海外男子
試合の鍵は「パーを獲るかっこよさ」 プロキャディ杉澤伸章氏の現地リポート
2019年3月10日(日)午後7:00
- この記事のキーワード
米男子ツアーのアーノルド・パーマーインビテーショナル presented by マスターカード(現地時間9日/フロリダ州/ベイヒルクラブ&ロッジ)3日目が終了。松山英樹は体調がすぐれない中、通算3アンダー23位タイにつけ、昨季覇者のローリー・マキロイ(北アイルランド)は6アンダー66を叩き出し単独2位に浮上した。
今年も熱戦が繰り広げられている今大会、ゴルフネットワークの中継で現地レポーターを務めるプロキャディの杉澤伸章氏が最終日の展望を語った。
松山選手は自分に厳しいイメージがありますが、やはり自分の体調に合わして、厳しい中にも許容範囲があるからアンダーパーで回れているんだと思います。今回みたいに体調が悪い時は許容範囲を広げたりしているので、その辺のバランス感覚は素晴らしいと思います。
良いスコアで回るよりは、今の状態を落とさない。ワールドランクを落とさないためにも、この試合は25位以内に絶対に入ろうとしていると思いますし、予選を通過した時点での順位を下回らないようにしようとしていると思います。もちろん上を目指しているとは思いますが、「今の位置を絶対に落とさない」というのもゴルフの考え方として必要だなと今日のプレーを見ていて感じました。自分のボーダーラインをしっかり引きながらやっているところに松山選手のスマートさを感じます。
こういう試合展開は、とにかくフラストレーションが溜まります。スピンをかけて止めようとするとスイング軌道も変わってきたりしますし、それがパッティングのタッチやフィーリングにも伝わってきます。
グリーンはカップ際はリップしてしまいそうなくらい速いので、タッチが弱くなってその分傾斜に負けたり、弱くて外れたりすると、選手心理は「打ててない」と思いがちになり、余計にフラストレーションが溜まると思います。そのあたりを緩和しながら「パーならOK」と前半にリズムを作った人が、後半の13番以降に自分の流れを作れると思います。
ただ、第3ラウンドのスタート時間とは違い2人で回ってワンウェイスタートなので、1時間半ぐらい時間が遅くコースコンディションも明らかに変わってきます。そのイメージのギャップをどこで埋められるか。例えば勝負どころで、アゲインストでピンが手前だったらバーディを獲りに行く、逆にフォローだったらしっかりパーを獲りに行くとか、風とホールロケーションでマネージメントは変えてくる必要があると思うので、前半のメリハリをしっかりつけていくことが大事になります。
アーノルド・パーマー氏がエンターテイメントとしてゴルフを作り上げたと思うので、まさに理想的な高いレベルでの優勝争いになると思います。パーの価値を知る、攻めとか守りではなく、パーを獲るカッコよさというゴルフのエンターテインメント性が出る展開になってほしいです。
今年も熱戦が繰り広げられている今大会、ゴルフネットワークの中継で現地レポーターを務めるプロキャディの杉澤伸章氏が最終日の展望を語った。
体調と相談しながらのプレーにスマートさを感じる─松山英樹
松山選手は体調を崩したことにより、体全体の力感のバランスに苦しんでいると思います。その中で、良い意味で誤魔化しながら、フェアウェイキープ率50%のなか、よくアンダーパーに抑えたなと思います。その抑え方も、OBや池など絶対にやってはいけない事をやらずにラフでも仕方がないというマネージメントだったので、自分の状態とマネージメントで求める部分をアジャストさせていると思いました。松山選手は自分に厳しいイメージがありますが、やはり自分の体調に合わして、厳しい中にも許容範囲があるからアンダーパーで回れているんだと思います。今回みたいに体調が悪い時は許容範囲を広げたりしているので、その辺のバランス感覚は素晴らしいと思います。
良いスコアで回るよりは、今の状態を落とさない。ワールドランクを落とさないためにも、この試合は25位以内に絶対に入ろうとしていると思いますし、予選を通過した時点での順位を下回らないようにしようとしていると思います。もちろん上を目指しているとは思いますが、「今の位置を絶対に落とさない」というのもゴルフの考え方として必要だなと今日のプレーを見ていて感じました。自分のボーダーラインをしっかり引きながらやっているところに松山選手のスマートさを感じます。
「パーを獲ることに徹することができる人」が結果的に上位にくる
この試合では、「出来ることだけをやろう」と考える人が、結果的に終わってみれば上に来ているというパターンの試合展開になっているので、伸ばす、伸ばさないよりかはしっかりパーを獲ることに徹している人が上に来ると思います。こういう試合展開は、とにかくフラストレーションが溜まります。スピンをかけて止めようとするとスイング軌道も変わってきたりしますし、それがパッティングのタッチやフィーリングにも伝わってきます。
グリーンはカップ際はリップしてしまいそうなくらい速いので、タッチが弱くなってその分傾斜に負けたり、弱くて外れたりすると、選手心理は「打ててない」と思いがちになり、余計にフラストレーションが溜まると思います。そのあたりを緩和しながら「パーならOK」と前半にリズムを作った人が、後半の13番以降に自分の流れを作れると思います。
マキロイは連覇なるか
去年勝っていることで自信にはなると思いますが、大逆転で制しているので、逆転されるのではないかという思いも、ゼロではないと思います。なので、前の組の動きを気にするところがあるかもしれませんが、今年のマキロイは調子が良いですし、メキシコの時もダスティン(・ジョンソン)が上回っていただけで明らかな優勝ゲームをしていたので、あの試合は負けたという感覚は無いと自信を持ってプレーすると思います。ただ、第3ラウンドのスタート時間とは違い2人で回ってワンウェイスタートなので、1時間半ぐらい時間が遅くコースコンディションも明らかに変わってきます。そのイメージのギャップをどこで埋められるか。例えば勝負どころで、アゲインストでピンが手前だったらバーディを獲りに行く、逆にフォローだったらしっかりパーを獲りに行くとか、風とホールロケーションでマネージメントは変えてくる必要があると思うので、前半のメリハリをしっかりつけていくことが大事になります。
最終日は混戦になるのが今年のPGAツアー
今年のPGAツアーは流れ的に混戦になっています。なので、今回も混戦になると見ていいでしょう。マキロイが有利ですけど、対抗選手が出てきてそことどう競うかと考えたら、これまでにも色んなドラマを生んだ16番パー5、17番パー3、18番パー4が鍵を握ると思います。アーノルド・パーマー氏がエンターテイメントとしてゴルフを作り上げたと思うので、まさに理想的な高いレベルでの優勝争いになると思います。パーの価値を知る、攻めとか守りではなく、パーを獲るカッコよさというゴルフのエンターテインメント性が出る展開になってほしいです。
関連番組
2018-19 アーノルド・パーマーインビテーショナル presented by マスターカード
3月7日(木)~3月10日(日)