霧の中の死闘を制したのはW.シンプソン! タイガー21位タイ
2012年6月18日(月)午後0:15
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ベテラン vs. 若手対決の様相を呈した最終日、26歳のウェブ・シンプソン(米)が初のメジャーチャンピオンに輝いた。
メジャー最高峰にして最難関の戦い、第112回全米オープンはカリフォルニア州サンフランシスコ郊外のオリンピックCを舞台に現地時間17日、最終ラウンドの競技を終了。首位タイからスタートした全米オープンタイトルホルダーのジム・フューリック(米)とグラエム・マクドウェル(北アイルランド)がスコアを落とす中、前半の3連続バーディで波に乗ったシンプソンが2日連続となる2アンダー68をマーク。通算1オーバーで先にホールアウトし後続を待つ展開に持ち込んだ。
最終18番、1打差で追いかけるフューリックとマクドウェルがバーディなら、シンプソンと並びプレーオフにもつれ込むところだったが、フューリックの第2打はバンカーにつかまりパーセーブならず。距離のあるバーディチャンスにつけたマクドウェルもファーストパットがカップの左をすり抜けパー止まり。シンプソンが前日の8位タイから逆転でツアー通算3勝目にして初のメジャータイトルを獲得した。
サンフランシスコ名物の霧にコースが覆われ、気温が下がった最終日。首位を守り続けてきたフューリックが16番パー5のティーショットを大きく左に曲げる大ピンチ。2打目はフェアウェイに出すだけ、3打目はピンまで111ヤード地点に運ぶのがやっとの状況。さらに4打目がグリーン手前のフリンジに跳ねてグリーン外に押し戻され、5打目で1.2メートルに寄せてボギー。その時点でシンプソンが単独トップに躍り出た。
続く17番でマクドウェルが執念のバーディを奪ってシンプソンに1打差と迫るも、最終18番でバーディを奪えず万事休す。その様子をクラブハウスのテレビの前で観戦していたシンプソンは、一瞬信じられないといった表情を浮かべた後、妻と抱き合って喜びを爆発させた。
ゴルフの名門ウェイク・フォレスト大学卒のエリートは2008年にプロ転向。2009年からPGAツアーに参戦し、3年目の昨季2勝を挙げて賞金ランク2位に入って大ブレイクを果たした。今季は初戦のヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズで3位タイ、5月のウェルズ・ファーゴ選手権で単独4位に入っているが、ここ2試合(ザ・プレーヤーズ選手権&ザ・メモリアル・トーナメント)連続で予選落ちを喫しており、今大会出場前は本調子ではなかった。
その他上位陣は、通算2オーバー2位タイにマクドウェルとマイケル・トンプソン(米)、通算3オーバー4位タイにフューリックの他、デビッド・トムズ(米)、パドレイ・ハリントン(アイルランド)、ジョン・ピーターソン(米)、ジェイソン・ダフナー(米)の面々が食い込んだ。
タイガー・ウッズ(米)は序盤にスコアを大きく崩し通算7オーバー21位タイ。日本勢で唯一予選を突破した藤田寛之は最終日にバーディを1つも奪えず4オーバー74を叩き、通算13オーバー51位タイに終わっている。
尚、石川遼、谷口徹、高山忠洋は予選ラウンドで姿を消している。