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加瀬秀樹「まっすぐ立つことは思った以上に難しい」

2018年10月12日(金)午後2:00

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「ターゲットに向かって真っすぐ立ちましょう」。ほとんどのゴルファーが一度はそんなアドバイスを受けているのではないでしょうか?

 人によっては耳にタコができるくらいいわれている人もいるはずです。

 何故、このアドバイスが昔から重要視されるのか?

 その大きな理由のひとつに真っすぐ立つことが、皆さんが思っている以上に難しいということが挙げられます。

 実際、プロゴルファーという仕事を何十年とやってきた我々シニアプロでさえ、「自らのアドレスの向きが正しいかどうか」で迷うことがあります。レギュラーツアーの選手もまたしかり。それくらいターゲットラインに対して平行に立つことは難しいことなのです。

 では、アドバイス通り、真っすぐ立たないとどうなるのか?

 アマチュアの皆さんは、「左を向いて構えればボールも左に出てしまい、右を向けば右に出るだけ」と考えているのかもしれませんが、実はそんなに単純な問題ではありません。

 たとえば、スタンスも肩のラインも右を向いて構えていたとしましょう。そしてそのまま肩のラインに沿ってクラブを振り上げ、肩のライン通りにクラブを出していけば、ボールは右に出ていくものの大きなミスにはなりません。

 ところが人間というのは、「ターゲットに向かって打ち出したい」という気持ちがあるので、右を向いている場合(右を向こうとして向いたのではなく、知らず知らずのうちに向いてしまった場合)でも、目線の方向(ターゲット方向)にボールを出そうとします。つまり、体は右を向いているのにクラブは真っすぐ振り出そうとするということ。その結果、ダウンスイングで右肩がかぶってきたり(写真①)、インパクトで左足が引けてしまったりするのです。
 
写真①

 左を向いている場合も同じです。体の向きは左なのに真っすぐボールを出そうとするから、インパクト~フォロースルーでアウトサイドに振り出してしまったり(同②)、フェースを開いて閉まったりします。
 
同②

 このことからも分かるように、ターゲットに対して真っすぐ立たないとスイングそのものが狂ってしまうことになるのです。(次号に続く)

加瀬秀樹(かせ・ひでき)
1959年千葉県生まれ。16歳でゴルフを始め、大学卒業後にプロに転向するもなかなか結果が出ず。ツアー初優勝は90年の「日本プロ」で、このとき初シードも獲得。その後はゆっくりしたリズムから放たれる豪快なドライバーショットを武器に活躍した。国内ツアー通算4勝。シニアでも10年に「日本プロシニア」で頂点に立った。

  【関連】ZAKZAK by 夕刊フジ(夕刊フジ 2018/10/4  発売号より転載)

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