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ラッセル・ヘンリーの逆転勝利はパーマーさんのお導き?16番チップインイーグルが勝負を決める1打に【大町昭義のPGAツアーアフタートーク】

2025年3月13日(木)午後0:21

 フロリダ州のベイヒルクラブ&ロッジで開催された「アーノルド・パーマーインビテーショナル presented by マスターカード」は、35歳のラッセル・ヘンリーが逆転で優勝を飾りました。勝負を決めたのは、16番チップインイーグル。このホールでヘンリーがコリン・モリカワを逆転し、そのまま逃げ切りました。

 日本人選手は松山英樹選手が出場しましたが、最終的にはイーブンパーの22位タイで終わりました。同大会の振り返りと、次戦の「ザ・プレーヤーズチャンピオンシップ」の展望を、ゴルフネットワークで解説を務めた大町昭義プロに語ってもらいました。
 
ミスから生まれたヘンリー16番のチップインイーグル
 今年の「アーノルド・パーマーインビテーショナル」は72ホール目で決着がつきました。まず、優勝したラッセル・ヘンリーについて。年齢は35歳。飛距離は平均的ですが、フェアウェイキープ率が高く、安定したプレーが身上の選手です。また、表情一切変えない、いわゆるポーカーフェイスというのも彼の特長になっています。例えば16番パー5でチップインイーグルを決めたときも、ほとんど表情を変えず、キャディーとハイタッチを交わしただけでした。

 今日の1打を考えると、やはりこのチップインイーグルに尽きるわけですが、もう1つ気になった点をお話したいと思います。それは、コリン・モリカワのこと。モリカワは最終日、1打差のトップでスタートしたわけですが、1番パー4のセカンドショットを右手前のバンカーに入れてしまいました。

 ここまではよくあることですが、そこからチップインをしてバーディーを獲りました。このときなぜか、「ひょっとしたらモリカワの優勝はないかも」と思ったんです。というのもモリカワの勝ちパターンというのは、しっかりパーを重ねていくというもの。ところがいきなり幸運なバーディーを拾った。何となくそれがモリカワらしくないと思ったわけです。

 案の定、3番パー4でボギーを叩き、5番パー4で返しましたが10番でボギーと、いつもとは違ってチグハグなゴルフをやっているように見えました。勝ち切れなかった要因がその辺りにあるような気がするのですが、私だけが感じたことなのかもしれません。

 さて、話を16番のチップインイーグルに戻しましょう。ヘンリーはティーショットで300ヤードのロングドライブ。そして、最終日はピンが手前のタフな位置だったので、ヘンリー的には「ちょっと奥でもいいかな」と考えて、セカンドショットは、ワンクラブ大きめのクラブでカット気味に打ちました。

 ところがそのショットが右のラフにつかまった。本人としては、寄せて確実にバーディーを獲るというイメージだったと思いますが、そこに神様がいた。アーノルド・パーマーさんが、「ここに打てよと」とささやいてくれたのだと思います。

 素晴らしいショットではありましたが、もし入らなかったらおそらく3mはオーバーしていたんじゃないかと。そうするとトーナメントの流れがガラッと変わっていた。まさに運を味方につけた1打となりました。

 ヘンリーはこれでツアー5勝目。シグネチャーイベントは初の優勝で、優勝賞金は400万ドル(6億円弱)。まさにアメリカンドリームをつかんだ感じです。優勝を決めたあと、お子さんが駆け寄るシーンも印象的でした。奥さんは画家で、子供が3人。試合中も家族で声援を送っていましたが、絵に描いたような幸せを見せてもらいました。

 日本人選手は、松山英樹選手が最終日に3アンダーをマークして22位タイ。4日間を通してみると、本人的にはある程度手応えがあって、いい感じなのに上手く流れに乗れないというところでしょうか。調子自体は悪くないので、ちょっとした微調整でグンと良くなると思います。

 さて、次戦は、いよいよ第5のメジャー、「ザ・プレーヤーズチャンピオンシップ」。スコッティ・シェフラー、過去この大会で優勝しているジェイソン・デイ、地元フロリダで戦う松山選手と強豪が揃い、かなりし烈な戦いが繰り広げられるでしょう。

 注目したいのは、肋骨の故障から戻ってきたザンダー・シャウフェレ。「アーノルド・パーマーインビテーショナル」を見る限り、300ヤードを超えるビッグショットを打つなど、体力的には問題はないと思います。しかも今回は、初日5オーバーと出遅れましたが、しっかり予選を通って4日間プレーできた。次戦に繋がる戦いになったと思います。

 コースはお馴染みのTPCソーグラス。ベイヒルクラブ&ロッジも池絡みのホールがたくさんありましたが、TPCソーグラスも池だらけ。見ていて面白いのが16番、17番、18番の上がり3ホールで、風向きによってはバーディー、イーグルも出るけど、6~8打を平気で叩いてしまう。

 特に18番は、左サイドに大きな池が広がるホールで、ピート・ダイの傑作ともいわれています。この大詰めの3ホールでどんなドラマが生まれるのか。また、自分だったらどんな攻め方をするかということをシミュレーションしながらエンジョイするのもいいでしょう。大いに楽しんでください。

(写真:Getty Images)

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