メジャーの行方はタイガー次第
2014年1月1日(水)午後0:52
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2014年のメジャータイトルの行方は、やはりタイガー・ウッズ(米)の調子次第だろう。
タイガーは1997年にプロとして初めて出場した21歳のマスターズで記録ずくめの優勝を果たして以来、ロッコ・メディエート(米)との19ホール死闘プレーオフを制した2008年全米オープンまで14ものメジャータイトルを積み重ねてきた。
幼いころから自分の部屋の壁に貼り、目標としてきた帝王ジャック・ニクラウス(米)のメジャー大会通算18勝まであと4勝。最初はニクラウスの記録を超えることに首をかしげていたファンも関係者の誰もが、タイガーの勢いに可能性を信じて疑わなくなっていた。ところが好事魔多し。人生はそう順風満帆にはいかない。アスリートの宿命ともいうべき故障と、自ら引き起こしたスキャンダルにまみれタイガーは深いスランプに陥った。
それでも、ここで終わらないのがスーパーアスリートであるタイガーだ。戦線に復帰すると徐々に調子を取り戻し、2013年には米男子ツアーで5勝を挙げ世界ランクNo.1の座を奪還。ツアー賞金王とプレーヤー・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀選手賞)も手に入れた。昨年のメジャー大会での成績は、マスターズが4位タイ、全米オープンが32位タイ、全英オープンが6位タイ、全米プロゴルフ選手権が40位タイと、全盛期に比べれば不満は残るものの通算15勝目が近づいていることを感じさせるシーズンだった。
それだけにタイガー自身も、周囲も新しいシーズンには大きな期待をもって臨むことになる。2013年の最後に公の場に姿を見せたのは恋人、リンゼイ・ボン(米)の復帰戦だった。アルペンスキー会場だったが12月30日に38歳の誕生日を迎えた肉体は、戦闘レベルをしっかりとキープ。安定したショットと自信満々のパッティングを引っ提げて、シーズン入りすることは間違いない。
まずは過去4勝と得意のマスターズ(現地時間4月10?13日/ジョージア州オーガスタナショナルGC)。ここで思うようなプレーができれば年内のメジャー15勝目は確実だろう。また、さらに勝ち星を増やすことも考えられる。
そのタイガーの対抗馬となるのは、マスターズ連覇を狙うアダム・スコット(豪)だ。地元、豪州で圧倒的な強さを見せつけた勢いそのままにシーズン入りする。研ぎ澄まされた技に凄みが加わっており、再びグリーンジャケットに袖を通すようなことがあればスコットもさらに一皮むけそうだ。
元世界ランクNo.1のローリー・マキロイ(北アイルランド)も年末に復調しており、ようやく慣れた新しいクラブでメジャー3勝目を狙ってくる。
フィル・ミケルソン(米)、アーニー・エルス(南ア)らベテランたちも優勝争いに加わり激戦の年にするに違いない。そこに米ツアーではルーキーの松山英樹、ツアー2年目を迎える石川遼がどれだけ絡めるか。2014年もファンには楽しみな1年となりそうだ。