現役時代は強肩捕手として活躍した定詰さん。ゴルフのほうは競技に出るほどだそうで、実際、かなりお上手です。

　いいところをいくつか挙げると、たとえばテークバックは、構えたシャフトプレーンなりの軌道でリズムよく振り上げています。トップの位置で少しヘッドが内側に入る、いわゆるシャフトクロスの傾向がありますが、ダウンスイングで縦にしっかりと下すことができているので全く問題ないといっていいでしょう。

　このシャフトクロスのトップから、ダウンではインサイドからあおらずに、むしろ直線的に振り下ろしている動作は、かのボビー・ジョーンズのスイングにそっくりです。



　また、アイアンショットの切れ味が鋭いのですが、これはダウンからインパクト、フォローにかけて右肩が下がらずに、右肩と右腕でしっかりとフォロースルーの軌道を追いかけているからです。

　さらにリズムとテンポがすべてのショットで変わらないところと、フィニッシュが毎回決まっているところも素晴らしい点。どんな状況のときでも、けじめの良いフィニッシュをやり遂げられると、ミスを最小限に抑えられます。このあたりは一般ゴルファーには真似をしてほしいところです。

　少し気になるのは構えたとき、脇を締める意識が強いのか、左の腕に力が入って突っ張り過ぎ、左ヒジがおなかの方向に向きすぎることです。

　また、トップでは左の手首が自然にいい角度でコックできているので、その際、オープンフェースにならないように左手のグリップの向きを少し調整するといいでしょう。

　さらに付け加えれば、レイトヒッティングで激スピンがかかる切れ味鋭いショットだけでなく、もっとリストコントロールを少なくシャローにボールをフェースに乗せてやさしく押すようなロースピンのショットを覚えることもオススメします。そうすればこれからの競技ゴルフに大いに役立つはずです。（解説：金谷多一郎プロ）

定詰雅彦（じょうづめ・まさひこ）
1966年9月24日、広島生まれ。広陵高、日立造船有明、新日本製鐵広畑を経て1990年オフにドラフト2位でロッテに入団。強肩捕手として活躍。1994、95年は正捕手としてチームを引っ張る。1997年にトレードで阪神へ。試合終盤の守備固めとして活躍した。2000年のシーズン終了後引退。スカウト、コーチを経て、現在、大手スポーツ用品店のスポーツオーソリティに勤務。通算成績は511試合、192安打、14本塁打、88打点、9盗塁、打率.187。

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