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ギア

ラウンド前に見直したい、グリップ選びの基本

2015年4月8日(水)午前0:57

ゴルフシーズンの到来にともない、一度見なおしておきたいのがクラブのグリップです。
冬場の寒さで硬化していたりすると、劣化が早くなる場合があります。

よく言われることですが、グリップは身体とクラブの唯一の接点。グリップの選び方や入れ方で、同じクラブでも振った感じが変わることもあり、ヘッドやシャフトと同様に重要なのです。今回は、グリップの歴史をおさらいしながら、その重要性と選び方のポイントを紹介します。

クラシックな雰囲気を持つ革のグリップ

現在、主流となっているゴム素材のグリップが出来たのは、今から約70年前の1947年。
それまでは、革巻きのグリップが主流でした。

古くは、ヒッコリー(樹木の一種)のシャフトに布のテープを巻いてグリップとしていましたが、近代に入っては、テニスなどに使うテープをコールタールピッチ(コールタールを蒸留した粘結剤)で固めて下地にし、その上から革素材を巻いてグリップとしていました。

クラブの一本一本に革を巻きつけて固定するなかなか骨が折れる作業。革素材も均一でなく、伸ばして厚みを均していました。バックラインは、中に竹ひごを入れて作っていたといいます。

脱着しやすいラバーグリップの誕生

すでに紹介したゴム素材のグリップを最初に開発したのがアメリカのトーマス・フェイウィックという人物です。
フェイウィックは、1953年に現在のような両面テープと溶剤でシャフトに差し込んでグリップを固定する方法を発明しました。これはを「スリップオン」タイプといい、現在のグリップの主流でもあります。

最近では、革製グリップでもこの「スリップオン」タイプで、簡単に着脱できるものがあります。今年、ホンダクラシックで7年ぶりの復活優勝を果たしたパトレイグ・ハリントンもそうした革グリップの使用者です。

この「スリップオン」タイプ開発の前は、シャフトをゴムの入った型にいれて、焼き付けて固定するという大がかりで手間のかかる方法を採用していました。現在は、特殊な工具はほとんど必要なく、ビギナーでもグリップ交換が出来ます。

グリップ選びのポイント

2000年代からは、発色が良く、スイング中のねじれを抑制しやすいエラストマー素材のグリップが登場し、女子プロを中心にプロも多く使うようになりました。重量の誤差が少ない特徴もありますが、ラバー素材に比べると、値段はやや高めになります。

グリップ選びのポイントは主に次の4つです。

  1. グリップの太さ
  2. バックラインの有無
  3. コードの有無
  4. グリップの硬さ

1.のグリップの太さは、スイング中にグリップが緩まないようにするためにも重要です。グリップが太めだと方向性がよく、細くするとヘッドが返りやすく飛ばしに有利と言われていますが、まずは自分の手の大きさに合うようにグリップの太さを選びます。下巻きテープの量で調節するのもポピュラーな方法です。

2.のバックラインとは、グリップの裏側の盛り上がった部分のことで、バックラインがあるグリップと無いグリップがあります。バックラインが指にかかるとグリップが手の中で安定しやすくおすすめです。一方、フェースを開いたり閉じたりして構える上級者は、バックライン無しを好む人も多く、タイガー・ウッズもバックライン無しを使っています。

3.のコードとは、グリップ内に入れられたコード材(糸など)のこと。しっかりと握ることが出来、コードが指に引っかかるので滑り止めの効果も果たします。コードグリップの特徴はやや硬くなること。コード無しのほうが素材が柔らかく、密着感があります。

スイングにもっとも影響しそうなのが、4.のグリップの硬さです。
現在、様々な種類のグリップがでていますが、それぞれ硬さの違いがあり、また下巻きテープの巻き方などによっても感じる硬さが変わってきます。コードグリップのほうが硬めになります。
ゴルファーは、握った瞬間にグリップの硬さを感じ取っています。 そしてその感触で知らず知らずのうちに、グリップの力感を変えているものなのです。

硬いグリップだと、しっかりと握ることができグリップを固定しやすくなります。
一方、軟らかいグリップでは、握った時にグリップの圧力は弱くなり、肩の力が抜けやすくなります。

プロには硬めのグリップでしっかりと握りたい選手も多いですが、アマチュアゴルファーの場合、軟らかめのほうがスイングに良い影響がありそうです。

グリップの交換時期

プロゴルファーは、シーズン中でも頻繁にグリップを変える選手が多く、新しいグリップの感触を大事にしているプロが多いようです。

アマチュアでも、冬が明けた今の時期に、グリップの劣化度合いをチェックして、硬くなったりグリップ力が弱くなっている場合は、交換したほうがよいでしょう。買ってそのままにせず、2?3年に一度は交換したいものです。

新しいグリップでプレーすると、新しいクラブのようにさわやかな気持ちになれます。
またそこまでクラブを大切にすることで、一段と愛着も湧いてきそう。

グリップは、ゴルフショップであれば交換してくれるところが大半です。
次のラウンドの前に、一度マイクラブを見なおしてみましょう。

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