アマチュアゴルファー必見!湯原信光プロのゴルフデータ活用術とは?
2014年10月9日(木)午後7:21
アマチュア時代から数々のタイトルを獲得。プロ入り後は、ツアー屈指のショットメーカーとして活躍した湯原信光プロ。現役時代から詳細なプレーのデータを記録していたという湯原プロに、アマチュアでも出来るデータの活用術を伺いました。
プロにとってのデータの持つ意味とは?
ゴルフネットワーク(以下GN):PGAツアーでもJGTOでも、プロの世界では詳細なプレーのデータを記録しています。プロにとって、こうしたデータにはどんな意味がありますか?
湯原信光プロ(以下 湯原):私自身は、アマチュア時代から詳細にラウンドデータをつけていて、膨大な蓄積があります。いつ、どのゴルフ場のの何番ホールのグリーンで、何メートルのパッティングが残り、カップインしたということまで記録しています。それをみると、例えば、6メートルのスライスラインを50cm左に外したといったところまでわかります。
現在、私は東京国際大学で学生に指導していますが、学生たちにもそこまでではないにせよ、データを記録することを教えています。それによって、自分のプレーの傾向がわかるのです。そこがデータを取る重要な意味になりますね。
GN:自分のプレーを客観的に把握できるということですか?
湯原:人間は思い込みが激しいのです。下りのパッティングが難しいと思っていても、実際には上りよりも下りのパットのほうが成績がいいということもあります。自分の認識と事実をすりあわせする上で、データは重要ですね。
GN:湯原プロは、長年、ツアーでパーオン率上位に名を連ねた、ショットメーカーとして知られています。ご自身では、パーオン率の数字へのこだわりはありましたか?
湯原:全くなかったですね。数字を意識してプレーすることはありません。
GN:パーオン率の高さは湯原プロの安定したスイングによる賜物と言えそうですね。
湯原:それだけではないのです。ゴルフ場ではさまざまな状況があります。風向きやライの状況、気候の変化などです。また自分自身の体調や心理面の変化もあります。こうした情報察知能力が重要なのです。
地面が硬い場合は、ヘッドが跳ね返されることによって、ボールの回転が変わります。池のあるホールでは、水面の温度変化によって、ボールの飛び方が変わることもあります。それらを察知して対応できる能力がないと、常にピンハイにボールを打つことは出来ないのです。パーオン率の数字の高さは、結果としてそうした情報判断やトータルのショットの能力の高さだったと感じています。
GN:それはアマチュアではちょっと想像もつかない、難しい世界ですね。
湯原:そういう領域があって、それを知ろうとすることが大事ですね。結果的に脳が活性化され、判断力も磨かれていきます。
アマチュアゴルファーにとってのゴルフデータとは?
GN:アマチュアがデータを取る意味はどんなところにあるでしょうか?
湯原:一番重要なのは、自分のプレーを客観的に把握することです。自分のプレーの傾向から、自分が何が出来るのか? 何が出来ないのかを知り、適切な課題や目標設定が出来ます。スタッツの数字が向上するのが、自分のゴルフの励みになるといいですね。
GN:では、平均パット数を少なくしようとか、パーオン率をあげようという目標を持つのもいいことですね。
湯原:それがモチベーションになるならいいですね。ゴルフというゲームを楽しむ方法として、データを取って把握するのは良い方法だと思います。やはり、いかにゴルフを楽しめるかが大切ですね。私自身もデータを取るきっかけは、ゴルフをより楽しむためという側面が大きかったのです。
GN:たしかに、数字が良くなれば、上達を実感できそうです。
湯原:ただ、注意したいのは、数字は相対的なものだということ。グリーンの速さが12フィートを超えるツアーの高速グリーンでのパット数と、一般的なゴルフ場でのパット数の比較に意味はありません。プロの世界では、10アンダー、20アンダーと伸ばさないと戦えない試合もあれば、全米オープンのように、ハードなコースコンディションで、イーブンパーであれば上位争いできる試合もあります。
項目ひとつひとつの数字を目標にしてしまうと、数字合わせになってしまいます。それは本質的とはいえません。ゴルフの内容をいかに良くするかが重要です。
GN:ゴルフデータは、自分の傾向を把握するために活用。数字を良くすることを目標にして励みになるのも有効だけど、数字を追い過ぎてはダメなんですね。
湯原:そうです。スタッツを把握することなどから、自分のプレーの傾向を掴んでその後のプレーに活かすこと。そして、自分なりのプレースタイルを確立することが重要です。数字を良くするよりも、そのほうが重要ですね。ゴルフデータはそのために活用するといいでしょう。
まとめ
ゴルフ歴50年になるという湯原プロ。
ゴルフデータの取扱いもトッププロならではの深い裏づけがあるんですね。
アマチュアゴルファーへの湯原プロからのアドバイスは、次の3つです。
?ゴルフデータで自分の客観的な実力を知ろう
?データをもとに目標設定するのは有効。プレーの励みになる
?数字を追いすぎるのは禁物。自分のプレースタイルを確立しよう
自分の傾向を把握するための“ゴルフデータ"
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さて、そんな湯原プロも出場するシニアのメジャー大会「第53回日本プロゴルフシニア選手権大会 住友商事・サミットカップ」が今週開催されます。ゴルフネットワークではとことん1番ホール生中継を放送します。ぜひご覧ください。
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