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10年連続ツアーチャンピオンシップ出場の偉業へ!絶対に諦めない松山英樹の精神力とショット力

2023年8月17日(木)午前9:48

 PGAツアープレーオフ・シリーズの第1戦、フェデックス セントジュードチャンピオンシップが、8月10日~13日、米テネシー州TPCサウスウインドで開催され、2週連続優勝を目指すルーカス・グローバーが、パトリック・キャントレーとのプレーオフを制してツアー6勝目を飾りました。

 また、松山英樹選手が16位タイに入ってフェデックスポイントを47位とし、50位までに与えられる次戦のBMWチャンピオンシップの出場権を獲得したのもビッグニュース。大いに盛り上がった試合の模様や松山選手の活躍を、ゴルフネットワークで解説を務めた内藤雄士さん(日本プロゴルフ協会ティーチングプロ)に振り返ってもらいました。
 
松山英樹、3日目練習後のインタビュー「つかんだものがある」
 注目のプレーオフ第1戦。非常に盛り上がったいい大会でした。まずは、次戦への出場権を獲得した松山選手の話から。3rdラウンド、前半30でハーフターンしたときは、このまま行くものと思ったのですが、後半まさかの40。本人も肩を落として練習場に向かったと思いますが、練習が終わってからインタビューに戻ってきたときに、「つかんだものがある」という話をしていました。おそらく練習で、何かしら手応えをつかんだのでしょう。

 最終日はその言葉通りのプレーを見せてくれました。15番パー4でバーディを奪うや、16番パー5ではイーグル、そして17番パー4でもバーディ。特に、超難関の17番でバーディを獲ったところに松山選手の精神力、ショット力のすごさを改めて感じました。

 3日目に40だったバックナインで最終日は31。見事にリベンジを果たしてくれました。第1戦をいい形で締めくくることができたことにより、次戦のBMWチャンピオンシップでの活躍にも期待が膨らみますが、やはり、松山選手の優勝が見たいですね。優勝して10年連続でツアーチャンピオンシップの出場権を獲得し、最終戦はフェデックスチャンピオンを目指して戦ってもらいたい。最終日のバックナインのプレーを見る限り、それも夢ではないような気がします。

 もちろん、それが叶わぬまでも、何とか30位以内に入って、10年連続の偉業を達成してほしいところ。ほかの選手との兼ね合いもあるので何ともいえませんが、トップ10以内はマスト。ただ、優勝争いをしていれば、おのずとそのあたりには来ると思うし、松山選手もそういう考えでいるんじゃないかと思います。
 
努力を続けることの大切さを教えてくれたグローバー
 さて、2週連続優勝を飾ったルーカス・グローバーの話に移りましょう。43歳という年齢、しかもこの終盤で2週連続優勝というのは“立派”という言葉しか思い浮かびません。フェデックスランキングも、ウィンダムチャンピオンシップ前は112位だったのが、先週のウィンダムチャンピオンシップの優勝で49位に上がり、今回の優勝で4位まで上り詰めました。

 グローバーは2009年ベシページブラックコースで行われたUSオープンのチャンピオン。ただ、優勝した直後あたりからパッティングのイップスを患ってしまいます。その後、イップスを乗り越えてシード選手に返り咲いたり、復活優勝を遂げたりしたのですが、好調をキープできず、完全にイップスを克服していない中で努力を重ねてきました。

 今回の連勝に関しては、3週間前に手にした長尺パターが良かったという話をしていましたが、それと同時に、努力をし続けることの大切さをあらためて痛感しました。彼自身が、いくつになっても諦めずに、努力をし続けることの大切さを見ている人に教えてくれたような気がします。

 一方、惜しくもプレーオフで敗れたパトリック・キャントレーは、今シーズン勝ちはないものの、トップ10が9回、賞金ランキング6位と安定度は抜群。いつ勝ってもおかしくない選手で、2021年には年間王者にも輝くなどプレーオフにも強い。また、この大会は暑い日が続き、最終日はグローバーに疲れが見えていたこともあって、この勝負は若い(31歳)キャントレーのものかなと思って見ていたのですが…。

 明暗を分けたのは、プレーオフ1ホール目のティーショット。あの18番は、少し引っかかっただけでも池に入ってしまう。キャントレーの場合も大きなミスではなかったのですが、ほんの小さなミスが命取りになってしまいました。

 ただ、キャントレーのここまでの安定感、最終日のプレーぶりを見ていれば、このあとの2試合での活躍も期待できる。BMWチャンピオンシップは3連覇がかかるわけですが、フェデックスチャンピオンになる確率も十分あると思います。

 それにしても、TPCサウスウィンドは毎日が酷暑でした。グローバーは最終日、パンツがびしょ濡れになるくらい汗をかいていました。途中でアイスボックに手を突っ込んで冷やしていましたが、本当は氷ごと頭からかぶりたかったんじゃないかと。さらに今回は夜間に雨が降ったりして、下からの蒸気も半端じゃなかったと思います。まさに暑さと湿度との戦いで、そういう意味では体力勝負の一週間だったような気がします。

 さて、次戦のBMWチャンピオンシップ。ジョン・ラームに元気がないのが心配ですが、その他のトップランカーたちはみんな調子を上げてきていて、優勝争いは絶対に盛り上がるはず。そんな中で松山選手がどんなプレーを見せてくれるか。活躍を大いに期待したいと思います。

(写真:Getty Images)

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2022-23 BMWチャンピオンシップ
8月17日(木)~8月20日(日)

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