今季占うフルフィールド初戦 D.クイグリーが息子のために参戦
2012年2月10日(金)午後1:03
米チャンピオンズツアーのアリアンツ選手権が、フロリダ州ボカラトンのオールドC at ブロークン・サウンドを舞台に現地時間10日に開幕を迎える。
昨季大会ではトム・レーマン(米)が優勝を飾り賞金王への足がかりを作った。また一昨年の大会覇者で、コースにほど近いボカラトン在住のベルンハルト・ランガー(独)も、ここでの勝利で波に乗りシーズン5勝の快進撃につなげたもの。つまり2012年シーズンを占う意味で注目の一戦なのである。
レーマン、ランガーはもちろん、開幕2連勝を狙うダン・フォースマン(米)、昨季トップ10入りを12回マークし、賞金ランク7位に食い込みながら優勝に手が届いていないピーター・シニア(豪)や、優勝争いの常連ジョン・クック(米)、ニック・プライス(ジンバブエ)、マーク・カルカベッキア(米)ら強豪が勢揃いする。
そんな中、この大会に特別な思いで挑むプレーヤーが居る。昨年の12月、27歳になる息子のデボンさんが自動車事故で瀕死の重傷を負ったダナ・クイグリー(米)だ。事故から2か月過ぎた今もデボンさんは集中治療室で生死の境を彷徨っている。「プロならシーズン最初のティーショットはフェアウェイに打ちたいと思う。でも今、自分は別のことで頭がいっぱい。ただ息子ならきっと“試合に出て”と言ってくれるはず。家族会議で出場を決めた」と悲壮な決意で初戦に挑む。意識が戻らないデボンさんのためクイグリーは精一杯3日間54ホールを戦い抜くつもりだ。
尚、フレッド・カプルス(米)、マーク・オメーラ(米)は同週開催の欧州ツアー、オメガ・ドバイ・デザート・クラシック(UAE、エミレーツGC)に参戦しているため欠場。日本勢は出場しない。