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矢野東が注目した松山英樹の修正能力「ビッグスコアを生んだ“入れごろ・外しごろ”のパーパット」
2017年8月12日(土)午後0:12
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「全米プロゴルフ選手権」2日目、松山英樹が7バーディ、ノーボギーで「64」のビッグスコアで通算8アンダーまでスコアを伸ばし暫定首位に浮上した。難コース「クエイルホロークラブ」を相手に完璧なゴルフを見せた松山。
ゴルフネットワークで解説を務めた佐藤信人プロとゲスト解説の矢野東プロの2人も「松山選手のプレーを見ているとコースが簡単に感じてしまう」とコメント。終盤のバーディラッシュで見せたスーパーショットの数々には笑うしかなかった。 8時間もの長時間にわたってゲスト解説として放送席に座った矢野プロ。中継終了後に2日目の総括と決勝ラウンドの展望を聞いた。
[関連]松山英樹メジャー制覇へ!眠れない夜は続く・・・3日目は12(土)午後11時から生中継!
【矢野東が振り返る全米プロ2日目】
「クエイルホロークラブ」の難しさはグリーンが硬くて速いことに加えて、“バミューダ芝”であることです。グリーン上の芝目がきつくて、さらに順目と逆目が入り組んでいるため非常にラインが読みづらい。キスナーは7番パー5でグリーン手前約15mからパターで転がしてイーグルを奪いましたが、「バミューダ芝を得意としているな」と感じました。
2日目にノーボギーで「64」を出した松山選手のプレーは圧巻でした。出だしの1番と2番はどちらもパーオンはしなかったですが、アプローチで上手く寄せてパーセーブで切り抜けたのが良かったですね。
ショットも良かったですが、出だしのパーセーブのようにパッティングが素晴らしかったですね。バミューダ芝のグリーンで芽がきついので、ショートパットのライン読みやタッチが難しい。良いパットをしても入らないが、2日目の松山選手は2m前後の入りそうで入らない嫌な距離、いわゆる“入れごろ・外しごろ”のパットを全て決めていました。
ホールアウト後に松山選手も「決して簡単なコースではない。グリーンが速いので、スコアを伸ばさないといけないのか、しっかり耐えるべきなのか状況に応じてベストを尽くしたい」と話していましたが、嫌な距離のパーパットを外していたらビッグスコアにはなっていなかったでしょう。
“入れごろ・外しごろ”のパットをしっかりと決めて、ボギーにしないでパーで流れを作ることがゴルフにとって非常に重要なことです。1番と2番で初日に外していた2mくらいの微妙な距離のパーパットを決めたことで良い流れが生まれたと思いますし、我々の想像を超える18ホールを通して隙のない”王道のゴルフ”でした。
ピンから先が下っている難しいアプローチでしたが、松山選手はカップをオーバーさせて、約8mの返しのパーパットを決めました。無理にパーを狙って寄せにいくとダブルボギーもある状況で、最大のミス(リスク)を防ぐマネジメントを見て優勝争いの中でも非常にゆとりのあるゴルフをしている印象を受けました。
さすがは世界ランキング3位、“王者の風格”を感じました。ボギー、ダブルボギーの可能性もあった中で、パーを拾えたことはバーディよりも嬉しいことです。
[動画] 「ヒデキチャージ」へのターニングポイント・松山英樹9番8mのパーセービングパット
上位陣で注目するのはジェイソン・デイとルイ・ウーストハイゼンのメジャーチャンピオン2人です。今季はそれほど好成績を残していないですが、潜在能力は松山選手と変わりません。条件が整えばビッグスコアを出せる選手で、上位にいる時は必ず優勝争いに絡んできます。
松山選手のメジャー制覇の前に立ちはだかる脅威となりますが、「メジャーチャンピオンを抑えて成し遂げた初のメジャー制覇」を見てみたいです。
(解説:矢野東プロ)
■収録後記■
8時間の中継を終えて、お疲れのところを快くインタビューに応じてくれた矢野プロ。全英オープンに続いて2回目のゲスト解説となりましtが、「前回より喋りやすかったです。松山くんが素晴らしいプレーをしていたし、解説をしていて楽しかったです。ちょっと喋り過ぎちゃいましたかね?(汗)」と遠慮しながらも解説に慣れてきた様子。それでも、「さすがに8時間は疲れましたね。こんな朝まで起きていることはないので。帰ったらすぐに寝ます・・・」とスタジオを後にしました。
ゴルフネットワークで解説を務めた佐藤信人プロとゲスト解説の矢野東プロの2人も「松山選手のプレーを見ているとコースが簡単に感じてしまう」とコメント。終盤のバーディラッシュで見せたスーパーショットの数々には笑うしかなかった。 8時間もの長時間にわたってゲスト解説として放送席に座った矢野プロ。中継終了後に2日目の総括と決勝ラウンドの展望を聞いた。
[関連]松山英樹メジャー制覇へ!眠れない夜は続く・・・3日目は12(土)午後11時から生中継!
【矢野東が振り返る全米プロ2日目】
【2日目ゲスト解説の矢野東プロ】
「芝目が入り組んだバミューダ芝のグリーンはショートパットが難しい」
初日はウェットなコンディションでランが出ないためロングヒッターが有利でしたが、2日目はケビン・キスナーのようにグリーン上で力を発揮した選手が上位に。「クエイルホロークラブ」の難しさはグリーンが硬くて速いことに加えて、“バミューダ芝”であることです。グリーン上の芝目がきつくて、さらに順目と逆目が入り組んでいるため非常にラインが読みづらい。キスナーは7番パー5でグリーン手前約15mからパターで転がしてイーグルを奪いましたが、「バミューダ芝を得意としているな」と感じました。
2日目にノーボギーで「64」を出した松山選手のプレーは圧巻でした。出だしの1番と2番はどちらもパーオンはしなかったですが、アプローチで上手く寄せてパーセーブで切り抜けたのが良かったですね。
ショットも良かったですが、出だしのパーセーブのようにパッティングが素晴らしかったですね。バミューダ芝のグリーンで芽がきついので、ショートパットのライン読みやタッチが難しい。良いパットをしても入らないが、2日目の松山選手は2m前後の入りそうで入らない嫌な距離、いわゆる“入れごろ・外しごろ”のパットを全て決めていました。
「メジャーで見せた高い修正能力と隙のない王道のゴルフ」
初日は3連続ボギーなどパットが入らないシーンを見ましたが、わずか1日で、しかもメジャーという大舞台でここまで変わる修正能力がすごい。ホールアウト後に松山選手も「決して簡単なコースではない。グリーンが速いので、スコアを伸ばさないといけないのか、しっかり耐えるべきなのか状況に応じてベストを尽くしたい」と話していましたが、嫌な距離のパーパットを外していたらビッグスコアにはなっていなかったでしょう。
“入れごろ・外しごろ”のパットをしっかりと決めて、ボギーにしないでパーで流れを作ることがゴルフにとって非常に重要なことです。1番と2番で初日に外していた2mくらいの微妙な距離のパーパットを決めたことで良い流れが生まれたと思いますし、我々の想像を超える18ホールを通して隙のない”王道のゴルフ”でした。
【松山英樹2日目ホールバイホール】
「王者の風格を感じた9番のアプローチショットの判断」
さらにビッグスコアのきっかけとなったのは9番のパーセーブ。バーディに繋がるスーパーショットも数多くありましたが、9番パー4の3打目(アプローチショット)は今日のショット・オブ・ザ・デイです。ピンから先が下っている難しいアプローチでしたが、松山選手はカップをオーバーさせて、約8mの返しのパーパットを決めました。無理にパーを狙って寄せにいくとダブルボギーもある状況で、最大のミス(リスク)を防ぐマネジメントを見て優勝争いの中でも非常にゆとりのあるゴルフをしている印象を受けました。
さすがは世界ランキング3位、“王者の風格”を感じました。ボギー、ダブルボギーの可能性もあった中で、パーを拾えたことはバーディよりも嬉しいことです。
[動画] 「ヒデキチャージ」へのターニングポイント・松山英樹9番8mのパーセービングパット
「決勝ラウンドの展望〜松山vsメジャーチャンピオン〜」
一部選手のプレーが残っていますが、恐らく松山選手は最終組に。2日目に雨が降って、グリーンがウェットになっているので明日の3日目はスタートが遅い時間の方がグリーンは荒れていることが予想されますが、グリーンコンディションに関係なくスコアを伸ばしていく必要があります。優勝スコアはずばり松山選手のスコアになるでしょう。上位陣で注目するのはジェイソン・デイとルイ・ウーストハイゼンのメジャーチャンピオン2人です。今季はそれほど好成績を残していないですが、潜在能力は松山選手と変わりません。条件が整えばビッグスコアを出せる選手で、上位にいる時は必ず優勝争いに絡んできます。
松山選手のメジャー制覇の前に立ちはだかる脅威となりますが、「メジャーチャンピオンを抑えて成し遂げた初のメジャー制覇」を見てみたいです。
(解説:矢野東プロ)
8時間の中継を終えて、お疲れのところを快くインタビューに応じてくれた矢野プロ。全英オープンに続いて2回目のゲスト解説となりましtが、「前回より喋りやすかったです。松山くんが素晴らしいプレーをしていたし、解説をしていて楽しかったです。ちょっと喋り過ぎちゃいましたかね?(汗)」と遠慮しながらも解説に慣れてきた様子。それでも、「さすがに8時間は疲れましたね。こんな朝まで起きていることはないので。帰ったらすぐに寝ます・・・」とスタジオを後にしました。
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