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OB一直線の球が木に当たってセーフ!31歳の苦労人ブライアン・キャンベル初優勝【大町昭義のPGAツアーアフタートーク】
2025年2月27日(木)午前11:59
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メキシコ・ヴィダンタワールド(ヴィダンタバヤルタコース)で開催された「メキシコオープン at ヴィダンタワールド」。優勝を飾ったのは、31歳のブライアン・キャンベル(米国)。プレーオフ2ホール目でオルドリック・ポットギーター(南ア)を突き放し、ツアー出場187試合に目にして初勝利を飾りました。
日本人選手は4人が出場し、久常涼選手が14アンダーで10位タイ、予選を通過した金谷拓実選手が10アンダーで32位タイという結果を残しました。同大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた大町昭義プロに振り返ってもらいました。
その後はコンフェリーツアーで戦い、昨シーズン7位に入ったことでPGAツアーに昇格。「メキシコオープン」が4試合目で、今季の最高成績は「ザ・アメリカンエキスプレス」の51位タイと、決して良い状態ではなかったようですが、何かきっかけを掴んだのでしょう。
プレーの中で最も良かったのが、ティーショットです。4日間のフェアウェイキープ率は84.62%で、最終日に至っては何と1回しかフェアウェイを外さず。安定感が初優勝をもたらした辺りにも、苦労人であるキャンベルらしさが出ているような感じがしました。
優勝が決まった瞬間、ガールフレンドと喜びを分かち合っていましたが、彼女はずっとそばに付き添ってくれていて、メンタル面でもサポートしてくれたとか。本当に印象に残る優勝シーンだったと思います。
試合の方を振り返ってみましょう。72ホールが終了して20アンダーで並んだキャンベルとオルドリック・ポットギーターの戦いは、プレーオフに突入しました。そして迎えた2ホール目、勝負を分けたというよりも、キャンベルが優勝を拾った1打と言ってもいいのは、その2ホール目のティーショットです。
最終日は1度しかフェアウェイを外さなかったキャンベルが、大事なティーショットを右サイドに大きく外したわけですが、そのボールが木に当たって“運良く”ラフまで戻り、そこからバーディーに繋げて勝利をものにしました。
ショット自体は最悪でしたが、このティーショットは、まさに“ショット・オブ・ザ・デイ”の価値があるもの。木に当たってなければ完全にOB。打った瞬間、キャンベルも「やってしまった!」という顔をしていましたが、結果的にはこのショットが優勝に結びついたことになります。
よくいわれることですが、ゴルフというスポーツはいかに素晴らしいパフォーマンスを発揮しても、最後はハートの勝負になるということ。この2つがリンクしないと勝ちには繋がりません。ただ、年齢のことを考えると、まだまだこれからの選手。
しかも南アフリカには、グランドスラムを達成したゲーリー・プレーヤーを始め、アーニー・エルス、レティーフ・グーセン、トレバー・イメルマン、シャール・シュワーツェルら偉大なメジャーチャンピオンが大勢います。彼らのアドバイスを受けてさらなる成長を遂げれば、今後の大ブレークは間違いないでしょう。
日本人選手は、久常涼選手、金谷拓実選手、大西魁斗選手、星野陸也選手の4人が出場して、最終的に久常選手が10位タイ、金谷選手が32位タイという成績を残しました。久常選手は久々のトップ10入り。昨シーズンも1月の「ザ・アメリカンエキスプレス」で11位タイに入りましたが、前半戦は比較的調子が良さそうなので、次戦の「コグニザントクラシック in ザ・パームビーチ」も期待しましょう。また金谷選手も今季初めて予選を通過してまずまずの順位でフィニッシュ。こちらも今後が楽しみです。
「メキシコオープン」はグレッグ・ノーマン、「コグニザントクラシック」はジャック・ニクラスがデザインしたコースですが、どちらも池絡みのホールがたくさんあり雰囲気も似ているので、久常選手にとってはいいリハーサルになったでしょう。
また、「メキシコオープン」では予選落ちをしましたが、星野選手もハマれば上位を狙えるはず。優勝争いができる力を持っているので、トップ10、トップ5とはいわず、一気に優勝争いに絡んでほしいと思います。
(写真:Getty Images)
日本人選手は4人が出場し、久常涼選手が14アンダーで10位タイ、予選を通過した金谷拓実選手が10アンダーで32位タイという結果を残しました。同大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた大町昭義プロに振り返ってもらいました。
ブライアン・キャンベルがツアー187試合目で初優勝を飾る
頂点に立ったのは、伏兵ブライアン・キャンベル。カリフォルニア州生まれで、現在31歳の練習熱心な選手。2016-17シーズンはPGAツアーに20試合出たのですが、最高成績が12位タイ。賞金ランキングも180位でシード権を失いました。その後はコンフェリーツアーで戦い、昨シーズン7位に入ったことでPGAツアーに昇格。「メキシコオープン」が4試合目で、今季の最高成績は「ザ・アメリカンエキスプレス」の51位タイと、決して良い状態ではなかったようですが、何かきっかけを掴んだのでしょう。
プレーの中で最も良かったのが、ティーショットです。4日間のフェアウェイキープ率は84.62%で、最終日に至っては何と1回しかフェアウェイを外さず。安定感が初優勝をもたらした辺りにも、苦労人であるキャンベルらしさが出ているような感じがしました。
優勝が決まった瞬間、ガールフレンドと喜びを分かち合っていましたが、彼女はずっとそばに付き添ってくれていて、メンタル面でもサポートしてくれたとか。本当に印象に残る優勝シーンだったと思います。
試合の方を振り返ってみましょう。72ホールが終了して20アンダーで並んだキャンベルとオルドリック・ポットギーターの戦いは、プレーオフに突入しました。そして迎えた2ホール目、勝負を分けたというよりも、キャンベルが優勝を拾った1打と言ってもいいのは、その2ホール目のティーショットです。
最終日は1度しかフェアウェイを外さなかったキャンベルが、大事なティーショットを右サイドに大きく外したわけですが、そのボールが木に当たって“運良く”ラフまで戻り、そこからバーディーに繋げて勝利をものにしました。
ショット自体は最悪でしたが、このティーショットは、まさに“ショット・オブ・ザ・デイ”の価値があるもの。木に当たってなければ完全にOB。打った瞬間、キャンベルも「やってしまった!」という顔をしていましたが、結果的にはこのショットが優勝に結びついたことになります。
弱冠二十歳、南アフリカの超ロングヒッター、ポットギーターが2位タイに
一方、プレーオフで敗れたポットギーターは南アフリカ出身で、弱冠二十歳。強みは飛距離で、コンフェリーツアーでの平均飛距離は340ヤード超え。この大会でも平均飛距離は320ヤードを超えていました。また、今週はパッティングも素晴らしかったと思います。その選手が、最終日はイーブンでスコアを伸ばせず。これはプレッシャー以外の何物でもないと思われます。よくいわれることですが、ゴルフというスポーツはいかに素晴らしいパフォーマンスを発揮しても、最後はハートの勝負になるということ。この2つがリンクしないと勝ちには繋がりません。ただ、年齢のことを考えると、まだまだこれからの選手。
しかも南アフリカには、グランドスラムを達成したゲーリー・プレーヤーを始め、アーニー・エルス、レティーフ・グーセン、トレバー・イメルマン、シャール・シュワーツェルら偉大なメジャーチャンピオンが大勢います。彼らのアドバイスを受けてさらなる成長を遂げれば、今後の大ブレークは間違いないでしょう。
日本人選手は、久常涼選手、金谷拓実選手、大西魁斗選手、星野陸也選手の4人が出場して、最終的に久常選手が10位タイ、金谷選手が32位タイという成績を残しました。久常選手は久々のトップ10入り。昨シーズンも1月の「ザ・アメリカンエキスプレス」で11位タイに入りましたが、前半戦は比較的調子が良さそうなので、次戦の「コグニザントクラシック in ザ・パームビーチ」も期待しましょう。また金谷選手も今季初めて予選を通過してまずまずの順位でフィニッシュ。こちらも今後が楽しみです。
「メキシコオープン」はグレッグ・ノーマン、「コグニザントクラシック」はジャック・ニクラスがデザインしたコースですが、どちらも池絡みのホールがたくさんあり雰囲気も似ているので、久常選手にとってはいいリハーサルになったでしょう。
また、「メキシコオープン」では予選落ちをしましたが、星野選手もハマれば上位を狙えるはず。優勝争いができる力を持っているので、トップ10、トップ5とはいわず、一気に優勝争いに絡んでほしいと思います。
(写真:Getty Images)
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2025 メキシコオープン at ヴィダンタワールド
2月20日(木)~2月23日(日)