「バンカーショットが上手くなりたい」。そう思っていても、練習する機会が少ないアマチュアゴルファーが上達するのはかなり難しいというのが現実です。しかし、しっかりと基本を抑えておけば、ベタピンとはいかないまでも、確実にバンカーから脱出できます。

　今回は、最もシンプルで、成功率が高いバンカーショットの基本をお教えしましょう。

　バンカーショットのセオリーとして、「フェースを開いて左を向き、目標方向に対してアウトサイドイン軌道で振れ」というものがあります。しかしこの打ち方は、目の前に高い土手があるときや、ピンまでの距離が近いときに使う、いわば応用のショット。一般的なバンカーショットのセオリーではないのです。

　では基本の構え方、打ち方とはどういうものなのか。実をいうと、7番アイアンを打つときと同じでいいのです。

　スタンス幅は、肩幅。SWを持ちますが、クラブは短く握り過ぎないようにし、ボールの位置やボールとの距離も7番アイアンと同じでOKです。

　この構えから、9時から3時の振り幅で、振り抜きます（写真①～③）。


　そうすれば、あらかじめ足を砂に埋めているので、自然とボールの手前を叩くような感じになります。

　また、振り幅を9～3時とコンパクトにするのは、致命的なミスを防ぐため。よく、「大きく振りましょう」といわれますが、もしフルスイングに近いような振り幅で打った場合、トップするとボールは奥の林まで飛んでいってしまいますよね。一方、振り幅をコンパクトにしておけば、例えホームランになったとしても、ミスを最小限に抑えることができるからです。

　あまりにも簡単な打ち方なので、拍子抜けした人がいるかもしれませんが、ぜひ一度試してみてください。スイング同様簡単に脱出できますよ。

（取材協力:埼玉県東松山市・川越カントリークラブ）

大山トギ（おおやま・とぎ）
1983年まれ。オーストラリアプロゴルフ協会会長を務めたマーク・ギブソン氏に師事。2000年にレイクランズゴルフクラブのクラブ選手権大会で優勝。大学時代には、南クイーンズランド州大学対抗試合において、個人・団体優勝を果たす。その後渡米し、カリフォルニア州サンディエゴのミニツアーへ参戦。2020年にPGAティーチングプロアワード優秀賞を受賞した。現在は、日本全国で毎月レッスン会を開催中。PGAティーチングプロA級・ジュニア指導員。

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