42歳E.エルスが逆転V! A.スコット&タイガーは撃沈
2012年7月23日(月)午前3:33
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最後の最後まで誰が勝つかわからない展開となった第141回全英オープン(英国、ロイヤルリザム&セントアンズGC)は、昨年に続き大ベテランの復活優勝で幕を閉じた。
現地時間22日に行われた最終ラウンド。後続に4打差の単独首位からスタートしたアダム・スコット(豪)が終始トップを走り楽勝ペースかと思われたが、終盤まさかの失速。15番から4連続ボギーを叩いて後退すると、後半4バーディを奪って2アンダー68をマークし、通算7アンダーで先にホールアウトしていたアーニー・エルス(南ア)に逆転を許した。結局エルスがスコットに1打差をつけ同大会10年ぶり2度目、メジャー通算4勝目を達成している。
「アダム(スコット)に悪いような気がする。勝てると思っていなかったから、まだまったく実感がない」と上がり4連続ボギーで敗れたスコットをまず気遣ったエルス。24歳で全米オープンに優勝し、彗星のごとくゴルフ界に新風を吹き込んだエルスも今や42歳の大ベテランに。今季は世界ランクトップ50圏外に去り、メジャー初戦のマスターズへの出場権を失うという屈辱も味わった。
30代後半にはバカンスを楽しんでいる最中、バナナボートから投げ出され左脚を痛めるアクシデントにも見舞われた。息子ベン君が自閉症であることをカミングアウトし、チャリティ活動に時間を割く日々の中「もうメジャーには勝てないのでは?」と不安に押しつぶされそうになったこともある。だが勝利の女神はエルスを見放さなかった。
奇しくも昨年は、やはり40代のダレン・クラーク(北アイルランド)の復活Vに湧いた世界最古のメジャーは今年、エルスの逆転Vに酔いしれた。ナイスガイ、エルスが手にした新たな勲章。「他のどのタイトルよりメジャーが欲しい」という彼は、この勝利を最愛の家族に捧げた。
その他上位陣は、勝ったエルスに1打差の単独2位にスコット、通算3アンダー3位タイにタイガー・ウッズ(米)、ブラント・スネデカー(米)の2人。4年ぶりのメジャー通算15勝目を目指したタイガーは、最終日に3つスコアを落とし完全復活をアピールすることは出来なかった。
また悲願のメジャー初制覇を狙った世界ランク1位のルーク・ドナルド(英)は、通算2アンダーでグラエム・マクドウェル(北アイルランド)と並び5位タイに終わっている。
日本勢は藤本佳則が通算7オーバー54位タイ、武藤俊憲が通算11オーバー72位タイ。石川遼、小田孔明、谷口徹、藤田寛之、高山忠洋、市原弘大の面々は予選で姿を消している。