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「ダイスケ、元気?」9年ぶり優勝のピーター・マルナティは気さくなナイスガイ【進藤大典のPGAツアーアフタートーク】
2024年3月28日(木)午前11:15
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PGAツアーフロリダシリーズの最終戦。超難関コースで知られるイニスブルックリゾート・コパーヘッドコースで開催された「バルスパーチャンピオンシップ」は、36歳のピーター・マルナティ(米)が3,058日振りに優勝を飾りました。“スネイク・ピット(蛇の巣穴)”ともいわれる16番からの上がり3ホールも冷静にプレーしたマルナティ。ゴルフネットワークで解説を務め、マルナティとは松山英樹選手のキャディー時代、コースで会うたびに会話を交わしたというプロキャディー・進藤大典氏に、激戦の模様を振り返ってもらいました。
それにしても16番パー4での救済は「超ラッキー」でした。セカンドショットを深いラフに入れて、パーセーブも難しいのではないかという状況になったわけですが、スタンスがマンホールに掛かるということで、救済を受けてグリーンエッジからパターで寄せてこのホールはパー。あの救済は、ゴルフの神様がマルナティのために、あそこにマンホール作っておいてくれたんじゃないかと思うくらい救われたと思います。放送中も「0.5打は得している」と言いましたが、それくらいの価値はあったと思います。16番をパーで切り抜けたことで、17番パー3も気持ち良くティーショットが打てて、ベタピンのバーディー。これで優勝にグッと近づきました。
マルナティは、私が松山選手のキャディーとして米ツアーに参戦していた頃、彼も下部ツアーから上がってきました。松山選手より年は上ですが、いわば同期みたいなもの。そんな中ですぐ名前を覚えてくれただけじゃなく、いつも向こうから「ダイスケ、元気?」なんて声をかけてくれたりして。松山選手のプレーもいつもチェックしていてくれたみたいで、「先週はナイスプレーだったね」みたいなことも言ってくれたりしていました。
人間的にも、明るくてすごくいい人。本人的にもなかなか結果が出ず、辛い時期もあったと思うのですが、そんな姿を他人に見せることもなく、いつも明るく振る舞っていました。周囲へのリスペクトも欠かさず、本当にステキな人です。ゴルファーとしては、そんなに飛ぶほうではないし、ビシッと止まるボールを持っているわけではないので、2勝目は厳しいだろうなと思って見ていたんですが、9年越しの2勝目。見事というほかありません。
一方、終盤、マルナティと優勝争いをしていたキャメロン・ヤングは、またまた初優勝に届かず、2打差の2位。これが8度目の2位なんですが、今回に関しては、その健闘を大いに称えてもいいと思います。というのも、今回のコースは、ヤングにとっては不向きなコース。広くて飛ばせるコースだけじゃなくてこういうコースで優勝争いができたということは、自信にもなったと思うし、マネージメントの部分でも引き出しが増えたような気がします。これは今後も生きてくるはず。この結果を引きずらずに、ビッグトーナメントで大爆発してほしいですね。
また、日本人で唯一出場した久常涼選手は33位でしたが、こちらも大健闘だったと思います。今季9試合出場して、6試合で予選通過。しかも予選落ちの3試合は1打差で涙をのんでいる久常選手。ルーキーでここまで安定している選手はそう多くはありません。安定度という点では、ルーキーの頃の松山選手と匹敵するので、そのうち優勝してくれるんじゃないかと期待しています。
さて、今週からは、テキサスで2試合。「テキサスチルドレンズ ヒューストンオープン」の見どころは、やはりスコッティ・シェフラーの出場3大会連続優勝なるかという点です。「ザ・プレーヤーズチャンピオンシップ」で2位だったウィンダム・クラークもリベンジを狙っていると思いますが、果たしてどうなるか。大いに注目したいと思います。
(写真:Getty Images)
16番の救済はゴルフの神様からの贈り物!?
カッパーヘッドコースらしい、激しい戦いになりました。終盤にさしかかって8人ぐらいのプレーオフになるんじゃないかと思うほどの大混戦だったわけですが、ピーター・マルナティが見事に抜け出して、9年ぶりの優勝を飾りました。3日目、最終日と本当にプレーが安定していて、ティーショットで少し曲げてしまっても、セカンドではしっかりグリーンに乗せてきたりと、「さすが」というプレーが多かったように思います。それにしても16番パー4での救済は「超ラッキー」でした。セカンドショットを深いラフに入れて、パーセーブも難しいのではないかという状況になったわけですが、スタンスがマンホールに掛かるということで、救済を受けてグリーンエッジからパターで寄せてこのホールはパー。あの救済は、ゴルフの神様がマルナティのために、あそこにマンホール作っておいてくれたんじゃないかと思うくらい救われたと思います。放送中も「0.5打は得している」と言いましたが、それくらいの価値はあったと思います。16番をパーで切り抜けたことで、17番パー3も気持ち良くティーショットが打てて、ベタピンのバーディー。これで優勝にグッと近づきました。
マルナティは、私が松山選手のキャディーとして米ツアーに参戦していた頃、彼も下部ツアーから上がってきました。松山選手より年は上ですが、いわば同期みたいなもの。そんな中ですぐ名前を覚えてくれただけじゃなく、いつも向こうから「ダイスケ、元気?」なんて声をかけてくれたりして。松山選手のプレーもいつもチェックしていてくれたみたいで、「先週はナイスプレーだったね」みたいなことも言ってくれたりしていました。
人間的にも、明るくてすごくいい人。本人的にもなかなか結果が出ず、辛い時期もあったと思うのですが、そんな姿を他人に見せることもなく、いつも明るく振る舞っていました。周囲へのリスペクトも欠かさず、本当にステキな人です。ゴルファーとしては、そんなに飛ぶほうではないし、ビシッと止まるボールを持っているわけではないので、2勝目は厳しいだろうなと思って見ていたんですが、9年越しの2勝目。見事というほかありません。
一方、終盤、マルナティと優勝争いをしていたキャメロン・ヤングは、またまた初優勝に届かず、2打差の2位。これが8度目の2位なんですが、今回に関しては、その健闘を大いに称えてもいいと思います。というのも、今回のコースは、ヤングにとっては不向きなコース。広くて飛ばせるコースだけじゃなくてこういうコースで優勝争いができたということは、自信にもなったと思うし、マネージメントの部分でも引き出しが増えたような気がします。これは今後も生きてくるはず。この結果を引きずらずに、ビッグトーナメントで大爆発してほしいですね。
また、日本人で唯一出場した久常涼選手は33位でしたが、こちらも大健闘だったと思います。今季9試合出場して、6試合で予選通過。しかも予選落ちの3試合は1打差で涙をのんでいる久常選手。ルーキーでここまで安定している選手はそう多くはありません。安定度という点では、ルーキーの頃の松山選手と匹敵するので、そのうち優勝してくれるんじゃないかと期待しています。
さて、今週からは、テキサスで2試合。「テキサスチルドレンズ ヒューストンオープン」の見どころは、やはりスコッティ・シェフラーの出場3大会連続優勝なるかという点です。「ザ・プレーヤーズチャンピオンシップ」で2位だったウィンダム・クラークもリベンジを狙っていると思いますが、果たしてどうなるか。大いに注目したいと思います。
(写真:Getty Images)
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2024 バルスパーチャンピオンシップ
3月21日(木)~3月24日(日)