タイガー2年半ぶり復活V! 得意の大会でツアー通算72勝目達成
2012年3月26日(月)午前8:14
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遂にこの時がやって来た。2年半の沈黙を破りタイガー・ウッズ(米)が924日ぶりにウィナーズサークルに還って来た。
「イエス、イエス、イエス!」
過去6勝を挙げている米ツアーのアーノルド・パーマー招待最終日最終ホール(現地時間25日、フロリダ、ベイヒルC&ロッジ)、ウイニングパットを沈めたタイガーは、深く頷きながら「イエス」を連発した。得意の大会で後続に5打差をつける圧勝に、復活を待ち望んだギャラリーから「タイガー、タイガー…」の大合唱が巻き起こる。
「本当に凄くいい気分だ。ハードワークが報われた。これまで沢山の人に助けてもらったけれど、今回は特にギャラリーの応援に勇気づけられた。マスターズが本当に楽しみだ」と、約2年半ぶりの優勝に最高の笑顔で「フィールズグレイト!(最高の気分)」を連発したタイガー。3年前の11月の交通事故から不倫スキャンダルが発覚して以来、勝星から遠ざかっていた彼にとってまさに待望のツアー通算72勝目。2009年に71勝目を挙げてからわずか1勝をプラスするまで、まさかこれほど時間がかかるとは本人も決して思っていなかっただろう。しかしスキャンダルに加え度重なるケガが、無敵の王者から笑顔を奪い去って行った。
今週は昨年まで居を構えていたオーランドでの大会だけに「友達が沢山応援に駆けつけてくれた」と、アットホームな雰囲気の中、ゴルフに集中することが出来た。ここ2年ほど一緒にスイング改造に取り組んで来たコーチのショーン・フォーリーもオーランドが地元とあって、今回は大会前から付きっきりでタイガーの練習に付き添い、練習場では1打ごとに細かいアドバイスを送っていた。
そして迎えた最終日。最終組を一緒に回ったグラエム・マクドウェル(北アイルランド)との一騎討ちの様相を呈する中、バック9で短いパットを相次いで外したマクドウェルの勢いが止まる一方で、タイガーはクラッチパットをきっちりと沈め、4バーディ、2ボギーの2アンダー70でホールアウト。2オーバー74と崩れたマクドウェルに大差をつける快勝だった。
シーズン当初から照準を合わせてきたマスターズが2週間後に迫る中での優勝は本人にとって願ってもない抜群のタイミング。通算14勝で足踏みしているメジャーでの勝星を伸ばすべく、この勝利で弾みをつけたタイガーが2週間後、5度目のグリーンジャケットを目指す。
その他上位陣は通算6アンダー単独3位にイアン・ポルター(英)が入り、通算5アンダー4位タイにアーニー・エルス(南ア)、ケビン・ナ(米)、ブッバ・ワトソン(米)、ライアン・ムーア(米)、バッド・コーリー(米)らが食い込んだ。
50位タイから上位進出を狙った石川遼は、気合いが空回りしたのか出だし3ホール連続ボギーでつまずくと、最後まで立ち直りのきっかけをつかめず3バーディ、6ボギーの3オーバー75。通算5オーバーは53位タイで4日間の競技を終えている。