013年大会はそれを象徴する戦いとなった。
2013年の主役はタイガー・ウッズとセルヒオ・ガルシアの2人だった。
2008年の全米オープン以来、メジャー優勝から遠ざかっていたタイガー・ウッズだったが、この年(2013年)の1月に「ファーマーズインシュランスオープン」でシーズン初勝利を飾ると「WGC CAチャンピオンシップ」、「アーノルドパーマー招待」と5月の「ザ・プレーヤーズチャンピオンシップ」までに出場わずか6試合で3勝と無類の強さを発揮していた。
大会2日目、ガルシアが「65」をマークして単独首位に立つと、タイガーも2日連続の「67」で1打差の2位に浮上。3日目同組となったガルシアとタイガーに事件が起きる。
問題となったのは2番パー5。ガルシアがセカンドを打つ瞬間、林の中にいたタイガーの周囲のギャラリーから大歓声が巻き起こった。その影響でガルシアはショットを大きく曲げ、チャンスホールのパー5でボギーを叩く。
大歓声の理由はタイガーのクラブ選択だった。左の林に曲げたタイガーだったが、そこからレイアップではなくグリーンを狙うマネジメントでフェアウェイウッドを手にしたため、ギャラリーが歓声を上げたといもの。その日のラウンド後にガルシアは「もう少しプレーに配慮して欲しかった」と怒りを露わにした。
第3ラウンド終了時点でタイガーとガルシア、デビッド・リングマースが通算11アンダーで並び最終ラウンドを迎えた。前日の事件でタイガーとガルシアに注目が集まる中、厳しいコースセッティングで上位陣のスコアは伸び悩む展開に。優勝争いは終盤まで縺れ込む接戦となった。
16番でバーディを奪って首位のタイガーに並んだガルシアだったが、17番パー3のティーショットがまさかの2球連続で池ポチャ。このホールをトリプルボギーの「7」としたガルシアは優勝争いから脱落。続く最終18番のティーショットも池に打ち込んでダブルボギー。上がり2ホールでTPCソーグラスの池の罠につかまり6つもスコアを落とすことになった。一方のタイガーは17番、18番を確実にパーセーブで乗り切り、大接戦を制してツアー通算78勝目を飾った。
試合終了後には「17番ホールは少し距離が足りなかった」を悔やんだガルシア。2008年に同大会で優勝した時には17番で行われたプレーオフで相手が池に入れたことで優勝を手にしたが、この年(2013年)はその逆の展開となった。優勝に大きく影響する終盤の池。今年はどんな戦いが待ってるのか。
あれから10年、今年はマスターズで悲願のメジャー初制覇を達成したガルシア。今年の「ザ・プレーヤーズチャンピオンシップ」の優勝候補の1人となるだろう。
(写真:Getty Images)
ザ・プレーヤーズ チャンピオンシップ 激闘の歴史
5月は「ザ・プレーヤーズ チャンピオンシップ」を大特集。開幕前には過去5年間のオフィシャルフィルムを一挙放送!過去の激闘を60分のドキュメンタリーで振り返るハイライト番組。この番組を見れば「ザ・プレーヤーズチャンピオンシップ」の全てがわかる。
2013年大会 5/3(水)24:00?25:00
2014年大会 5/4(木)24:00?25:00
2015年大会 5/5(金)24:00?25:00
2016年大会 5/6(土)24:00?25:00