バンカーで「ドスン」はいりません!堀川未来夢のバンカーショットレッスン
2017年5月19日(金)午後0:53
バンカーショットが大の苦手という人のスイングを見ていていつも思うのは、「バンカーから脱出するためにはパワーが必要」だと思っている人がけっこういることです。おそらく、「ヘッドを砂に潜らせて、ボールの下の砂を爆発させる」という教えから、「爆発させるためには、それなりの力を入れなければならないと考えてしまうのでしょう。
しかし、実際は、バンカーショットで力はいりません。考えてみてください。皆さんが手にしているクラブのヘッドは“鉄"です。そして、その鉄が相手にするのは、“砂"。どちらが強いかは明らかで、極端な話、ヘッドを重力に従って落としただけでも、ヘッドはボールの下まで到達し、砂を爆発させてくれるものなのです。つまり、多くの人がイメージしている、“砂にドスン"という動きはいらないのです。
では、どういう風にやれば上手く脱出できるのか?実を言うと、バンカーショットだからといって特別なことをやることはないのです。スイング的には、皆さんがいつもやっているアプローチショットと同じ。それも、ランニングアプローチと同じ打ち方でいいのです。
ただひとつ変えなければいけないのは、ランニングアプローチの時のようにボールをクリーンに打つのではなく、少しダフらせること。ボールの手前5センチぐらいのところにヘッドを入れるだけで、あとはランニングのイメージでクラブを振り抜いていけばいいのです(写真1〜2)。
写真1
写真2
体を開く必要もなければ、フェースを開く必要もなし。普通に構えてダフらせるだけです。プロがバンカーを苦にしないのは、こういうシンプルな打ち方で脱出できることを知っているから。むしろ、芝の状態や長さによってヘッドの抜け具合が変わる通常のアプローチよりも、バンカーのほうが、距離感が合いやすいといっても言い過ぎではないくらいです。
また、この打ち方ならば、それなりに飛距離も出せるし、SWからAW、AWからPWと、クラブを持ち替えることによってさらに遠くへ飛ばすこともできます。まずはこれがバンカーショットの基本だと思ってしっかりマスターしてください。「ランを少し押さえたい」などの応用編は、次回じっくりご説明します。
【プロフィール】
堀川未来夢(ほりかわ・みくむ)
1992年12月16日、神奈川生まれ。日大ゴルフ部出身。大学4年時のQTで13位に入り、'15年からツアー参戦。'15年は賞金ランク41位でシード権を獲得。'16年はシード落ちするも、QT14位で'17年のツアー出場権を獲得した。今季は、2試合目の「パナソニックオープン」で3位タイに入るなど滑り出しは上々。
(この記事は、夕刊フジ 2017/5/11発売号より転載しています)