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セベへの想いこそ大逆転Vの原動力 ロイヤルT

2013年12月23日(月)午後0:07

 欧州チーム大逆転勝利の裏には、偉大なる大先輩への熱い想いがあった。

 メジャー5勝で世界中の人々に感動を呼び起こす闘志溢れるプレーで知られるセベ・バレステロス(スペイン)が、欧州とアジアのゴルフ界の隆盛を祈り、創設したのがザ・ロイヤルトロフィだ。

 ライダーカップスタイルのマッチプレー形式で、それぞれが実力者たちを集めてチームを作り激突する大会は今年、第7回目の開催を迎えた。当初、もちろんセベは欧州チームの主将として大会に参戦していたが、病魔に侵され、一昨年5月に死去。だが、欧州勢を中心にその死を悼み、崇拝する気持ちは今でもしっかりと残っている。それが形になったのが今回の大会だ。

 対戦成績はこれまで4勝2敗で欧州チームがリード。それでも、前回の2012年大会はプレーオフとなる激戦の末、アジアチームが2009年以来3年ぶりとなる2度目の勝利をおさめており、今年は連覇に挑んだ。

 最終日(現地時間22日)のシングルス戦を前にポイント5.0対3.0でアジアチームがリード。連覇への期待が高まった。キラデク・アフィバーンラト、トンチャイ・ジェイディのタイ勢2人が、敬愛する母国の国王、ラーマ9世のサインが入ったトロフィを持ち帰るために連勝し、差を4ポイントに広げた。だが、激戦を繰り広げた末に石川遼がマーク・ウォーレン(スコットランド)に敗れると、アジアチームはそこから一気に押されて逆転負け。Y・E・ヤン主将(韓)をはじめとする面々は、悔し涙にくれた。

 それを尻目に歓喜に沸いた欧州チームの最大の武器は、この世にいなくなっても後輩たちを見守ってくれているセベに、勝利を捧げる気持ちに他ならない。石川 vs. ウォーレンの次の組で金亨成(韓)を破ったデビッド・ハウエル(英)が「追い詰められた状況で自分のマッチが後半に入った時、オリー(ホセ・マリア・オラサバル欧州チーム主将)のほうを見たら、何かいいことが起きる予感がしたんだ」と振り返ったが、まさにそこから奇跡が起きた。

 金相手に14番を終えて3ダウンと圧倒的不利な状況だったハウエルが、15番のバーディから猛攻を開始して17番で追いつくと、最終18番で逆転勝ち。一気に攻勢をかけた欧州チームが勝利を収めたのだ。

 見守ってくれるセベの魂に捧げる感動の逆転勝利。ライダーカップでもセベとコンビを組んだこともあるオラサバル主将(スペイン)は誇らしげにカップを高く掲げ、亡き英雄に勝利を報告した。

≪第7回 ザ・ロイヤルトロフィ放送予定≫
http://www.golfnetwork.co.jp/original/royaltrophy2013/

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