全米OPから学ぶスコアメイク術「大叩きが止まらなくなった時の対処法とは」
2013年5月26日(日)午前10:00
フェスキュー芝のリンクコース、激しい高低差、グリーンの傾斜、ポアナ芝のグリーンなど開催コースと変則的なコースセッティングが話題となった今年の全米オープン。カットラインは4オーバーで日本勢では松山英樹選手を除く4名が予選敗退。多くの選手が苦しめられた中、ジョーダン・スピースは四日間で安定したプレーを見せ、通算5アンダーでマスターズに続いてメジャー二連勝を果たしました。
大会初日のタイガー・ウッズは「80」と大叩きするなど、世界のトッププロたちが相次いでボギーやダブルボギーを叩く光景をよく目にしました。
厳しいコースセッティングに対して、プロはどのようにスコアメイクをしていたのでしょうか?
全米オープンの戦いからそのポイントを探ってみましょう。
ゴルフはメンタル?「最後まで諦めない」「崩れそうな時に踏ん張る」
【初日に77と大叩きして出遅れるも2位タイとなったL.ウーストハイゼン(写真提供:Getty Images)】
ルイ・ウーストハイゼン「難しいコースでは諦めたら終わり」
初日に77と大叩きしたハイゼンでしたが、2日目以降は66、66、67と毎日好スコアをマークして、通算4アンダーの2位タイと初日のスコアを見事に挽回しました。そのハイゼンは3日目終了後に「このコースは独特で、ピッチングなどで転がして寄せる作戦が上手くいく。こういった難しいコースでは諦めたら終わり。」とメンタル面の重要性を口にしていました。
【四日間安定したプレーで大崩れすることのなかったJ.スピース(写真提供:Getty Images)】
ジョーダン・スピース「崩れてしまいそうな時にどうにか踏ん張って戦い抜く」
優勝したスピースは優勝インタビューで「今回のグリーンは硬くて早く表面が凸凹で、ボールがきれいに転がらないから60cmのパッティングでも難しくなる。インに入ってからはタップインの距離でも特に注意して打つよう心掛けた。今週はショットがベストでは無かったけど、崩れてしまいそうな時にどうにか踏ん張って戦い抜く精神面の強さで勝つことができた。」と勝利の要因を語っていました。
どんな状況であっても最後まで諦めずにプレーすること。大崩れしそうな時に踏ん張る。短いパットでも集中する。
OBを打ったり、大叩きするとついキレてしまう・・・アマチュアゴルファーにとっても参考になるコメントです。
ボギーを打たないゴルフ
【ジョーダン・スピース 全米オープン成績】
優勝したスピースのラウンド別スコアを見ると、二日目 には66をマークしていますが、他の上位陣と比較しても一日のビッグスコアはなくても、大崩れすることなく4日間戦ったことがわかります。
【ジョーダン・スピース ラウンド別スコア】
※( )内はラウンド別の順位
1日目:68(7位)
2日目:66(3位)
3日目:71(16位)
最終日:69(15位)
(写真提供:Getty Images)
松山英樹「コツコツとパーを重ねてボギーを打たないゴルフを」
18位タイで終えた松山選手は予選ラウンド終了後のインタビューで「ビッグスコアを狙うと痛い目にあう。一つでもコツコツとパー、バーディを重ねてボギーを打たないゴルフをしていきたい。」と無理をせずにボギーを打たないことの重要性を話していました。
優勝したスピースと比較をしても、パーキープ率(パーかそれより良いスコアを獲得する率)はスピースが71.84%に対して、松山は71.83%と、ボギー以上の数はわずかに1ホール差でした。※ボギー以上の数:スピース11ホール、松山12ホール
また、パーオン率はスピース76.39%(5位)、松山75%(10位)と二人とも上位に位置しています。タフなコースセッティングの中、70%を越えるパーオン率がボギーを打たないゴルフに繋がっているとも言えます。
【ジョーダン・スピースと松山英樹のスタッツ比較】
※数字は4日間トータル
ジョーダン・スピース
フェアウェイキープ率:63%
パーオン率:76%
総パット数:126
バーディ数:18
パーキープ率:71.84%(ボギー以上の数:11)
松山英樹
フェアウェイキープ率:82%
パーオン率:75%
平均パット数:1.85
総パット数:133
バーディ数:13
パーキープ率:71.83%(ボギー以上の数:12)
【松山英樹 全米オープン成績】
ゴルフネットワークの中継で解説を務めた内藤雄士氏も「松山選手がすごいのはずるずるいかないところです。どんな状況でもスコアをまとめてくるのがワールドランキングトップ20に定着してる結果だと思います。」と松山選手のスコアメイクを評価。
優勝したスピースとの差と言えば、バーディ数が5個、パット数が7ストローク差とパッティングさえ決まっていればメジャーチャンピオンの可能性があったかもしれません。
悪いスコアが続くとき、どう持ち直すか?
プロほど難しい状況ではなくとも、ボロボロと大叩きをしてしまうことは我々アマチュアゴルファーにも起こります。スコアを崩してしまい、悪い流れが止まらない時は、どう持ち直せばいいのでしょうか?
「3ホール区切りでスコアをつける」
今回の全米オープンにも出場した薗田峻輔プロのコーチ、石井忍プロは次のようなアドバイスを。
「悪い流れを断ち切るには、一度リセットする感覚を出したいですね。スコアが崩れかけたら、意識的に心に線を引き、リセットします。そこまでのスコアを忘れて、次のホールから新たに目標を立ててプレーします。」
「大叩きの予防策として、最初から3ホール区切りでスコアをつけてみるのもおすすめです。その3ホールがダメでも、『次の3ホールはまた新たに頑張ろう』と思う事で、心にリセット感を得られます」
技術的なことというよりも、精神的な割り切りが求められるようです。全米オープンを見ても上位選手は連続ボギーが少ない傾向にあります。
「スタート前に各ホールの目標スコアを立てる」
「流れが良くなく、悪いスコアが続く負のスパイラルに陥らないためのコツは、スタートからホールバイホールで目標を立てておくとよいでしょう。例えば、スタートの1番はボギーでOK。距離の短いパー5の2番はパーを取りたい、というように、はっきりと目標を事前に立てておくことをオススメします。」と話すのは東京・千葉でレッスン活動を行い、自身もツアープレーヤーとして活躍している今野一哉プロ。
「アマチュアの方は、初めてのコースでプレーすることも多いはず。その時は、スコアカードを見て、ホールごとのハンディキャップやコースレートを参考にして、おおまかにプランを考えるといいでしょう。スコアが悪いホールがあっても『次のホールで取り返そう』とか、『大事にいこう』などと考えずに、常に1ホール1ホールの単位で目標スコアに向かってプレーして、一喜一憂しないことです。」
無料スコア管理アプリ「ゴルフネットワークプラス」では自分のラウンド結果をスコアカードで見ることが出来ます。過去のラウンドを好きな時に自由に見ることができますので、良かったラウンドと悪かったラウンドのホールバイホールを見ながら、「良いスコアのホールの後に大叩きがある」、「1ホール叩くと悪いスコアが続いてしまう」など18ホールの流れを自分なりに分析して、対策を考えてみるのもスコアメイクに繋がるかもしれません。
【GOLF NETWORK PLUS スコアカード】
ツアープロもコースメモを見ながら、事前に綿密なコースプランを考えているとのこと。心のマネージメントを上手く行って、大叩きの連鎖に陥らないようにしたいものですね。
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