海外男子
復活の鍵は「家族の支え」と「15キロのダイエット」今季2勝のキーガン・ブラッドリー
2023年6月29日(木)午前10:19
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米コネチカット州のTPCリバーハイランズで開催されたトラベラーズチャンピオンシップ(6月22日~25日)は、キーガン・ブラッドリーが、通算24アンダーで今季2勝目、ツアー通算6勝目を飾りました。最後までもつれた同大会を、CSゴルフネットワークで中継解説を務めたプロゴルファー・大町昭義さんに振り返ってもらいました。
全米オープンの翌週に行われたトラベラーズ チャンピオンシップは、2日目にトップに立ったキーガン・ブラッドリーが、3日目、最終日もリードを守り今季2勝目を飾りました。3日目トップでそのまま優勝を飾る確率は、PGAツアーでは意外と低く30%前後といわれています。それだけ後ろからの突き上げが激しいということですが、ブラッドリーは見事逃げ切りました。
逃げ切りに成功したのは、前半の9ホールで3つバーディーを取り、さらにバックナインでも難しい11、12番でバーディーを奪い、この時点で2位との差を6打に広げたこと。このリードでホッとしたわけではないでしょうが、3日目まで毎日バーディーを取っていた13番のパー5で、ティーショットを曲げてしまいボギー。14番と16番でもボギーを叩き3つスコアを落としましたが、前半の貯金がものをいって頂点に立ちました。
2011年に全米プロを制し、その後も活躍を続けていたブラッドリーですが、パッティングの病気にかかってしまい低迷。そんな彼を支えたのが、家族。特に奥さんの支えが大きかったようで、見事に檜舞台に戻ってきました。
また、15キロのダイエットにも成功したそうで、これも本来の強さを取り戻す大きな原動力になったと思います。今季は、ZOZOチャンピオンシップで優勝して、今回のトラベラーズチャンピオンシップが2勝目。子どもたちと勝利の喜びを分かち合うシーンは感動的でした。
13位タイに入った松山英樹選手にも触れておきましょう。本人のインタビューを聞いている限り、自らのプレーには納得していないようでしたが、もともと自分に対して非常に厳しくて、辛めのコメントが多い選手。客観的に見て、今大会は、現状ではベストのゴルフをしたと思います。
初日こそ少し出遅れましたが、2日目以降も60台をキープ。特に2日目は随所で素晴らしいショットを繰り出し、64をマークしました。パッティングの調子も、ロングパットをきれいな回転で入れるなど、比較的良かったような気がします。先週の黒いヘッドのパターから、今週はシルバーのヘッドに戻したのが良かったのでしょうか。ただ、「ここを入れるといい流れになる」というところで外していたのが少し残念でした。
それから今大会で存在感を示したのが、女子メジャー2勝ミンジー・リーの弟、ミンウー・リーです。4日間を60台で回って9位タイ。DPワールドツアーで活躍し、今季は全米オープンで5位に入りで、今大会もトップ10。今年中にPGAツアー初優勝を飾りそうな気がします。
彼の武器は平均321ヤードと、DPワールドツアーでもNo.1を誇った飛距離ですが、グリーン周りも実に上手い。ロブショットで低い位置から巧みに上げてくるかと思えば、転がすときは歯を使って低く打ち出してくるなど、まさに七色のアプローチを持っている。そして、何よりも楽しそうにゴルフをしているのがいい。さらに付け加えれば、プレー中に放送席とやり取りするインタビューに答えるなど若いのにコメント力もある。注目選手の1人です。
さて今週は、ミシガン州でロケットモーゲージクラシックが行われます。舞台となるデトロイトゴルフクラブは、長い伝統を誇る名門クラブ。住宅街に囲まれたコースは、比較的フラットですが、大きな木や凹凸が巧みに配置されたクラシカルなコースです。1度プレーをしたことがありますが、とても面白かった印象があります。
また、カナダのウィンザーという、中華料理が美味しいことで有名な町が近くにあり、アジア系の選手は国境を跨いで中華を食べに行くことも。そういう点では、アジア系の選手の活躍が期待できそうです。
この大会には、しばらく日本にいて英気を養っていた小平智選手も参戦。松山選手は体調次第だと思いますが、コネチカットからミシガンは距離も近いので、コンディションも整えやすいはず。大いに期待したいと思います。
子どもたちと勝利を分かち合うシーンは感動
全米オープンの翌週に行われたトラベラーズ チャンピオンシップは、2日目にトップに立ったキーガン・ブラッドリーが、3日目、最終日もリードを守り今季2勝目を飾りました。3日目トップでそのまま優勝を飾る確率は、PGAツアーでは意外と低く30%前後といわれています。それだけ後ろからの突き上げが激しいということですが、ブラッドリーは見事逃げ切りました。
逃げ切りに成功したのは、前半の9ホールで3つバーディーを取り、さらにバックナインでも難しい11、12番でバーディーを奪い、この時点で2位との差を6打に広げたこと。このリードでホッとしたわけではないでしょうが、3日目まで毎日バーディーを取っていた13番のパー5で、ティーショットを曲げてしまいボギー。14番と16番でもボギーを叩き3つスコアを落としましたが、前半の貯金がものをいって頂点に立ちました。
2011年に全米プロを制し、その後も活躍を続けていたブラッドリーですが、パッティングの病気にかかってしまい低迷。そんな彼を支えたのが、家族。特に奥さんの支えが大きかったようで、見事に檜舞台に戻ってきました。
また、15キロのダイエットにも成功したそうで、これも本来の強さを取り戻す大きな原動力になったと思います。今季は、ZOZOチャンピオンシップで優勝して、今回のトラベラーズチャンピオンシップが2勝目。子どもたちと勝利の喜びを分かち合うシーンは感動的でした。
松山・小平出場 ロケットモーゲージクラシック展望
13位タイに入った松山英樹選手にも触れておきましょう。本人のインタビューを聞いている限り、自らのプレーには納得していないようでしたが、もともと自分に対して非常に厳しくて、辛めのコメントが多い選手。客観的に見て、今大会は、現状ではベストのゴルフをしたと思います。
初日こそ少し出遅れましたが、2日目以降も60台をキープ。特に2日目は随所で素晴らしいショットを繰り出し、64をマークしました。パッティングの調子も、ロングパットをきれいな回転で入れるなど、比較的良かったような気がします。先週の黒いヘッドのパターから、今週はシルバーのヘッドに戻したのが良かったのでしょうか。ただ、「ここを入れるといい流れになる」というところで外していたのが少し残念でした。
それから今大会で存在感を示したのが、女子メジャー2勝ミンジー・リーの弟、ミンウー・リーです。4日間を60台で回って9位タイ。DPワールドツアーで活躍し、今季は全米オープンで5位に入りで、今大会もトップ10。今年中にPGAツアー初優勝を飾りそうな気がします。
彼の武器は平均321ヤードと、DPワールドツアーでもNo.1を誇った飛距離ですが、グリーン周りも実に上手い。ロブショットで低い位置から巧みに上げてくるかと思えば、転がすときは歯を使って低く打ち出してくるなど、まさに七色のアプローチを持っている。そして、何よりも楽しそうにゴルフをしているのがいい。さらに付け加えれば、プレー中に放送席とやり取りするインタビューに答えるなど若いのにコメント力もある。注目選手の1人です。
さて今週は、ミシガン州でロケットモーゲージクラシックが行われます。舞台となるデトロイトゴルフクラブは、長い伝統を誇る名門クラブ。住宅街に囲まれたコースは、比較的フラットですが、大きな木や凹凸が巧みに配置されたクラシカルなコースです。1度プレーをしたことがありますが、とても面白かった印象があります。
また、カナダのウィンザーという、中華料理が美味しいことで有名な町が近くにあり、アジア系の選手は国境を跨いで中華を食べに行くことも。そういう点では、アジア系の選手の活躍が期待できそうです。
この大会には、しばらく日本にいて英気を養っていた小平智選手も参戦。松山選手は体調次第だと思いますが、コネチカットからミシガンは距離も近いので、コンディションも整えやすいはず。大いに期待したいと思います。
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2022-23 トラベラーズチャンピオンシップ
6月22日(木)~6月25日(日)