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「楽しくゴルフができて家族が幸せならいうことはない」依存症やうつ病を乗り越え開幕戦を制したクリス・カーク【佐藤信人のPGAツアーアフタートーク】
2024年1月11日(木)午後1:13
PGAツアーの2024シーズン開幕戦「ザ・セントリー」を制したのは、38歳のクリス・カーク。23年2月に8年ぶりの復活Vを遂げ、久しぶりに同大会に参加したベテランの優勝を、ゴルフネットワークで解説を務めた佐藤信人プロに振り返ってもらいました。また、今週行われる「ソニーオープンインハワイ」の展望も聞いています。
この大会も以前は家族連れで参加する選手も多く、試合自体もそれほどピリピリしていなかったようですが、今回はポイントがアップしたこともあって、この大会に向けて準備をしてきた選手も多かったように思います。
まずは、松山英樹選手について。最終的には、通算8アンダー58位でフィニッシュと結果的には残念だったのですが、プレーをしている姿や、毎日のインタビューの受け答えなどを聞いているとすごく前向きで、本人的には手応えを感じているのではないかと思います。そういう点からいうと、今季は期待できるのではないかと思うのですが。
さて、優勝は2023年のホンダクラシックで8年ぶりの復活優勝を遂げたクリス・カークでした。僕は彼のことを個人的に知っているわけではありませんが、非常に好きで共感を覚える選手でして、余計なことを語らず黙々とをプレーをする姿を見ていると、ついつい応援したくなります。
ご存じの方も多いと思いますが、若いころから活躍し、大学時代は“ベン・ホーガン・アワード”も受賞するような将来を嘱望されていた選手だったのですが、その後、アルコール依存症やうつ病を患い、一時期は選手生命も危ぶまれました。しかし、“家族に迷惑を掛けられない”ということで、一度ツアーから離れて治療に専念。見事ツアーに復帰してきました。
そういう経験があったからだと思いますが、現在も、「年間王者を狙う」とか「ライダーカップに出たい」というようなことは一切口にせず、「家族のために、自分が好きなゴルフに黙々と取り組む」という感じでプレーをしています。今大会も、まるで職人のように黙々とプレーをしていました。
勝負を分けたのは、17番のセカンドショット。残り209ヤードから打ったボールは、グリーン右手前エッジに着弾し、ナイスキックで50cmにピタッ。その場所に落としてボールが前に進まなかったというプレーヤーもいただけに、優勝者だけが持つ“幸運”も彼にはあったようです。
この優勝で、さすがのカークにも、新たな欲が生まれているような気がするのですが、インタビューでは、「楽しくゴルフができて、家族が幸せならそれでいうことはない」といういつも通りの答え。彼の本心を知ることはできませんでしたが、今季のポイント争い、またメジャー大会の中心になることは間違いなさそうです。
また、個人的には、日本のツアーメンバーでもあるチャン・キムにも注目しています。幼少期をハワイで過ごし米国籍を持っているチャン・キム。回り道をして母国のツアーメンバーになったなったわけですが、地元で錦を飾ることができるか。日本人選手同様、熱い声援を送りたいと思っています。
“家族のために”アルコール依存症を克服し復帰後2勝目を挙げたクリス・カーク
いよいよ2024年シーズンがスタートしましました。今季は開幕戦の「ザ・セントリー」をはじめ、通常よりも高いFedExCupポイントが割り当てられる「シグネチャーイベント」が設定され、年間王者争いに関してもスタートダッシュを切れるかどうかということが重要になってくるような気がします。この大会も以前は家族連れで参加する選手も多く、試合自体もそれほどピリピリしていなかったようですが、今回はポイントがアップしたこともあって、この大会に向けて準備をしてきた選手も多かったように思います。
まずは、松山英樹選手について。最終的には、通算8アンダー58位でフィニッシュと結果的には残念だったのですが、プレーをしている姿や、毎日のインタビューの受け答えなどを聞いているとすごく前向きで、本人的には手応えを感じているのではないかと思います。そういう点からいうと、今季は期待できるのではないかと思うのですが。
さて、優勝は2023年のホンダクラシックで8年ぶりの復活優勝を遂げたクリス・カークでした。僕は彼のことを個人的に知っているわけではありませんが、非常に好きで共感を覚える選手でして、余計なことを語らず黙々とをプレーをする姿を見ていると、ついつい応援したくなります。
ご存じの方も多いと思いますが、若いころから活躍し、大学時代は“ベン・ホーガン・アワード”も受賞するような将来を嘱望されていた選手だったのですが、その後、アルコール依存症やうつ病を患い、一時期は選手生命も危ぶまれました。しかし、“家族に迷惑を掛けられない”ということで、一度ツアーから離れて治療に専念。見事ツアーに復帰してきました。
そういう経験があったからだと思いますが、現在も、「年間王者を狙う」とか「ライダーカップに出たい」というようなことは一切口にせず、「家族のために、自分が好きなゴルフに黙々と取り組む」という感じでプレーをしています。今大会も、まるで職人のように黙々とプレーをしていました。
勝負を分けたのは、17番のセカンドショット。残り209ヤードから打ったボールは、グリーン右手前エッジに着弾し、ナイスキックで50cmにピタッ。その場所に落としてボールが前に進まなかったというプレーヤーもいただけに、優勝者だけが持つ“幸運”も彼にはあったようです。
この優勝で、さすがのカークにも、新たな欲が生まれているような気がするのですが、インタビューでは、「楽しくゴルフができて、家族が幸せならそれでいうことはない」といういつも通りの答え。彼の本心を知ることはできませんでしたが、今季のポイント争い、またメジャー大会の中心になることは間違いなさそうです。
日本勢は8人が参戦。PGAツアーメンバーとして出場するチャン・キムにも期待
さて、今週は、日本の皆さんにもお馴染みの「ソニーオープン in ハワイ」が開催されます。日本人選手は、松山英樹選手、久常涼選手、金谷拓実選手、平田憲聖選手、桂川有人選手、岩崎亜久竜選手、蟬川泰果選手、中野麟太朗選手(アマチュア)の8人が出場を予定しています。注目は、やはり松山選手と今季PGAツアーメンバーになった久常選手ですが、若手選手にも大いに期待したいところです。上位に絡む力がある選手ばかりなので楽しみです。また、個人的には、日本のツアーメンバーでもあるチャン・キムにも注目しています。幼少期をハワイで過ごし米国籍を持っているチャン・キム。回り道をして母国のツアーメンバーになったなったわけですが、地元で錦を飾ることができるか。日本人選手同様、熱い声援を送りたいと思っています。
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1月11日(木)~1月14日(日)