完全復活へのカウントダウン開始 タイガー首位タイ!
2012年1月29日(日)午後0:58
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完全復活を模索するタイガー・ウッズ(米)が今季初戦での優勝に王手をかけた。
現地時間28日に行われた欧州ツアーのアブダビHSBCゴルフ選手権(UAE、アブダビGC)第3ラウンド。首位に2打差の4位タイからスタートしたタイガーはスタートホールの1番で幸先の良いバーディを奪うと、18ホール中グリーンを外したのは2ホールだけという安定した内容でノーボギーの6アンダー66をマーク。通算11アンダーとしロバート・ロック(英)と並び首位の座を分け合った。
2打差の3位タイに若き世界ランク3位ローリー・マキロイ(北アイルランド)、ピーター・ハンソン(スウェーデン)、フランセスコ・モリナリ(伊)、ポール・ローリー(スコットランド)が続き、通算8アンダー7位タイに前日のトーナメントリーダー、トービヨン・オルセン(デンマーク)を含む4人が並ぶ展開。世界ランク1位のルーク・ドナルド(英)はスコアを1つ落とし通算イーブンパー55位タイに低迷している。
昨年末のシェブロン・ワールド・チャレンジで復活Vを飾っているとはいえ、タイガーの公式戦での優勝は2009年のオーストラリアン・マスターズが最後。54ホールを終え首位または首位タイで最終日を迎えた場合の勝率は(世界で)60回中52勝と高いが、それは好調だった頃の過去のデータ。2年以上公式戦での勝星から遠ざかっているタイガーにしてみれば、3日目を終えてトップに並んだからといって決して安全圏ではない。
「安定したゴルフが出来たね。凄く良かったわけじゃないけれど、ミスが沢山あったわけじゃない。3日目にノーボギーの6バーディは自分の仕事がきっちり出来たと思う。でもこのコースは難しい。同じようなゴルフをしても一歩間違うと連続ボギーがきてしまう。リーダーボードにはたくさん強い選手が名を連ねているし、皆に優勝のチャンスがある。パープレーじゃ到底勝てない。とにかく少しでもスコアを伸ばせるようなゴルフをしなければダメだ」と首位タイにも気を引き締めたタイガー。
ムービングデーのこの日、リーダーボードは目まぐるしく入れ替わった。しかしバックナインに入りタイガーが10番、12番、14番で着実にバーディを奪った時点で首位タイグループに浮上し、最終18番パー5を15メートルから2パットのバーディで締めくくったところで一瞬、タイガーが単独トップに立った。だがすぐその後、ロックが上がり2ホール連続バーディで首位を分け合うことに。
そのロックは34歳にしてツアー優勝は昨年のBMWイタリア・オープンでの1勝のみ。かつてゴルフコースのショップで働いていた経験を持つ苦労人は10年以上前「お客さんにチョコレートを売りながら、テレビでタイガーがメジャーで優勝するシーンを何度も見た。そんな雲の上の人と一緒に最終組を回れるチャンスなんてそうそうない。夢を実現出来て本当に嬉しい」とタイガーとの最終日最終組のラウンドに興奮を隠し切れない。
本来のショットが甦った今、タイガーが高速グリーンを手なずければ完全復活の可能性は高そうだ。